転生皇子の新生活

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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本編 幼少期

59 side兄

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 エドワードとウィリアムは、広間に入ると、友人達の所へ向かう。




「おはよう、皆」


「「おはようございますルカ殿下、リオ殿下」」


 リヴァイ、ティファニー、キャサリン以外の9人が揃っていた。


「ウィル、何だか嬉しそうだね」


「今日は妹達の晴れ舞台だからな」


「確かにいつもより楽しそうですね」


「俺にはよく分からんな」


「貴方は無神経だもの。仕方がないわ」


「失礼だな」


「お兄ちゃんは間違いなく無神経だよ」


 ウィリアムは自分の側近と同い年のグレース、オーランドの妹のナタリー達と話す。


「何故揃っているんだ?」


「お茶会のことについて話してたんだ」


「まじで開くのか? まっ、楽しそうだからいいけどな」


「来年の12の月だって言ったよな? 11の月はテオ殿下の誕生日だからか?」


「ああ。6歳になるからな」


「じゃああの噂はなんだ? 皇族と仲が悪いとか、礼儀がなっていないとか」


「それは私も気になる。教えてくださいませんか、ルカ殿下」


「ルーカスは可愛い」


「……え?」


 アレイルが何を言っているのか分からないという顔をした。反対にいつもエドワードと一緒に居るアドルフ達は、またか、と言う顔をする。


「おいエディ、ちゃんと喋れよな。全然伝わんね~よ」


「ほんとだよ。アレイルが何言ってんだこいつって顔してんぞ!」


「そんな顔してない! ただ驚いただけだ」


「まぁいいだろ噂なんて。今日会えば分かる事だろ」


「うっ、そりゃそうだけど気になるだろ」


 ガヤガヤ
 段々と広間には人が集まってきた。


「あっルカ殿下、リヴ達が来ました。呼んできますね」


 アレイルが呼びに行こうとすると、セドリックから呼び止められた。


「アレイル、私も一緒に行こう」


「分かりました」


 そう言うと、2人はリヴァイ、ティファニー、キャサリンがいる方へ向かった。

 少しすると、エドワード達のところに来た。


「おはよう、3人共」


「おはよう」


「おはようございます、ルカ殿下、リオ殿下」


「「おはようございます」」


 3人がエドワードとウィリアムに挨拶をして、皆で話し出す。すると、広間にいる周りの人達が、エドワード達の方を見てザワザワと話し出す。


「((ヒソッ…あそこの集団、まだ子供だけど美形だらけね」

「((ヒソッ…ええ、確か皇子方の側近なのよね?」

「((ヒソッ…そうよ! あんなにかっこいい人達に守られるなんて、ルナ皇女が羨ましいわ!」


「((ヒソッ…ミア様とメイ様は本当に美しいな」

「((ヒソッ…ああでも、私はレイラ様だな」

「((ヒソッ…俺はアナ様だ」


「((ヒソッ…ルカ殿下とアレン様にノア様の3人は別格に美しいわ!」

「((ヒソッ…それを言うなら、リオ殿下とバート様のあの優しい笑顔も負けてないわよ!」


 人が集まるに連れて、エドワード達の話はどんどん膨らんでいく。


「私達の話をしているな」


「エディとアードにノアちゃんはすごい人気だな~」


「メーリン、また変なあだ名を付けたな? 何がノアちゃんだ。私の事もアードではなくアドルフと呼べ」


「こいつはノアちゃんって顔じゃねえだろ」


 リヴァイはノアちゃんと呼ばれても一切反応を示さなかった。


「セドリックとリオ殿下もすごい人気ですね」


「あらキャシー、私達だって人気だったじゃない」


「お嬢様方は皆様人気で。私だって噂されたいのにな~」


「兄様はチャラいのよ」


 皆が楽しく談笑していると、先程よりも人が増え、エドワード達の話も色々な方向へと変わる。


「((ヒソッ…本当に綺麗よね」

「((ヒソッ…ああ。ルナ皇女があの中に入ったら完璧だろ」

「((ヒソッ…でも、あそこにはあれの側近もいるんでしょう?」

「((ヒソッ…確かに、化け物が輪の中に入ったら、全て台無しね」

「((ヒソッ…噂では、顔を見せられない程醜いらしいぞ」

「((ヒソッ…だからいつもローブを被っていたのね!」

「((ヒソッ…まぁあの輪には入りたくても入れねぇよ。だって皇族は化け物を心底嫌ってるって噂だ」

「((ヒソッ…ふふ、確かにそうね。私達のオアシスが汚されなくて良かったわ」


 他にも、醜い化け物の分際で皇帝の座を狙っている、身の程知らずだ等の噂が広間中で話される。

 その話はエドワード達の耳にも入っている。


「うわ~、えげつね~な」


「くだらん事ばかり話しおって」


「兄様変わって差しあげたら? 噂されたかったんでしょ?」


「無理だグレース。これは、私のメンタルでも持ち堪えれね~よ」


 噂を耳にしたエドワードとウィリアムは少し黙った後、口を開く。


「エド兄様、この広間全てを人間ごと焼き払いませんか?」


「同感だ。あの者達を消し炭にすれば、ルーカスが悲しまなくて済むからな」


 2人の怒りに満ちた表情と、エドワードの饒舌具合に、皆が呆気に取られる。








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