転生皇子の新生活

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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本編 幼少期

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 あれから2週間後の3の月の下旬頃、ルーカスはフレデリックやディムロット、アレクサンダーの3人と触れ合う事を克服した。
 ルーカスは今、アーサーの執務室へ来ている。


「来週から5の月まではディムとアレクに来てもらって庭でソフィと共に授業を受ける事になった。エドワード達が帰ったら触れ合う練習に専念する為に授業は中止しろ」


「分かった」


「それから、長期休暇の間は君達の側近には客として皇城に泊まるらしいとエドワード達から書簡が届いた。アレクとディムからの指導を受けてみたいのだそうだ。その時に、側近達とも練習をすると良い」


「そうなんだ。姉さんの側近達も来るのかな?」


「ああ。城でお茶会をすると言っていた」


 きっと僕に付き合う為に皇城に来てくれるんだろう。冬の長期休暇の時は兄さん達も何も言っていなかったから。


「ねえ、父様。そのお茶会の時にリリーが参加することはできるかな?」


「確かにリリーが参加した方がレアと接触する可能性が格段に下がるか。エドワードに書簡を出す時にその事も聞いてみよう」


「ありがとう」


 次の週から、ルーカスは魔法と武術の授業を再開した。



「ルーカス殿下、魔力操作がより上手になりましたね。特に氷への変換がとてもスムーズに出来ております」


「ありがとう」


「何か特別な訓練でもなさったのですか?」


 ディムロットが凄く興味津々な顔をして尋ねてくる。


「あー、おそらく神界にいた時にグラキエスに教わったからではないかな」


「グラキ……、氷の神のグラキエス様ですか!?」


「ルー、本当にあのグラキエス様に教わったの!?」


 ディムロットが目を見開いて驚いた表情をした。ソフィアも凄く驚いた顔をしている。


「そうだよ。でもあのグラキエスとはどういう事かな?」


「氷の神のグラキエス様は、気難しくて物凄く冷徹なお方なのよ。大昔にあの方の機嫌を損ねてしまった人間達がいてその人間達が暮らしていた国をグラキエス様が滅ぼしてしまわれたの」


「他にも、とある国の神官がグラキエス様が冷酷だと神話を誇張して、信託だと嘘をつき幼子を集め神殿で隠れて大量虐殺を行ったのです。その者を罰する為に、グラキエス様はその国の神官達や神官達の親族、そして王侯貴族を皆殺しにされました」


「確かに少しやり過ぎかもしれないね。けれど、すごく真面目だ。それに彼は凄く優しかったよ。僕の事を気遣ってくれていたし、シュオールを抑える為に魔力のコントロールを教えてくれたんだ」


「そうだったのですね。しかし、驚きました。グラキエス様の力のコントロールは神様の中でも上位のお方なのですよ。ですからそのグラキエス様に教わられたのでしたらとても心強いですね」


「うん、そうだね」




 そして魔法の授業が終わると次はアレクサンダーの武術の授業をする。しかし、6ヶ月程鍛錬をしていなかった為、ルーカスの筋力が少し落ちてしまっていた。その為鍛錬は筋力トレーニングをする事になった。


「6ヶ月でここまで筋力が落ちてしまうんだね」


「はい。進化は時間がかかりますが、衰えは一瞬ですので。ですが、焦る必要はございません。少しずつ慣らしていきましょう」


「うん、ありがとう。授業が中止になってもしっかりと鍛錬しておくね」


「よろしくお願いします」




 こうして1ヶ月間授業を再開し、5の月にエドワード達が戻ってきた。側近達も一緒に来た為、皇城の広間に集まった。


「おかえり、兄さん達」


「ただいま、ルーカス」


「練習に付き合ってあげられなくてごめんね、ルーク」


 ウィリアムは、しゅんと落ち込んだ表情でそう言った。


「気にするなルーカス様。ウィルはハル様達が先に練習してルーカス様と触れ合えるようになったことに拗ねているだけだ。学園さえなければって言ってたからな」


「そうなんだ。ウィル兄さん、おそらく2週間もすれば慣れると思うからそしたら、沢山頭を撫でてくれるかな?」


「そうだね。撫でるだけじゃなくて、沢山抱きしめようかな」


「ならば私はウィリアム以上に沢山ルーカスを抱きしめよう」


「ふふ、楽しみにしておくね」


 エドワードがそう言うと皆で笑いあった。


「そう言えば、ルーカスは見ない間に背が伸びたな。ナタリーも少し小柄な方ではあるが、同じ位になったんじゃないか?」


「確かにそうね。会うのは1年半ぶり位だし。今どれ位なの?」


「今は124cm位だよ」


「私は今128cmなのでルー様とは4cm差ですね」


 ナサニエルで8歳の子の平均身長は132cm程でソフィアは今136cmだ。

 …早く伸びて欲しいな。


「まぁルーは11の月生まれで、ソフィとナタリーは春夏生まれだもの。ルーが8歳になれば今のナタリーと同じ位にはなっているんじゃないかしら」


「ああ、そうだな」


 ルーカスが少し落ち込んだように見え、ティファニーとアドルフがすかさずフォローを入れた。
 そしてもう少し会話をした後、側近の皆は皇城内の客室へと案内された。






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