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燃える誕生日会
しおりを挟む「……最高!!」
俺は興奮が冷めず、大声を上げてヘルメットを脱いだ。
今日は俺の誕生日であり、納車日。
淳司の勤めるバイク店で大金を支払い、中古のKAWASAKI『Z1000』を購入した。
淳司からは『女を後ろに載せてツーリングするようなバイクではないぞ?』
と言われたが、俺は彼女らタンデムする気は無いので別にかまわない。年間成約した車があるので、そっちを使えばいい。
俺は今、バイク屋から自宅までバイクで帰ってきた所だ。
半年以上の間もお金を溜めて買った俺の愛車は、教習所で乗っていたスーフォアとはまるで馬力が違った。加速が凄まじく、肌に感じる風が緊張感と高揚を与えてくれる。お金が無いのに無駄に高速道路に乗って帰ってきてしまったくらいだ。明日ももう一度これに乗ってどこかに出かけてみよう。
自転車置き場に駐輪した俺の『Zちゃん』を優しくバイクカバーで覆い、チェーンで鍵をかける。中古で購入したので細かい傷はあるがすでに愛着が湧いている。
「さて、……問題はここからだな」
俺は浮かれた意識を即座に切り替える。
何度も言うが、今日は俺の誕生日。それは彼女達、酒飲みモンスターズも知っている。自意識過剰でなければ、誕生日会を俺の部屋で開いてくれるはずだ。
祝ってくれる事は凄く嬉しい。彼女らの心遣いには素直に感謝し、21歳となったおめでたい日を楽しく過ごしたい。
「…………」
俺は自宅の目の前で、扉の向こうから感じる邪気を感じ取っていた。
アイツらがまともに俺の事を祝う? ちょっと信じることができない。西代の誕生日会では、部屋内で打ち上げ花火を点火したような奴らだ。
俺は自身の直感に従う事にした。何があってもいいように、汚したくない新品のヘルメットと上着を扉の横に置いた。これで大丈夫だ。
そして、意を決し、ゆっくりとドアを開いた。
「た、ただい────」
「「「陣内! 誕生日おめでとう~~~~~!!」」」
ポン!! バシャバシャバシャッ!!
俺のただいまは大きな祝いの声で掻き消され、同時に彼女たちは俺に向かって瓶に入った大量の液体をぶっかけてきた。
「ぶくぶくぶくぶく…………」
顔面に放たれた液体の正体は、炭酸のよく効いたビールだった。激しく炭酸が弾けて目を開けていられない。だが、この事態は予想できていたので俺はたいして慌てずに彼女たちの好意を受け止め、飲んだ。ビールの濁流は10秒もしない内に止まるだろう。
思ったよりは酷い事にならなくて安心した。
「ぷはっ! …………あ゛ー、美味かった」
頭からビールまみれの俺は、ビールの感想を愚直に口にした。
銘柄は分からなかったが発泡酒ではないだろう。
「それはよかったでありんす!」
「ビールシャワーなんて受けた事ないと思ってね」
「アル中の陣内にー、浴びるほど酒を飲んでもらおうと思って用意したんだー!!」
酒飲みモンスターズは悪戯が成功した子供の様に無邪気な笑顔を浮かべていた。
こいつらは本当に成人しているのだろうか。
「はいはい、ありがとうな。早速の大歓迎で、俺は嬉しいよ」
本音半分、呆れ半分の感情でお礼を言う。ビールシャワーは思いのほか楽しかった。開始早々この有様だ。今日の誕生日会は最後まで退屈しないだろう。
「とりあえず、風呂に入りたいんだが。泡まみれで全身ビール臭い」
「もちろん、風呂には湯を張ってあるぜよ!」
そう言うと、安瀬が俺の手を掴んで引っ張った。
「今日は、お主が主賓じゃからの! 猫屋が特別に背中を流してくれるでござるよ!」
「え!? 私そんなこと聞いてないんだけどーー!!」
「別にいいんじゃないかい? 減る物じゃないんだしさ」
