374 / 410
本編 学園中等部編
227 ※微
しおりを挟むルーカスとリヴァイがお婆さんの元へ行くと、お婆さんが教本や道具の紹介をしてくれる。
「こちらが男性同士の行為に関する教本でございます。例えば行為前の準備の仕方でしたり、快楽を得る為の体の開発であったりの内容が書かれております」
「体の開発?」
「男性同士であれば、挿入は肛門になります。しかしそこは性器ではございませんので、快楽を得る為に慣らす必要がございます。そう言ったことが教本には書かれております」
お婆さんが詳しく説明するのをルーカスとリヴァイは真剣に聞いた。
「成程。では、この本を1冊貰えるかな。道具の事も教えて貰えるかい?」
「そうですね。閨教育などでご存知かと思われますが、こちらは男性が性行為を行う際に男性器に付ける避妊具です」
そう言ってお婆さんが手に取ったものは、コンドームの様なゴム製の道具であった。
「男性同士であれば妊娠は致しませんが、精液を入れたままにしているとお腹を壊してしまうそうです。なので掻き出す必要が有りますが、これを付ける事でその手間を省くと言った形です。
そしてこれは滑りを良くするローションです。こちらを使う事で挿入時の痛みが軽減されます。それから挿入前に解すためにも使用致します。他は魔道具が殆どですね」
「魔道具かい?」
「はい。魔力を込めることで振動させ性感帯に当てる事で快楽を得るものですね。こう言った魔道具は殆どが貴族の方々が使用する為のものです」
平民は魔力量が少なく、金銭面的にもこう言ったものを買ったり使ったりする余裕はないらしい。
「そして男性同士の行為の際には、欠かせない道具がございます。それがこちらです」
そう言いながらお婆さんは、ビー玉ほどの大きさの丸く白い道具を手に取った。
「これはなんだい?」
「こちらは行為前の準備に使う物です。初めにこちらに少し魔力を込めた後に肛門に入れる事で、肛門内の汚物を一瞬で洗浄してくれます。洗浄器が無いと、準備の際にシャワーを当てて清潔にするなどをしなければなりません」
「それは手間も時間もかかるし、何より本当に清潔になったのか定かでは無いね」
「はい。それから行為後に、先程の避妊具、ゴムと言いますが、ゴムを付けずに挿入し、中に精液を出した場合や、ローションを使用した際は、指などで精液やローションを出来るだけ掻き出した後に洗浄器を使って洗浄して下さい。そうする事で腹痛になる事を避けることが可能です」
「それはとても便利だね。それにしても、こんな小さな物に回路を組み込むなんて、これを開発した者は素晴らしい魔法師だったんだろうね」
そう言ってルーカスは洗浄器を感心した様にまじまじと見た。
「使い方も知りたいし、ゴムと洗浄器は幾つか買って帰ろうか」
ルーカスがリヴァイにそう言うと、お婆さんが2人に尋ねる。
「洗浄器とゴムは1箱20個入りで売っております。それからゴムは5段階程サイズがございますがどう致しましょうか?」
「……殿下、今日購入する物は教本と洗浄器だけに致しませんか?」
「……分かった。では洗浄器を1箱をお願い」
「畏まりました。では、包装致しますので此方で少々お待ちくださいね」
リヴァイが申し訳なさそうな表情でルーカスにそう言うと、ルーカスはリヴァイの表情に少し疑問に思いながらも了承してお婆さんに伝えた。
お婆さんは注文を受け取ると、教本と洗浄器を持って店の奥へと入っていった。
サイズが分からないだけならば、ここまで申し訳なさそうにする必要はないと思うけれど……。それに少し困った様子でもある……。
「リヴ、何か不安な事でもあったのかい?」
考えても答えが出ない為ルーカスは直接リヴァイに尋ねた。するとリヴァイは少し躊躇いながらも正直に話した。
「……殿下には伝えておかなくてはなりません。幼少期に閨教育を受けた際、1人で処理をする際もゴムを装着するようにと教わりました」
「そうだったんだ」
「私が処理をするようになったのが15の頃なのですが、その頃はゴムは1番大きいサイズを使用しておりました。しかし体が成長するにつれ陰系も大きくなったのか……その、1番大きいサイズでもきつくなってしまい、ゴムを装着出来ないのです……」
そのリヴァイの言葉に、ルーカスは驚きを隠せない。
「……つまり行為の際にゴムを装着出来ないという事かな……?」
「申し訳ございません……。もっと早くに伝えるべきでした」
リヴァイは物凄く申し訳なさそうにルーカスに謝罪する。
「いや、入らないものは仕方がないよ。それにしても、君のものがそんなに大きいと、僕のお尻が裂けてしまいそう……。もし入りそうになかった時は、僕が君を抱いてもいいかな……?」
ルーカスは少々遠い目をしながら本気か冗談か分からない声のトーンでリヴァイにそう言ったのだった。
33
お気に入りに追加
723
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
淫愛家族
箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。
事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。
二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。
だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる