転生皇子の新生活

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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本編 学園中等部編

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 ルーカス達は生徒会に入った次の日から、生徒会で会議が開かれる。内容は来週の光の曜日に開かれるオリエンテーションのパーティーと、2の月13の日にある弓術大会についてだ。


 議長のエドワードと議長補佐のリヴァイが会議を進めていく。


「来週のオリエンテーションについては既に準備が進んでいる。前日の設営と当日の警備は見回りの班で行う」


「設営は人手が必要の為、クラスメイトや友人に声をかけて手伝いに来てもらって下さい。それから当日の警備は交代で行います。セドリック、ティファニー、キャシーの班の順で行います」


「それから──……」


 オリエンテーションの要項を伝え終わると、弓術大会の会議に移り、半刻程会議を続けた。


「これで会議は以上だ」


「では、皆自分の仕事に戻ろうか。見回りは酉の刻の正刻から。戌の刻には下校するように。では、各自仕事を初めて」


 セドリックの指示に、皆が書類仕事をこなしていく。ルーカスも自分の仕事を始めた。すると、イライアス先生がやってくる。


「テオ、さっきの会議の記録は出来たか?」


「ああ」


 ルーカスは返事をすると、会議ノートをイライアス先生に渡した。それをパラパラとめくり読んでいく。


(記入漏れどころか誤字脱字すら一切ないな。それに、こんな事まで書けるか?)


 会議ノートには些細な事まで、会議で話したことは全て記入されていた。それを見てイライアス先生は驚いた。


「ベニー、ルーカスの仕事を邪魔するな」


「邪魔って、俺は1人で書記を任された生徒を心配してんだよ。まあそれもいらねえみたいだったが。
 じゃあバート、後は任せたぞ。戸締り忘れんなよー」


 イライアス先生はセドリックに伝えてから生徒会室を出て行った。


 ベニーは真面目なのか適当なのか分からないね。




 そして酉の刻の正刻、生徒会メンバーは書類仕事を終えて班に別れて見回りに向かった。
 ちなみにルーカスの班は、リヴァイ、キャサリン、クロエ、アンジェリーナの5人だ。


「ルーカス殿下、私達は屋内訓練所の方から見回りに行きますね」


「ああ」


 キャサリンを先頭に、ルーカスとクロエ、リヴァイとアンジェリーナの順で2列になって歩いていく。


「あのぉ、ノア様ってとても背が大きいですよね。どれくらいあるんですか?」


 アンジェリーナが隣にいるリヴァイに、照れくさそうにしながら話しかけた。しかし、リヴァイからは一向に返事が返ってこない。痺れを切らしたアンジェリーナがもう一度話しかける。


「あ、あの、ノア様?」


 しかし、またもや返事が返ってこない。


 えぇ、リヴが人を無視する所、初めて見たのだけど。多分、コールマンはリヴの事を好き、なんだと思うから、無視されるのは少し可哀想だな。


「ご、ごめんなさい……。私、ノア様と仲良くなりたくて、お仕事中に話しかけてしまって……」


 アンジェリーナが落ち込んだ様にそう言ったが、リヴァイは一瞬だけ冷たい視線をアンジェリーナに向けるだけで無言のままだった。


 空気が凄く重たい……。ステラも凄く気まずそうな顔してるよ。……見回り、早く終わらないかな。


 それからも、アンジェリーナはことある事にリヴァイに話しかけていた。その度にリヴァイは無言を貫いていた。
 そして戌の刻になり、見回りを終えて各自部屋へと帰っていった。


 なんだか、コールマンの方は健気と言うよりも、ただ空気が読めていないだけに見えるよ。嘘泣きの時もそうだったし。まあ、リヴのずっと無視というのも、良い事とは言えないけれど……。




 そんな風に1週間程過ごし、2の月6の日の放課後、ルーカス達は会場の設営を行う事になった。


「結構な人数が集まったな」


「そうだな」


 会場には、ラルフ達などの生徒会に入っていない側近達や友人達が集まっていた。
 ルーカスも、アレイルやヨハンを呼んでいた。


「では、生徒会メンバーは班に別れて、お手伝いに来てくれた皆は、それぞれ知り合いの元へ集まってくれるかい」


 セドリックが指示を出すと、皆がぞろぞろと動いて行く。


 ルーカスのところは、アレイルも友人に声をかけてくれていたようで高等部の男子生徒が4人いた。そしてアンジェリーナが呼んだと思われる、クラス学年がバラバラの男子生徒も多くいる。
 キャサリンも高等部の女子生徒2人を呼んだらしい。キャサリンとクロエはこの一週間で物凄く仲が良くなったようで、今も友人2人と4人で一緒に固まっていた。


「アンジェリーナちゃんの班のメンバーってあれかよ」

「平民に化け物に、無愛想な強面貴公子。最悪だな」

「どうせ生徒会の女がアンジェリーナ様の愛らしさに嫉妬した嫌がらせですよ」


 集まっていたアンジェリーナの友人の男子生徒達がルーカス達の班のメンバーを見て隠す気もなくそう言っているのが聞こえた。


 はあ、くだらない。






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