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本編 学園中等部編
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しおりを挟むオリエンテーション後最初の登校日、学園では、パーティーでの出来事が噂されていた。
「何処も彼処もテオ殿下の噂で持ち切りですね」
「どれだけ暇なんだ」
休憩時間に教室で、ルーカスとヨハンが会話をしている。ルーカスは呆れたようにそう言った。
「そういえば、テオ殿下は今週の光の曜日にある弓術大会は出られるのですか?」
「いや、私は弓が得意では無いからな。ルカ兄上は全種目出るようだから、今年はエントリーしていない」
「そうなのですねでは、生徒会の仕事に集中されるのですか?」
「ああ」
ヨハンも弓術大会には出ないらしい。武術よりも魔法の方が得意の為、夏にある剣術大会と冬にある魔術大会にだけ参加する予定のようだ。
そんなふうに会話をしていると、休憩時間が終わり、イライアス先生が教室にやって来て、授業を始める。
一日の授業が終わると、教室にアレイルが迎えに来て、ルーカスは生徒会室へと向かう。
生徒会では、週末の弓術大会の事で大忙しだ。生徒会メンバーの中で、大会に参加するのは、セドリック、アドルフ、エドワード、アシェルの4人だった。
大会まで1週間を切った為、この4人は生徒会の仕事を中断し、当日に向けての準備に入る。
その為、他のメンバーで殆どの書類仕事や見回りの仕事を回す。皆は凄く忙しそうにしている。
「全然終わんない~。ノア様、ここの計算の仕方、私分かんなくってぇ、教えてくれませんか?」
「この式だ」
「あっ、そっかぁ! ありがとうございますぅ!」
アンジェリーナがわざわざリヴァイの元に来て、教わりに来る。リヴァイは資料を見た後、式だけ教えてすぐに自分の仕事に戻った。
最近のアンジェリーナは、仕事に関係ない事は無視をされると学んだのか、仕事に関する事で度々リヴァイの元へ質問に来る。リヴァイも仕事に関する事では無視を出来ないため、簡潔に答えて直ぐに自分の仕事へと戻っていく。
この光景も見慣れたな。けれど、この忙しい時期に見るのは苦痛のようだね。
他の皆もそろそろ慣れてきていたが、やはり、忙しい時に、アンジェリーナの媚びる様な声を聞いて少し不機嫌そうな表情をしている。
「あの、殿下。少しよろしいでしょうか」
「何だ」
リヴァイが書類を持ってルーカスの所へやって来た。
「この書類ですが──……」
「これは──……」
質問に対し、ルーカスが応えると、リヴァイは少し考えるように黙った。その隙に、またアンジェリーナがリヴァイに話しかけてくる。
「あのぉ、もう1つ聞きたいんですが良いですかぁ?」
今、僕達が話しているのだけど……。流石にそれはだめだよ。
ルーカスがリヴァイの方にちらりと目を向けると、リヴァイは凄く不快そうな表情をしている。周りの皆もドン引きしているようだ。
まあ、人が話している最中に来られたら、そんな顔にもなるよね。
「コールマン、リヴは忙しいのだ。他の者に聞け」
「でもぉ、私、ノア様が良くてぇ」
「聞こえなかったか? リヴは今忙しい。第一、そんな簡単な計算を出来ないわけが無いだろ」
そう、アンジェリーナが担当している書類は簡単な物だけだ。全て初等部までに習う計算だった。中等部のSクラスに入った者が解けない問題はない。
にも関わらず、何度もリヴァイの元へ来て、終いには同じ質問を何度も繰り返すのだ。
リヴァイに相手にされず躍起になっているのか、アンジェリーナの最近の態度は、許容の範囲を超えていた。
「ぐすっ、そんな言い方、しなくてもぉ」
アンジェリーナは、瞳に涙を浮かべさせて言う。
はあ、またこれか。……放っておいていいかな。
「リヴ、話の続きだ」
「はい」
ルーカスとリヴァイは泣いたアンジェリーナを放って話を続けた。
すると、アンジェリーナは泣きながら、ルーカス達に謝ってくる。
「ご、ごめんなさい……、私の、せい、で……」
その場しのぎの謝罪……。どうせまた、同じことを繰り返すんだろうね。
「早く自分の席に戻れ。リヴの邪魔をするな。全体の仕事が滞る」
「申し訳ござ……」
ルーカスは冷たい声でそう言うと、アンジェリーナの謝罪の途中で仕事に戻る。リヴァイも質問を終えると、自分の席に座り仕事を再開して行った。
それから1週間、ルーカス達は忙しく過ごし、弓術大会を無事に終えることが出来た。結果は、アドルフが1位を取り、エドワードが2位だった。
漸く休まる……。
ルーカス達はそう思っていたが、弓術大会の翌週、学園に来るとよく分からない噂が広まっていたのだった。
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最近更新時間がバラバラですみません(_ _)
毎日2話更新出来るように頑張るので、これからもよろしくお願いします(>人<;)
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