ハチャメチャな会話を聞きながら、俺は安瀬に引っ張られていった。
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風呂に入っている最中のことだが、猫屋がスクール水着を着て本気で背中を流そうとしてくれた。俺は大爆笑しながら、断っておいた。気遣いは嬉しいが方向性が間違っている。
真っ赤な顔をしていたので、相当に恥ずかしいかっただろうに、よくやってのけたなと思う。どうやら今日は俺を全身全霊で祝ってくれるつもりのようだ。
暑い風呂でビールと汚れを流し落として、いつもの部屋に案内される。
部屋の内装は風船やHappy Birthdayと書かれたパネル、折り紙で編まれたリボンと色鮮やかで綺麗に飾り付けれらてあった。
「おぉ! すごいな! いつもと同じ部屋のはずだけど、内装が変わると違った風に見えるぜ」
「でしょーー!! 家主様の誕生日会だから結構頑張ったんだよー」
スクール水着からまともな服装に着替えた猫屋が自信ありげに胸を張った。
この細かく綺麗な内装は彼女が用意した物なのだろう。
「飯も凄い豪華だな、ケーキまであるのか」
テーブルに置かれた美味しそうなご飯を見ていると、ある瓶に目が行った。
彫の深い外国人の中年男性がラベルにプリントされてたものだ。
「ド、ドンパパまで用意してくれたのか!」
ドンパパ。フィリピン産のダークラムだ。バニラの香りが強く香る、度数40%の甘い酒。オーク樽でしっかりと熟成された後に、不純物ろ過するため雑味が一切感じない深い味わいが特徴らしい。
「俺、飲んだことなかったんだよ!」
「あれ、5000円もするからね」
「なんで洋酒の美味しいのはあんなに高いんだろうねー」
「関税でござろう」
俺が甘い酒が好きだから、ダークラムをチョイスしてくれたのだろう。
なんて、気の利いた奴らだ。今日は夢の様な1日だな!!
コツンッ
「?」
酒に気を取られ、思わず足を踏み出した。
その時、何か固い物を足で小突いた。
「なん───」
「酒の事よりさー!」
猫屋が興奮した様子で俺に話しかけてきた。蹴とばしてしまった物は気になるが彼女の話を先に聞こう。
「バイクはちゃんと納車できたのー!?」
彼女は俺のバイクに興味を示しているようだ。
猫屋は大型二輪の免許を持っている。なので、次に発せられる言葉は容易に想像できた。俺は会話を先回りして返答する事にした。
「保険に入って、ガソリン代を自分で払うなら別に乗ってもいいぞ」
「え、マジでー!! 陣内、やっさしいーー!!」
キラキラと目を輝かせ、喜ぶ彼女。
俺が苦労してお金を貯めたのだからお前は乗るなよ、なんて心の狭い事ことは言わない。今日のように、彼女には普段から世話になっている。
『Zちゃん』には悪いが、中古なので多少転んでも文句は言うまい。
「ただ、事故だけは起こすなよ」
「それはお互い様だよねー」
それもそうだ。バイクの事故は洒落にならない。
気を付けておこう。
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誕生会は進んで行き、豪華な酒とご飯を楽しんだ後の話。
俺は彼女達から誕生日プレゼントを貰い、気分が最高潮に舞い上がっていた。
安瀬は以前に高くて購入を諦めた馬上杯、西代はカッコいい男性物のベルト、猫屋はコカボムグラスやアブサンスプーンなどといった酒に使う小道具類をプレゼントしてくれた。
いやー、今日は本当に素晴らしい1日だな! 安瀬がとんでもない企画を練っていると身構えていたが、ここまでで驚いた催しはビールシャワーくらいだ。アレくらいのサプライズなら嬉しい限り。酒は高いものが多くて、飯も美味しかった。それに、このプレゼントのセンスの良さだ。どれも俺好みで、彼女たちが真剣に選んでくれたと思うとちょっと感激した。おしゃれな品で使うのがとても楽しみだ。
