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本編 幼少期
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しおりを挟む2の月にソフィアは3歳となり、礼儀作法の授業が始まって会える頻度がかなり減った。
4の月からは、ウィリアムも6歳となり、お茶会が始まるため、2の月から準備で忙しくなった。
5の月。ルーカスは1人で歩けるようになった。
最近は、ウィル兄さんとソフィ姉さんには全然会えないな。だから、母上とエド兄さんがよく遊びに来てくれるようになった。
「ルーカス、何して遊ぼうか」
「歩いて追いかけっこしよう?」
「分かった。母様もご一緒にどうですか?」
「まぁ、楽しそうね。私も一緒にいいかしら」
「うん、いいよ」
ルーカスはまだ走ると転けてしまうため、追いかけっこは、殆ど歩いてしている。
初めは、ジェシカが追いかける。
「待って、ルーカス」
「ふふふ、やだ。母上、兄さんが止まっているよ」
「あら、本当ね。待ちなさい、エド」
「待てません」
それから何度か交代をして、遊んだ。
10の月。
来月から、ソフィ姉さんは数学や言語など、様々な授業が始まる。そのため、忙しくなる前にと会いに来てくれた。
ウィル兄さんもお茶会が一段落して、会える頻度が増えた。
今日は父様も母上も皆集まっている。
「ルー、久しぶりね。あまり遊べなくて少し寂しかったの」
「姉さん、僕も寂しかったよ。だから今日は、沢山遊んでね」
「ええ。来年の分まで遊んでしまわないと、ルーも授業が始まってしまうものね」
「ふふ、そうだね」
「あら、ソフィ。なんだか落ち着いて、少しウィルに似たんじゃないかしら」
「ああ。所作も丁寧ですごく綺麗になっている。頑張ったんだな」
ソフィアは褒められて少し照れた。
「ありがとうござます。 ルー、何して遊ぶの?」
「追いかけっこがいいな。僕走れるようになったんだよ」
「そうなのね。じゃあ追いかけっこしましょう」
「ルーク、追いかけっこ好きだね」
「うん、好き」
ルーカスが満面の笑みで答えると、エドワード以外の皆が可愛いと興奮気味に褒め称える。
「エド兄さん、お願い」
「ああ」
そして、唯一冷静なエドワードに止めてもらう。これが一連の流れとなっている。
皆が落ち着いてから、沢山遊んだ。
僕は最近、兄さん達といつも追いかけっこをしている。兄さん達が忙しい時は、モニカとしている。
ある日、ルーカスが、エドワードとウィリアムと一緒に追いかけっこをしていると、ウィリアムに尋ねられた。
「ねえ、ルーク。どうして歩けるようになってから、追いかけっこばかりしているの? 本当に追いかけっこが好きだからってだけじゃないよね?」
「ああ。私も疑問に思う。気付きづらいが、追いかけっこをする時少し真剣な表情になる」
「ふふふ、僕が本気で追いかけっこをしているだけとは思わなかったの?」
「ルークが?」
「有り得ない」
「同意です。積み木やお絵描きだって、1人の時は時間を潰すためにしているんでしょ?」
「そんな君がなんの意味もなく、同じ遊びを真剣に繰り返すとは思えない。それに、追いかけっこが好きという感情はあまり読み取れなかったぞ」
「はい、読み取れたのは、私が追いかけっこは好きか聞いた時のあの可愛い返事の時くらいです」
ウィリアムがあの時の事を思い出し、本当に可愛かったなと呟いている。
「あはは、流石兄さん達。 体力作りの為にしているんだ」
「体力作り?」
「どうして?」
「僕、体が小さいでしょ? それに筋力も付きづらい。食事量以外にも体質のせいだと思う。
前世で、武術をしていたんだけど、体が小さくて、鍛えても筋力が付かない体質だったんだ。体格差を補うために、体の小ささや、体力を生かしていた。
今世でもそうだろうなと思ったから、体力をつけようとしている。だから、剣術等の授業までは、追いかけっこで体力作りしておこうと思って。
だって、走り込んでたら、変に思うでしょ?」
「なるほど」
「その為だったんだね。じゃあ私も一緒に体力作りしようかな。兄様手伝ってくださいませんか? 兄様を追いかける時は全力で追いかけます」
「ならば私は、君が捕まらない程度の速度で長いこと追いかけよう」
「それは、凄く辛そうですね。頑張ります」
それからは、3人で追いかけっこをすることが増え、僕とウィル兄さんの体力も少しずつふえていった。
エド兄さんは凄く足が早かった。
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