転生皇子の新生活

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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本編 学園中等部編

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 ルーカスとアレイルが話をしていると、エドワードが2人の所に近付いて来る。


「ルーカス、落ち着いたか?」


 エドワードがルーカスの頭を撫でながら尋ねると、ルーカスが頷く。


「エドワード殿下、申し訳ございませんでした」


「戦場でならば、お前は死んでいた。ルーカスと戦う時は、戦場にいると意識しろ」


「肝に銘じさせて頂きます」


 アレイルは真剣な表情でそう言った。


「ルーカス、アレイルに古琴を弾いてやれ。君も少し心を癒さなければ、次は私との戦いだからな。手加減はしないぞ」


「うん、分かった」


 ルーカスは微笑んで返事をした。




 先程のエドワードとラルフの試合はエドワードが勝利した。
 2人とも隙がなく、素早い剣で何度も攻撃を繰り広げる。2人の体には防ぎきれなかった剣があたり、至る所に切り傷が着く。


 何度も剣がぶつかり合い、終わりが見えなく思えた戦いは、意外にも急に戦況がガラリと変わり、試合が終わった。

 エドワードとラルフが剣を打ち合っていると、途端にラルフの力が弱まった。どうやら切り傷により体に力が入らなくなってきたようだ。


 2人の傷の数は同じくらいに見えた。しかし、ラルフの体に着いたものの方が傷が深かった。その分エドワードよりも多く血が流れ、筋肉に与える負担も大きい。


 エドワードは力の弱まったラルフに気付くと、込める力を強めてラルフの剣を吹き飛ばしたのだった。




 準々決勝の勝者はリヴァイ、アドルフ、エドワード、ルーカスだ。お昼休憩後の準決勝はリヴァイ対アドルフの戦い後、エドワード対ルーカスの戦いをする。


「リヴァイ達が昼食を買いに行っている。先に控え室に移動するぞ。古琴もそこで弾くと言い」


 ルーカスはエドワードの言葉に返事をするとウィリアムの所へ向かう。


「ウィル兄さん、結界ありがとう」


「うん。今度からは忘れないようにね。まあ、私は素がバレても良いと思っているけど。反対派はもう殆どが分かっているのだろう?」


「うん。けれど、頭首が分からなくて。まだ会わせてくれないんだ。もう少し待っても会わせてくれなければ、幹部の後を付けてみるよ」


「余程慎重なのか、ただの臆病なのか。あまり無理はしないようにね」


「うん」


 ウィリアムは結界を外し皆で控え室に移動した。この時にはもう観客席に残っているものはいなかった。


 控え室に着くと、ルーカスは古琴を出してリヴァイ達が戻ってくるまでの間、癒精音を弾いた。そして買い物組が戻ってくると皆で食事を取ったのだった。




 お昼休憩が終わると、いよいよ準決勝だ。リヴァイとアドルフは準備をして試合場所に移動した。


 控え室にはルーカス、エドワード、ラルフ、メーリン、アレイルだけが残って他の生徒達は観客席にいる。

 そこにアレクサンダーとパーシヴァル、マテウスとイライジャがやって来た。


「エドワード殿下、ルーカス殿下、準決勝進出おめでとうございます」


「アレクサンダー、他の者達もどうしたのだ?」


 ルーカス達は、4人がやって来た事に驚いた。


「特別席で見ていたのですが、教員の者が控え室からの方が見やすいと教えてくれたのです」


「今は準決勝出場者意外いないから、控え室に行ってもいいと言われて」


 招待者用の特別席は、何かあった時の為に見晴らしの良い1番高い所に位置する。
 その為、危険度は低いが如何せん試合を鑑賞するには少し遠いのだ。


「では、あそこの席に座ると良いよ。1番見えやすいからね」


「「ありがとうございます」」


 ルーカスがそう言うと、アレクサンダーとイライジャがお礼を言った。しかしパーシヴァルとマテウスは少し居心地の悪そうな表情をした。


「ふふ、まだ慣れないかい?」


 ルーカスが楽しそうに言うと、2人は困った顔をする。


「それは、7年もの印象がございますので」


「俺は久しぶりに見ましたから」


「それもそうだね。では僕と兄さんはそろそろ試合場所に行くよ」


「はい。行ってらっしゃいませ」


 アレクサンダーがそう言うと、ルーカスは演技を初めて部屋を後にした。その後にエドワードも部屋を出る。


「……あんなにすっと入れるものか?」


「ふふ、私なら無理ですね」


 ルーカスの演技に入った姿を見て、マテウスが少し驚いたように言うと、イライジャが可笑しそうに返答した。






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