「こんな良い物ばっかり、ありがとうな!」
俺は満面の笑みを浮かべてお礼を述べた。
「お礼なんて別にいいでござるよ、水臭い」
「ふふっ、喜んでもらえて嬉しいくせに」
「安瀬ちゃんの見栄っ張りー」
「う、うるさいでありんす!!」
俺の素直な反応に三者三様の反応をみせる彼女達。
今日は珍しく、彼女たちが見た目通りの天使に見えた。
「汚したくないし、今は押し入れにしまっておくな!」
俺はそう言って席を立ち、押し入れがある寝室へと向かおうとした。
「「「あ、ちょ───」」」
上機嫌にガラッと引き戸を開く。
そこには、山のように積まれた段ボールが置いてあった。
「……? え、なんだこれ?」
俺は呆気に取られていた。普段なら、寝室には彼女たちの寝床が広がっているはずだったが、布団は邪魔だと言わんばかりに綺麗に畳まれ隅に置かれている。
「あーあ、バレちゃったー……」
「せっかくサプライズとして用意してあったのにね」
「まぁ、仕方ないでござる。寝室を封鎖しておかなかった我らが悪い。少々早いが更なる贈り物を送るとするかのぅ」
俺がその段ボール群を見つけたことに彼女たちは露骨にがっかりと落ち込んで見せた。
更なる送り物?
「おいおい、何だよサプライズって。こんないい物を用意してくれたのに、まだ俺に何かくれるつもりだったのか?」
目の前の段ボールがサプライズプレゼントというのなら、その中身は凄い量になるとおもうのだが。
そんな事を考えていると、安瀬が俺の隣にまで来てニヤリと笑って見せた。
嫌な予感がする。
彼女がそういった笑みを浮かべるのは決まって頭の可笑しい事を宣言するときだ。
「サプライズプレゼントとは、我ら3人の事でありんす」
「…………は?」
安瀬の唐突な『プレゼントは私達』といった発言。
急に猥談とはどういう事だ。意味が分からない。
「今日から、僕たちはここに住むことにしたんだ」
「………………はぁ!?」
「もう賃貸も解約してきたよーー!! という訳でこれからもよろしくねー!」
「はぁあああああああ!!!???」
俺の絶叫が室内に木霊した。
ついに、ついに、ついに、こいつら、やりやがった。
踏み越えてはいけない一線をいとも簡単にぶち破った。
「あぁ、もちろん家賃はしっかりと払うぜよ」
「電気代もガス代も4分割さ。これでより効率的に生活できる」
「生活費が減ってー、お酒とか旅行にお金を使えるようになるねー!!」
好き勝手に共同生活のメリットを語る酒飲みモンスターズ。
デメリットの事を彼女たちはまるで気にしていない様子だ。
そのデメリットとは当然、俺の事だ。
「お、お、お、俺、男なんだぞ??」
「「「知ってる」」」
知っていたようだ。
本当に異性とのルームシェアを始めるつもりのようだ。
確かに、俺は酔えば性欲が無くなる体質だ。
しかし、常に酒を入れているわけではない。プライベートの時間が完全に無くなれば俺の理性など一瞬ではじけ飛ぶ自信がある。それだけの魅力が目の前の綺麗な華達には存在していた。
「い、今すぐ賃貸を再契約してきてくれ!!」
俺は必死になって彼女たちに懇願した。相談なしに勝手に移住を決め、それをサプライズプレゼントなどと宣った事を怒る気にすらなれない。それくらい危機的状況に追い込まれた。
「もう家電を売り払ったから、ここ以外に僕たちには行くところはないよ?」
ピシッと音を立てて意識にひびが入った。
「陣内が私たちの事をどーしても追い出したいって言うのなら、仕方ないから出ていくけどー」
パキンと今度は心が折れた。
「そうなった場合、我らは1週間ぐらいは宿無しであるな!」
バキバキッ! と音を立てて、俺の何かが崩れ落ちた。
