転生皇子の新生活

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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本編 学園中等部編

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 アンジェリーナが生徒会を追放されてからは、魔術大会の準備は全く問題なく進み、10の月5の日に大会が開催された。
 魔術大会には、女生徒も多く参加する為、生徒の多くが出場する。しかし中等部1、2年の授業は魔力操作の段階で、魔法を安定して使えない為出場は禁止されている。

 だが皇族は学園入学の時から学園卒業レベルの魔法が使える為、中等部1年時から出場可能だ。

 そして今世代の皇族は全員が物凄く優秀で魔法の実力も魔法士団員と同等かそれ以上の力を持っているのだ。
 その為魔術大会の上位4位までを、ウィリアム、エドワード、ルーカス、ソフィアの4人が独占した。




 そして魔術大会が終わったあと、すぐに生徒会が開かれた。
 生徒会室に全員集まると、イライアス先生が話をする。


「魔術大会が終わったという事は、高等部3年の生徒会の仕事も終わりだ。これからは次の会長、副会長が指揮を執ることになる。
 つっても、お前ら3人とも生徒会終わってからも護衛でこっち来んだろうけど……。来年からはずっと横いんだろ?」


 イライアス先生の言葉にセドリック達3人は少し苦笑いをする。


 皇族の側近達は学園を卒業した後、それぞれの主が卒業するまでは学園で過ごすことになる。家の跡取りとしての勉強で側を離れることもあるが、基本的には授業中ですら主の側にいることになるのだ。


「だから今から次の役割を決めるぞー。まず会長と副会長だ。順当にいけばアレンかノアだが、何か考えがあるんだろ?」


「ああ。私達は副会長をしてエドワードに会長をしてもらう。エドワードとリヴァイと話して決めた」


「それから、再来年はアシェルに会長をやらせる。お前も王太子だ。国に帰る前に指示役を経験しておけ」


 エドワードのその言葉にアシェルは心底驚く。


「ルカ様を差し置いて上に立つなど……!」


「その為に私が次の会長をするのだ」


「僕もその方がいいと思うよ。僕が勝手に君を王太子にした様なものだからね。この罪悪感を無くすためにも、再来年に会長をして欲しいな」


 ルーカスがそう言うと、アシェルが困った様に言う。


「テオ様は罪悪感を感じられていたのですか?」


「ふふ、まったく。あれが王にならなくて良かったと思っているよ。まあけど、君に負担をかけさせていることは事実だし、そこは少し申し訳なく思っているよ」


 素直に答えるルーカスにアシェルは仕方なく言う。


「分かりました。再来年の会長をやらせて頂きます。至らない点はあると思いますがよろしくお願いします」


「ああ。頼んだ」


 来年の会長、副会長が決定し、その後も役割を決めていく。そして皆の役割が決定すると、最後にセドリック、ティファニー、キャサリンの3人が軽く挨拶をして解散したのだった。




 あれから月日はあっという間に進んだ。11の月3の日にある1年間の締め括りのテストが終わった。そして9の日には修了式が行われ冬の長期休暇に入る。


 12の日には卒業式が行われる。初等部5年と中等部4年と高等部3年の生徒、それから生徒会の生徒が集まり、入学式のように大々的に執り行われた。


 そして卒業式が終了すると、学園は完全に封鎖され、生徒は各々屋敷や宿に帰っていく。

 ルーカスもエドワード達と共に馬車に乗り、皇城へと帰ってきた。




「ただいま、モニカ」


「お帰りなさいませ。本日はご夕食のお時間が早めるそうで、酉の刻に食堂にお越しくださいとの事です」


「分かった。庭園には食後に行くよ。湯浴みの準備をお願い」


「かしこまりました」


 モニカは直ぐに湯浴みの準備に取り掛かる。その間にルーカスはプレストン伯爵に手紙を書き、オズワルドに渡して届けてもらう。

 そして浴室の準備が出来ると、湯浴みをしてから夕食を食べに食堂へ向かう。




 食堂に入ると皆が揃っていた。


「ただいま父様、母上、リリー」


「「「おかえりなさい」」」


「ルーカス、また背が伸びたんじゃないかしら?」


「本当? それは嬉しいね」


 ルーカスは話ながら自分の席に着く。そして料理が運ばれ皆で食事をしていく。食事を済ませると、アーサーが言った。


「エドワード、生徒会長になったのだろう。これからも国の皇子として、民を導けるようしっかり励むように。

 ウィリアム、中等部卒業おめでとう。魔術大会の活躍は耳にしている。よく頑張った。今後もしっかり磨いてゆけ。

 ソフィ、友人を守ったそうだな。証拠の収集を迅速に行ったのだろう。情報は社交界では女性の武器だ。これからもその力を大切にしろ。

 ルーカス、テストは全て満点を取ったのだな。そして中等部1年の内に剣術、体術、魔術の大会で表彰された。満遍なく努力を出来ている。

 リリーも勉学に武術、魔術も頑張っていると聞いている。

 私達の子は本当に努力家で素晴らしいな。とても誇らしい」


「そうですね。とても鼻が高いです。これからも頑張ってちょうだいね」


 アーサーとジェシカは心の底から誇らしげにし、嬉しそうにそう言ったのだった。





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