転生皇子の新生活

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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本編 学園中等部編

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 8の月6の日。オリエンテーションの準備で、午後は学園中が大忙しだ。


「テオ殿下、仮縫い出来たので来てください!」


 ルーカスはフェイスに呼ばれて、2人の元へ行き、仮縫いした衣装を着る。先にミスターコンの方の衣装だ。


 他の者達の衣装も仮縫いまで出来たらしく、皆も着てみることになった。


「少し大きいかしら?」


「こんなものじゃない?」


 ルーカスのミスターコンの衣装は黒地の騎士団の制服に似た形ものだ。


「ズボンは大丈夫そうだけど、上はもう少し肩の辺りを詰めた方が良くない?」


「うん、そうね。テオ殿下、少しだけ待っていてください」


「ああ」


 そう言うとフェイスとジェイダは急いで手直しする。
 すると、同じく仮縫い衣装を着たマルセルがルーカスに話しかけた。


「テオ、似合ってるな。俺なんか服に着られてるみたいだろ」


「そうか? よく似合っていると思うが。体格がいいから、騎士団にいても違和感はないと思うぞ」


「そりゃどうも」


 マルセルの衣装は騎士団の制服に、クマの耳と尾をつけている。全く同じという訳では無いが、出来がすごく良い。


 ルーカス達は装飾作りでよく一緒にいた為、マルセルはテオ、フランクはルーカスと呼び、敬語を外す事になったのだ。


「テオ殿下、出来ました。これを着てみてください」


 フェイス達が戻ってきて、ルーカスに手直しした上着を渡す。それをルーカスが着ると、先程よりもちょうど良い大きさだった。


「完璧! じゃあ、次はこっちです!」


 そう言うとフェイスが仮装用の衣装をルーカスに渡した。それを受け取ると、ルーカスは思う。


 ……なんだか、スカート短くないかな?


 ルーカスはそう思いながらも、渡された衣装を着る。


 ……やはり短いよね。


 ルーカスの衣装は上は長袖のブラウスで、下は膝上のスカートだった。


「あとはこれを付けてください」


 ジェイダがルーカスに猫耳の髪飾りと、猫の尾を渡す。それをルーカスが付けると、フェイスとジェイダ、それからマルセルが絶賛する。


「すっごく可愛い!! 本物の女の子みたいね!!」


「ええ、これは完璧ね!」


「すげぇ似合ってるぞ」


 するとその声を聞いたクラスの皆がルーカスの方に注目し、皆も絶賛した。


「……スカートが短くないか? ドレス等の長さを想定していたのだが」


「貴族の女子だと短いスカートなんてはけませんので、殿下なら男子ですし、なにより似合うので!」


「私達は分家ですので、将来は服を作りたいのですが、女性はこういったものは着れませんから……。けれどどうしても作ってみたかったのです」


 ジェイダが申し訳なさそうに言うと、ルーカスは仕方ないと言うような声色で了承した。


 貴族女性は伴侶以外に足を見せることは、はしたないとされている。その為、2人が将来服を作ったとしても、値段的に平民が買えるものでもないだろうから、作っても来て貰えないだろう。


「では、これを本縫いして完成ですので、完成したらまた着用お願い致しますね」


「分かった」


 ルーカスは仮縫い衣装を脱ぎ、自分の作業へと戻って行った。




 そして放課後、ルーカス達は生徒会で、いつものように各々自分の仕事をしていると、イライアス先生が言う。


「オリエンテーションの1週間前になったら、生徒会も休みになるからそれまでにあらかた仕事は片付けておけよー」


「ルー、悪いけれどこれもしてくれるかな? ノアはこれをお願い出来る?」


「分かった」


 ルーカスとリヴァイは自分の分の仕事が終わりそうだった為、セドリックが仕事を頼む。それを引き受けその後見回りをして今日の仕事が終わる。
 そして明日は休みの為、皇城に帰った。


 皇城で夕食をとると、アーサーとジェシカ、そしてリリアンがオリエンテーションのことを尋ねた。


「お姉様とルーお兄様は仮装カフェをなさるのですよね?」


「動物の耳を付けると聞いたが」


「はい。私はドレスにうさぎの髪飾りと尾をつけて、ルーも猫の耳と尾をつけます。ルーもスカートを履くのですよ」


 ソフィアが楽しそうに言うと、アーサー達は少しだけ驚いた。


「ルーお兄様もスカートを履かれるのですか……?」


「うん。クラスの子が見たいと言っていてね。それに衣装を作ってみたいという子達もいたから」


「ルーカスの女装は久しぶりだな」


「そうですね。あの時は本当にびっくりしたわ。ルーカスがドレスを着てカーテシーをするんだもの」


 アーサーとジェシカが、ルーカスが女装をして街へ出かけた時のことを思い出し、微笑んでいる。すると、リリアンが前にもしたことがあるのか尋ねた。


「兄さん達と買い物に行ったのだけど、ローブ姿も素顔も見られていたからね。変装の為にドレスを着て髪と瞳の色も変えていたんだよ」


「そうだったのですね。きっと凄くお綺麗だったのでしょう」


 ルーカスの説明を聞いて、リリアンはルーカスのドレス姿を想像して褒めた。


「まあ、今回はスカートが膝上だから、少し驚いたけれどね」


 リリアンの言葉に皆が微笑ましそうにしていたが、ルーカスの言葉を聞いてアーサー達だけでなく、エドワード達も驚いた。





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 投稿遅くなりました。
 今後もしかすると、1話しか投稿できない日が増えるかもしれません(。>ㅅ<。)
 なるべく2話投稿出来るようにしますが、1話しか投稿できない日はすみませんm(_ _)m



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