転生皇子の新生活

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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本編 学園中等部編

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 次の日の朝。ルーカスは朝起きると服を着替え、支度をする。


 コンコンコン


「いいよ」


ガチャリ

「失礼致します」


 モニカが朝食を持ってルーカスの部屋にやってくる。


「おはようございます、ルーカス殿下」


「おはよう、モニカ」


 ルーカスはモニカが持ってきた朝食を食べ始める。


「殿下、ヘーゼル国の王族の陛下への謁見は未の刻に予定しております」


「では、午前中は騎士団の方で剣を振ってきていいかな?」


「かしこまりました。ジル様にお伝えしておきますね」


 ルーカスが朝食を食べ終えるとモニカが食器を下げに行った。そして辰の刻になると、ルーカスは騎士団棟の訓練場に向かった。


「おはようございます、殿下。お久しぶりですね」


「おはよう。急に参加して悪いな」


 訓練場に着くと、すぐにアレクサンダーが挨拶に来た。


「いえ。エドワード殿下もいらっしゃっております」


 アレクサンダーの指す方を見ると、エドワードが準備運動をしていた。エドワードがルーカスに気付くと、こちらに向かってくる。


「おはよう、ルーカス。久しぶりに軽く手合わせをしないか?」


「おはようございます、ルカ兄上。是非お願い致します」


 エド兄さんとの手合わせは本当に久しぶりだね。


 ルーカスも準備運動をしてから、2人は向き合って剣を構えた。
 そしてアレクサンダーの合図と共に、2人は共に7割程度の力で剣を撃ち合う。



 長い時間、訓練場に鋭い金属音が鳴り響く。訓練場にまばらにいた鍛錬中の騎士達は、ルーカスとエドワードの綺麗な太刀筋に見入っている。




「そこまで!!」



 四半刻以上だった時、アレクサンダーの声が響き、ルーカス達は剣をとめた。

 そしてルーカスは深い深呼吸を1度して、息を整えた。


「ふぅ、相変わらず、凄い体力だな」


「兄上もさほど息が上がっておられないではないですか」


 7割程度の力とはいえ長い事、それも休憩無しで動き回り、剣を撃ち合っていた2人だが、殆ど息が上がっていなかった。


 それを見て、2人の剣術を見ていた他の騎士達はとても驚いていた。


「そろそろ戻るか」


「そうですね。ありがとうございました」


「アレクサンダー、邪魔したな」


「いえ。いつでもお越しください。お待ちしております」


 ルーカス達はアレクサンダーに挨拶をしてそれぞれ自室に帰った。


 未の刻にヘーゼルと会う……


 ゾワッ


 ああ、最悪だ……。少し、汗かいたな。湯浴みしてこよう。




 湯浴みを終えて正装に着替えた。


 コンコンコン

「モニカです。昼食をお持ち致しました」


 もうそんな時間だったんだ。


「入って」


 ガチャリ


「失礼致します」


「ありがとう」


 ルーカスは昼食を取る。


 その後未の刻の少し前、ルーカスは謁見の間に入った。中には他の皇族達や宰相、大臣達と公爵、侯爵が全員いる。そして玉座にはアーサーとジェシカが座っていた。

 ルーカスはエドワード達のいる所に行き、隣に立った。



 そして未の刻、謁見の間が開かれ、ヘーゼル国の国王、王妃、側妃、そして第1王子のアシェルが入室してくる。その後ろに、拘束具をつけられて騎士に連れられたオーウェンの姿もあった。


 ルーカスはオーウェンの姿が視界に入ると、咄嗟に目を逸らした。ルーカスの顔色があまり良くない。


「((コソッ…ルーク、大丈夫かい?」


 それに気づいたウィリアムが小声で尋ねた。ルーカスは小さく頷く。


「((コソッ…ルーク、場所を変わろう。私の体で見えないようにするから」


「((コソッ…ありがとう」


 ウィル兄さんは本当に優しいな。


「((コソッ…けれど、大丈夫だよ」


「((コソッ…ならば1歩後ろに下がっておくといいよ」


「((コソッ…そうするよ、ありがとう」


 ルーカスはウィリアムに返事をすると、1歩後ろに下がりオーウェンが視界に入らないようにした。



「これよりヘーゼル王国、並びにヘーゼル王国第2王子、オーウェン・ヘーゼルの処分について話し合います」


 フレデリックが進行していく。そして大臣達はどうするべきか話し合う。オーウェンを処刑するべきだと言う者もいれば、ヘーゼル王国を帝国に取り込むべきだと言う者もいる。


 すると、アーサーが口を開いた。


「ヘーゼル王。お前は民が大事か?」


「勿論です」


「お前達はルーカスに、王家の者で罪を償うから、民に慈悲を与えて欲しいと言ったそうだな」


「はい」


 ヘーゼル王は、顔色1つ変えず真剣な表情で答えた。それを見て、大臣達は王家を処刑し、ヘーゼル王国を取り組むのが良いと話し始めた。
 しかし、アーサー達は違った。


「エドワード、君はどう考える」





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