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本編 学園中等部編
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しおりを挟むあれから1週間が経ち7の月1の日、ルーカス達は明日から学園の授業が再開するため、学園の寮に戻った。
ルーカスは寮の部屋で荷物の片付けをしながら、リヴァイに言う。
「長期休暇は終わるのが本当にあっという間だったね」
「はい。ふた月近く有りましたが、直ぐに最後の日になっておりました」
ルーカスの言葉に、リヴァイも共感の言葉を返した。
「19の日は体術大会で来月の23の日はオリエンテーションなんだね。テストもあるから行事が沢山だね」
「はい。生徒会の方も忙しくなると思います」
「オリエンテーションは、何をするんだい? 2の月の時はパーティーだったけれど、次もパーティーをするのかな?」
「8の月のオリエンテーションは、初等部の4学年から高等部の生徒達が、クラスで演劇や模擬店などを開いて交流を深めると言ったものです」
文化祭のようなものかな?
「劇やお店を見に行けるのかい?」
「可能です」
「楽しそうだね。その日はエイルとキャシーと一緒に回ろうね」
「はい」
そんな風に行事の事を話しながら、荷物を片付け終えると、2人は食堂に食事をしに行ったり湯浴みをしたりして、就寝した。
翌日の朝。ルーカスがリヴァイ達とルーカスの教室に行くと、ヨハンがやってくる。
「おはようございます。長期休暇明けですが、毎日顔を合わせておりましたので、久しぶりではございませんね」
「そうだな。リヴに至っては昨日の夜も一緒だったしな」
「はい」
「では、また昼に来てくれ」
ルーカスがリヴァイ達にそう言うと、3人は返事をして自分達の教室へと向かっていった。
ルーカスとヨハンも教室に入り、2人で会話をする。
「直ぐに体術大会がございますね」
「ああ。ネオも出るのか?」
「はい。そのつもりです。緊張しますが、テオ殿下の戦いが見れるのはとても楽しみです」
「そうか。私も楽しみにしておく」
教室に生徒が集まってくると、ヨハンは自分の席に着く。そして教室にイライアス先生がやってくる。
「久しぶりだなー。ちゃんと課題はやってきたかー?」
イライアス先生のやる気のない声に、クラスの皆は、戻ってきたなと思った。
そしてイライアス先生は課題を集めると、授業が始まった。
それから3週間近く、ルーカス達は授業や生徒会の仕事をこなす、日常を過ごした。
そして19の日には体術大会も行われた。体術大会は優勝ルーカス、準優勝アドルフ、3位がエドワードという結果に終わった。
長期休暇中、みっちりとアレクサンダーに稽古をつけてもらったおかげか、ヨハンやオーランド達も良い結果が残せたようだ。
体術大会が終わると、生徒会は直ぐに8の月23、24の日にあるオリエンテーションに向けての体制に切り替わる。
体術大会の翌日から生徒会では会議が何度も行われるようになる。今もエドワードとリヴァイが進行して、オリエンテーションについて話し合われている。
「近い内に各クラスで、何をするか決めてもらう。それを我々で集計し最終決定となる」
「その為、今の内に各々の役割を決めて頂きます。まずは2人1組を作って下さい」
ルーカス達はそれぞれ2人1組を作っていく。皇族は自分の側近と組むことになる。その為ルーカスはリヴァイと組むことにした。
エドワードはアドルフ、ウィリアムはセドリック、ソフィアはティファニーと組んだ。
「それぞれ役割を言い渡す。それに従って当日までの仕事をこなせ。まずは──……」
ルーカスとリヴァイは当日の見回り兼警備担当になった。当日の自分達の自由時間に、気を貼りながら見回りと警備をする。
ルーカスはアレイルとキャサリンとも一緒に回る予定だった為、必然的に2人は自分の仕事と、ルーカス達のサポートをすることになる。
ソフィア達はオリエンテーションのパンフレットなどを作る。
エドワードとウィリアム達は当日の開会式、閉会式の担当だ。
皆がそれぞれ自分の仕事に勤しんでいく。
ルーカス達は当日の担当の為、通常の仕事をこなしていく。
そして数日後、ルーカス達のクラスでは、イライアス先生がオリエンテーションについての説明をする。
「クラスで出し物をするから、明日話し合う。各自何かやりたいことを考えてこい。オリエンテーションに向けての準備で授業が減るからって勉強はちゃんとしとけよー。終わったらすぐにテストだからなー。じゃ解散ー」
イライアス先生の言葉で各々解散した。
出し物か。何がいいんだろう?
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