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本編 幼少期
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しおりを挟む次の日も特に問題なく進み、24の日になった。ルーカス達は馬車に乗り、トリー村へと向かう。
午の刻にジェームズ領に入った。
「ジェームズ領に入ったから、あと一刻程でトリー村に到着するよ」
「到着したら直ぐに宿へ向かうの?」
「いや、先に市場で昼食を取ろうか。その後、村長へ軽く挨拶だけしてから宿へ向かってそれからは自由に過ごしてくれて構わないよ」
「分かったわ」
予定通り一刻程でトリー村に到着した。昼食を取った後、村長へ挨拶に行く。
「よ、ようこそお越しくださいました、第3皇子殿下」
「急に滞在を決めて悪いな。賊騒動があったと聞くが、村民への被害は大丈夫だったか?」
「えっ、ええ領主様が直ぐに対処してくださったおかげで死傷者は出ませんでした」
「そうか。私達は3日間の滞在を予定している」
「分かりました。ごゆっくりお過ごしください」
村長への挨拶を終えるとルーカス達は宿へ向かった。
「村長、すげぇ緊張して驚いた顔してたな」
「まぁ、あの噂を知っていたら驚くだろうな。 テオ様、もうすぐ宿に到着致します」
「うん。明日は巳の刻に買い物へ出発するからそのつもりでいてくれるかな」
「ああ」
ルーカス達は宿に着くと、それぞれの部屋へと入っていった。
ルーカスは部屋に入ると、荷物を広げる。それが終わると、数刻程本を読んだ。
夕方になると夕食を食べ、湯浴みをして眠りについた。
次の日の朝、支度をして巳の刻に宿を出て馬車に乗る。
「殿下、どちらに向かわれるのですか?」
「仕立て屋に行きたい。向かってくれるかい?」
「分かった」
馬車を少し走らせて、綺麗めな仕立て屋に到着した。ルーカス達が店に入ると、店主が少し驚いた様な顔をした後、個室へ案内された。
「彼等に既存品でそれぞれ2着ずつ見繕って欲しい。比較的簡素なもので頼む」
「畏まりました。採寸をさせて頂きますのでこちらにおいで下さい」
「「えっ、?」」
ルーカスがジュード達を指して言うと、店主は4人を連れて奥へと入っていった。ルーカスとモニカは出された紅茶を飲みながら4人を待った。
少しすると、ジュード達が戻ってきた。
「おい、テオ様! 俺達の服買うなんて聞いてねえよ」
「言ってないからな。私のお茶会についてくるんだ。綺麗な格好でないと示しがつかん」
「では、先に言っておいてください!」
「言ったら遠慮して断るだろ。まぁそういう所も気に入っているがな」
ルーカスの言葉にジュード達だけでなく、モニカまで天然たらしだなと思ってしまった。
4人が戻ってから少しすると店主が見本の服を持って個室に入ってきた。
「お待たせ致しました。こちらなんていかがでしょうか」
ルーカスは店主の持ってきた見本を見てそれぞれに2着ずつ選んだ。
その後、お金を払い店を出て馬車に乗る。
「明日は誰が付いて来てくれるんだい?」
「明日は俺とジュードが付いて行きます」
「分かった。辰の刻正刻には出発するからそのつもりでいてね」
「ああ、分かった」
ルーカス達は宿に戻って自由時間を過ごした。
次の日の朝、モニカ達は 出発の見送りをする。
「今日は休暇だから、好きに過ごして構わないよ。 でも、あまり1人で行動はしないでね」
「承知致しました。殿下もお気をつけて行ってらっしゃいませ」
ジュードとラシャドが馬車を引き、出発した。
ルーカスは、御者台の方にあるカーテンと窓を開けて、2人に話しかける。
「お茶会で何かあれば、直ぐに僕に報告しなさい。いいね?」
「分かりました」
「それにしても、1人だと凄く暇だね。何か面白い話ない?」
「事故っても良いなら、すげぇ面白い話してやるよ」
「ふふふ、事故を起こすのは困るね。大人しく本を読んでおくよ」
「ぜひ、そうしてください」
ルーカスは扉とカーテンを閉めて、本を読み始めた。
やっと彼らについて調べられるよ。でもまあ、今日は顔合わせ程度なんだろうな。
反対派の人間はどれくらいいるんだろうな。
それから馬車は長い時間走って、ジェームズ邸へと向かった。
「おい、ラシャド。テオ様がいつも読んでる本てどんな本なんだ?」
「初めて会った時は、知らない文字が書かれた本だったが、昨日今日は歴史書をの読んでいるな」
「馬車に乗ってる時に、歴史書を読むなんて絶対疲れるだろ」
「テオ様は、疲れた様子はなかったがな」
「やっぱり貴族は凄いな」
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