こいつ等は不退転の覚悟を決めているようだった。自らの身を盾にしてまで、俺に同棲生活を強要している。もはやそれは、脅しと何ら変わりない。
「………………」
こうなれば、俺は彼女たちの提案を受け入れざるを得ない。女を泊まる場所も無く放り出すほど俺は鬼畜ではないし、彼女たちには深い情と思い入れもある。
そもそも、このサプライズはかなり前から入念に準備されていたように思える。衣類掛けの運搬は事前に行われていたし、段ボール群は引っ越し業者に依頼して運んでもらったはずだ。
安瀬が部室棟に空き部屋ができた事を知っていたのはこの計画の為だったのだろう。本来、3人分の荷物はこの部屋には多すぎる。普段は使わないが捨てたくない物もあるだろう。しかし、部室という名の物置を手に入れた事によってその問題も解消された。
あの事件はトリガーになっていたのだ。
そこまで準備したのだから、今この場は、俺が適当な言い訳で断ることができないものに仕立て上げているはずだ。
「で、家主どの? 是非、我らからのプレゼントを素直に受け取って欲しいのでありんすが?」
ポスンと安瀬が俺に身体を預けた。
上目づかいに俺を見て、返答を待っている。
どうせ断れないのだから早く認めろ、と言われているようだった。
「……せめて寝室は分ける様にしような」
断るわけにもいかないので、俺は仕方なく彼女達の同棲を許可した。
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酒飲みモンスターズの提案を受け入れた陣内は寝室の段ボールを避けて、押し入れに彼女達から貰ったプレゼントを収納している。
その手付きはフラフラとして、頼りない。
明日から飲まなければいけない酒の絶対量を計算していたのだ。
「やったねーー!! これで生活費がグンっと安くなるよーー!!」
「今まで何であんな賃貸にお金を払っているのか疑問だったよね」
「これからは大学の近くで遅刻を気にせず毎日酒盛りぜよ!!」
その隣室で計画の成功を喜び合う彼女達。
「よし! 計画の成功を祝ってシャンパンでも開けるぜよ!」
「いいねーー!! 花火付きのやつだよね!」
「また凝った物を用意するね、安瀬は」
安瀬はソファの下に隠しておいた、花火用ボトルキャップを付けた特性シャンパンを取り出す。コルクの先端を花火が王冠のように囲んでいる。花火を取り付けるのに邪魔であった、留め具の針金は既に取っ払ってあった。
「猫屋、火を付けて欲しいでやんすよ」
「はいはーい!」
猫屋は銀のジッポに火を灯し、慣れた手付きで全ての導火線に火をつける。
その時、西代はある違和感に気づく。
「あれ? 花火って先端のコルクに着けるんじゃなくて、その下の瓶の部分につけるんじゃないのかい?」
「え?」
安瀬は西代の指摘を受けて、シャンパンを傾けてチラリと飲み口を覗き見る。
それに合わせて、コプリと内容物が流動する。
その軽い揺れが、これから起きる大惨事の引き金になった。
シャンパンは針金の留め具を外すと、何もしなくても中の圧力でコルクがはじけ飛ぶことがあるぐらい不安定な物だ。おまけに、隠されていたシャンパンには陣内の足先が当たっていて、すでに十分な衝撃が加わっている。
ジュッ! と全ての花火に火がつくと同時に、ポンっ!! と大きな音を立ててコルクは寝室に向かい発射された。
「「「っ……!!」」」
彼女達は突然の事に驚いて腰を抜かす。
シュワシュワと瓶の中から中身が溢れ出した。
本体から離脱し、花火を搭載したコルクは、段ボールの山を越え、さらに陣内梅治の頭を超えて、押し入れの奥へと着地した。
「うお! な、なんだ……!?」
シューーーー!! っと勢いよく綺麗な閃光を上げる花火。薄暗い押し入れ内が急に明るく照らされて陣内は声を上げ驚いた。
