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本編 学園中等部編
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しおりを挟むセバスとモニカが部屋を出ると、ルーカスは眠ったままのレイアをベビーベッドに下ろした。そしてリヴァイは真剣な表情でルーカスと向き合う。
「申し訳ございません殿下。殿下に対しこの様な下劣な思いを抱いているなど……」
「リヴ、謝らないでよ。真剣に僕の事を思ってくれている君の感情が、下劣なはずがないでしょう?」
「しかし……」
「確かに僕は、性的な事は苦手だし、怖いと思っている。正直、しなくていいならしたくないよ。けれど、リヴなら嫌ではないと思うんだ。もしも僕が、君が触れる事や君との行為を拒絶してしまっても、君自身を拒絶したり、嫌いになったりすることは絶対にないと言い切れる」
ルーカスが真剣な表情でそういうが、リヴァイの不安や申し訳なさは拭えていない様子だ。
「ねえ、リヴ、言ったでしょう? 僕は君に何をされても許してしまうと。僕が拒絶しても辞めないで。沢山酷いことしてよ。僕を壊したって構わない。君の好きなようにして良いから」
ルーカスが愛おしそうにリヴァイにそう言うと、リヴァイはルーカスを思い切り自分の方へと引き寄せ、我慢をしている低い声で、ルーカスに言った。
「余り煽るような事を言わないでください……。理性が飛んでしまう。それから1つだけ言わせてください。私に、怖がる相手を無理矢理にという趣味はございません」
「そう、では、僕の体を作り変えてよ。君に触れられると、どろどろに蕩けてしまう体に……」
「殿下、怒りますよ……」
リヴァイがそう言うと、ルーカスはリヴァイに抱きつく力を強めた。
ああ、確信した。抱きしめられてこんなに安心するのだから、君に触れられて拒絶する事なんて、有り得ない。
「エド兄さんの立太子後すぐに返事を伝えに行くから、後もう少しだけ、待っていてね」
「心待ちにしております」
そう言ってリヴァイもルーカスを強く抱き締めた。
「……ぁ~ぅ~、あーぶ!」
「レイアが起きたみたいだね」
「はい」
ルーカスとリヴァイはレイアのベビーベッドに近付き彼の顔を見る。
「おはよう、レイア」
ルーカスがそう言いながらレイアの頭を撫でると、レイアはニコニコと笑った。
「この子の色は、リヴと同じだね」
「レイアの父も黒髪にグレーの瞳でしたから、遺伝したのでしょう」
「大きくなったらリヴのようになるかな? 今から楽しみだね」
「そうですね」
2人は微笑みながらそんな会話を交わす。
「ぅあ~、う~」
「ん? どうしたんだい?」
レイアが腕を上に伸ばして何かを訴える。それを不思議に思いルーカスとリヴァイはレイアに手を伸ばした。するとレイアは2人の指を掴んで口の中にぱくりと入れた。
「っ、レイア……」
「ふふ、、はははっ! 僕とリヴの指を一度に食べるなんて、レイアは欲張りさんだねぇ、ふふふ」
指を食べられ驚き困った様子のリヴァイと、楽しそうに笑うルーカス。
「ミルクは飲んだはずですが、ただ気に入ったものを食べているだけでしょうか?」
「恐らくそうだろうね余程僕達を気に入ってくれたようだね」
「殿下は落ち着かれておりますね」
「先程翼と髪も食べられたからね」
「……翼もですか? 3度目となれば流石に慣れますね」
リヴァイは、驚きながらも少し笑ってそう言った。
「リヴ、夕食まで時間があるから、先に湯浴みをしておいで。僕もレイアを湯浴みさせるね」
「畏まりました。浴室に桶があったはずです。こちらへ持ってまいります」
そう言うとリヴァイは浴室へ行きレイアが入る程の大きさの桶を持ってきた。
「ありがとう」
「いえ、私も湯浴みをしてまいります」
「うん、行ってらっしゃい」
リヴァイが湯浴みに行くと、ルーカスは桶に魔法でぬるま湯を溜めた。
替えの服を用意しなければいけないね。
ルーカスは部屋にあるベルで使用人を呼んだ。すぐに使用人が部屋へやってくる。
「失礼致します。お呼びで……、皇子殿下……?」
使用人はルーカスがリヴァイの部屋にいる事に驚いた様だ。ルーカスはそれを気にとめず使用人にいう。
「悪いがモニカに言って私の幼少期の服を用意させてくれ。それからセバスに数日以内に服を手配する様伝えろ」
もうしていそうだけどね。
「承知致しました。今ご用意する服は1着でよろしいですか?」
「いや、3着程持ってきてくれ」
「畏まりました。直ぐにお持ち致しますので少々お待ちください」
「ああ」
使用人は直ぐに服の用意をしに部屋を出ていった。
「あ~あ~」
「レイア、少し待ってね」
◇ ◇ ◇
(ノア様がいらっしゃると思ったから皇子殿下がいてびっくりしたわ。それにしても、ノア様のお部屋で皇子殿下が赤子のお世話を……。以前から仲が悪い様には見えなかったけど、よくお2人だけでお出かけなさるし、やっぱりそういう仲なのかしら? ううん、だめよ主人のプライベートの詮索なんて! けどもしそうなら、、すっごく尊いわ! これは皆に報告しなくちゃね!!)
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