転生皇子の新生活

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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本編 幼少期

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 今日は、広間のある建物の3階にある部屋が休憩室となっていて、4階は女性専用の休憩室になっている。

 ルーカスは広間から出ると、嘘を知らせる魔法を使ってから、言われていた3階の部屋に入った。


 ガチャリ

「これはこれは! お待ちしておりましたよ、殿下」


 中には、キャンベル男爵が奥の椅子に座り、ブランドン子爵夫妻がその手前に座っている。ルーカスは、1番手前の机を挟んでキャンベル男爵の正面に座った。


「私に御用とはなんでしょうか?」


 キャンベル男爵は、胡散臭い笑顔でルーカスに質問する。


「分からないか?」


「いえいえ! 分かりますとも! 私に会いたがる者は皆こちら側の人間ですので。やはり殿下は皇帝の座を狙っておられたのですねぇ」


「皇帝なんでどうでもいい。私は、私を馬鹿にした者たちが、のたうち回る姿を見たいんだよ。だから互いに利用し合おう」


「利用ですか?」


「そうだ。そなたらはどうせ国の実権を握りたいんだろう? だが、民は身分や血筋の低い者が頂点になる事を嫌う」


「ですが、殿下が国民に嫌われない保証はありませんよ?」


 キャンベル男爵は、胡散臭い笑顔のまま直球で言う。
 するとルーカスは少し口角を上げて言う。


「だが、血は本物だ。私が作る子を皇帝にすれば良い。ちゃんと男児を作ってやる」


「なっ!? 本当に男児を!?」


「ああ、私は化け物だからな。どうだ? 悪い話でもないだろ」


 キャンベル男爵達は互いに見合い、少し考えた後、また話し出した。


「そうですね。悪い話ではありません。私達はひと月に1度、お茶会を開くのです。それにご招待しましょう。それから、情報を一つだけ開示致します」


「そうか。私は、再来年の3の月からオスカーに滞在する。3の月から参加させてもらおう」


「分かりました。では、オスカー家に招待状を送ります」


「ああ」


「それから、情報の開示ですが〖この組織の次の計画は〗半年後に、ジェームズ領のトリー村に賊を送り込むことです」


 ズキッ!

「なぜその村だけなんだ?」


「お試しです」


 ルーカスは、少し殺気を出して、キャンベルに怒鳴る。


「お試しだと?」


 ゾワッ!

 3人は背筋を凍らせる。キャンベル男爵の顔に貼り付けられた胡散臭い笑顔も強ばった表情になった。


「そんなくだらん情報など要らん! 次こんな真似をして見ろ。そなたらの息の根を止めてやる!」


「っ、申し訳ございません」


「必ず招待状寄越してこい。いいな?」


「承知致しました」


 そう言うと、ルーカスは部屋を出ていった。
 エドワード達との約束の時間を少し過ぎてしまっていた為、彼等のいる部屋まで向かった。

 その道中、キャンベル男爵達の会話を整理した。




 キャンベル、ブランドン、ジェームズ達3家の夫妻が話していた事は

 3家共久しぶりに会った訳では無い

 最近は順調

 ジェームズの魔法を使えば、〖不作も良くなる〗

 "あのお方"は1年後に決行するつもり

 "あのお方"はどんな時でも、異常な程慎重で用心深い


 そして、彼らと話した事は

 皇族もしくは血筋、身分共に高い男児が欲しい

 月に1度お茶会を開いている

  〖組織の次の計画は〗半年後にトリー村に賊を送ること


 この3家は、黒かな。でも、ジェームズ子爵の魔法について兄さん達に聞いてみよう。





 ルーカスが、エドワード達のいる部屋に近づいた時、同じ階にいた10代くらいの青年2人がルーカスに気付いた。


「ははは、おい、見ろよあれ。ルカ殿下達が使ってる部屋に入る気じゃないか?」


「ははは、本当だ。化け物の癖に殿下達と同じ部屋を使おうとしてるぞ」


 青年達は大声で笑いながら言う。


(今入るのはまずいかな。時間が過ぎているけど、少し後に出直そう)


 そう考えて、ルーカスが扉を通り過ぎようとした時、誰かに腕を引っ張られて投げ飛ばされた。






 時は少し遡り、酉の刻の四半刻前。
 エドワード達は3階の部屋に移り、ルーカスを待つ間ルーカスの事を話をしていた。


「先程の騒ぎには驚きましたね」


「ああ。だが、メーリンのあんな呼び方を許すお方が、ワインがかかりそうになっただけであんなに怒るか?」


「そうだね。私達と話している時と雰囲気が違い過ぎた」


「それに、陛下もあんな風に怒る方ではないわよね?」


 皆が、ルーカスとアーサーの事に疑問を持っている。


「私が殿下に挨拶に行く前に、伯爵が殿下に翼と角を見せろと言っていたんです。その時も殿下はあの騒ぎの時の様に殺気を飛ばしてお怒りになられていました」


「でもそれは、怒って当然じゃないかな?」


「私もそう思いました。伯爵の次に、少し時間をおいてから、スージン家が挨拶に言ったのです。

 殿下の側近となるのでその挨拶もしようと思っていたのですが、伯爵が殿下の機嫌を損ねてしまったため、私語を話さない方が良いと思いました。
 しかし父が、挨拶をするだけでお怒りになられるお方であれば、側近の話は白紙にさせて貰おうと言い、殿下に挨拶を言ったのです」


「侯爵は度胸があるな」


「まぁ、殿下は男で他の側近も男だからね。心配になるのも分かるよ」


「挨拶しに行ってどうなったのでしようか?」












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