陣内家の押し入れには様々な雑貨が存在している。おでんの入った鍋を寝かせておく為の新聞紙といった紙類も仕舞ってある。あまり使わないので紙類は押し入れの奥の方に置いてあった。
運悪く、新聞紙に火花が引火する。
「え、ちょ、お、まじか!!」
火がついてからは早かった。束になった新聞紙が丸ごと火種となってしまい、押し入れ内は小さなボヤ騒ぎへと発展していく。
「おい!! 花火が引火したッ!! 水! 水を持って来てくれええッッ!!!!」
大慌てで陣内は、零れたシャンパンの片づけをしていた女性陣に声をかける。
陣内の焦った声に、3人は目を丸くして驚いた。
「わ、わかった!!」
その声にとっさに反応したのは西代だった。陣内の簡潔で分かりやすい指示を受けて、台所に急いで水を取りに行く。
「わ、我も!!」
「あ、あわわわ…………!!」
少し遅れて安瀬が駆け出し、猫屋は何もできず間抜けな声をあげるばかり。
陣内はそれを見て、すぐには水が来ない事を確信する。
「ええと……! な、なにか、消火できる物……!」
彼は左右を見渡して、使える物が無いかを探し始めた。
その時、火が広がる押し入れの一角に無数に存在する、ある物体群を発見する。
「ひゅ────ッッッッッッ!!!???」
陣内の口から、恐怖のあまりおかしな呼吸が漏れた。
酒だ。陣内家にストックしてある大量のアルコール類。その中にはスピリタスやアブサンといった度数が50%を超える酒が乱立している。
火の手は酒瓶に群れにあと数センチといった所まで近づいていた。
それを見た陣内は段ボールを蹴とばしながら、一心不乱に寝室を飛び出した。
「猫屋ッッ!!!」
「え、ちょ、陣内!?」
そのままスピードを落とさずに猫屋を強引に担ぎ上げて、台所と広間を分ける引き戸を蹴り飛ばす。なりふり構わず、とにかく一目散に逃げる事しか考えてなかった。
「安瀬! 西代!! やばい!! アルコールに引火する!! 外に逃げろッ!!!」
「「うぇえええ!!??」」
陣内の信じられない言葉を聞いた2人は、背筋を震わせ彼と同じように玄関に向けて駆けた。
4人は、人目も気にせずに素足のまま外へと逃げ出した。
次の瞬間────
ボォォォオォォォォオオオオオオオオオンンン!!!!
彼らの先ほどまで居た部屋から耳を劈くような炸裂音が響き渡った。
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ウオーーン、と俺の近くで大きな音を上げるサイレン。
赤いランプがチカチカと眩しく、目の奥から鋭い痛みが走る。
メラメラと燃え上がる、俺が昨日まで寝泊まりしていた部屋の一室。
「「「「…………………………」」」」
俺達4人は何も言わず、安全な外で放水作業を見守っていた。
この分だと隣の部屋までは焼ける事はないだろうな、とか、この建物って確か火災保険しっかり入ってたよな、とか、自身の罪を軽減するような言い訳ばかり考えている。
その時、黙っていた安瀬が口を開いた。
「こ、これって、わ、私のせい…………だよね?」
いつもの口調は強い衝撃でどこか遠くに行ったようだ。目の前で起きている事態に正気を蹴落とされているのだろう。動揺のあまり顔が笑ってるように引きつっている。目の端には涙さえ浮かんでいた。
俺も涙を流しながら、彼女の方を振り向く。泣き顔など見せたくはないが、勝手にあふれてくるのだからしょうがない。
「お前のせいじゃないよ……それに、生きてるだけ十分だ……」
今回の事件は誰のせいでもないと本気で思った。
運が悪かった。……………………だが、明日からどうしよう。
応援ありがとうございます!
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