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本編 幼少期
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しおりを挟む僕は父様に抱えられて、僕の部屋へと戻った。
「ルーカス、ジェシー達が部屋に来てくれるからそれまで少し待とうか」
「うん」
しばらくすると、ジェシー達がやってきた。
「ルー!」
「ルーカス、お帰りなさい」
「皆、ただいま!」
「お帰り、ルーク。私達の事忘れていないかい?」
「ふふ、覚えいるよ、ウィル兄さん」
「お帰りルーカス。手紙と贈り物ありがとう。大切に使わせてもらっている」
「使ってくれて、ありがとう」
皆と挨拶をして、1人ずつ抱っこをしてくれた。姉さんとはハグをした。
「少し大きくなったかしら」
「うん、ボーロも食べれるようになったよ」
オスカー家で合ったことを沢山話したり、皆の話を沢山聞いたりした。
「あのね、お土産があるんだよ」
モニカがそれぞれ包装された、ブレスレットとアンクレットを持ってきた。
皆に渡すとすごく喜んでくれた。
「すごく可愛いわ! ありがとう。ソフィはもう少し大きくなってから付けましょうね」
「はーい。ルー、ありがとう!」
「ふふ、どういたしまして」
「父様、兄様、お揃いですね」
「ああ。お揃いだな」
エドワードが答える。アーサーは、ルーカスが自分の物も持っているのか気になった。しかし持っていなければ、故意に買わなかったはずだと思い、聞くに聞けなかった。
「そうだ、ウィル兄さん。」
「どうしたの?」
「名前教えて欲しいな」
「そうだね。じゃ自己紹介しようかな」
「それはいいな。エドワード、君もしたらどうだ? 教えていなかっただろ」
「はい」
「じゃあ兄様からしてください」
「わかった。私の名は エドワード・ラ・ルカ・アイザック・ナサニエル だ。よろしく」
「次は私だね。私の名は ウィリアム・ラ・リオ・アイザック・ナサニエル よろしくね」
「ルカ兄さんとリオ兄さんだね。凄く素敵な名前だね!」
「ありがとう。けど、これまで通りウィル兄さんって呼んでくれるかい? 神様から頂いた名前は仮名(けみょう)になるから、親しい人同士は名前で呼ぶんだ。私達は仲良しでしょ?」
「うん、仲良し」
「ルーカス、私の事もエド兄さんと呼んでくれるか?」
「分かった、エド兄さん、ウィル兄さん」
「ありがとう。ウィリアムもソフィも私の事はエドと呼んでくれ」
「はい、ありがとうございますエド兄様」
「はーい」
その後、みんなで少し遊んだ後昼食を食べて解散した。
「ウィリアム、少しいいか?」
「どうかされましたか? 兄様」
エドワードとウィリアムはエドワードの部屋へと向かった。
「今日、久しぶりにルーカスと話して、違和感はなかったか?」
「はい、ありました。上手く話せるようになって、余計にあどけなさが殆どないような気がしました」
「ああ。私の誕生日の時にルーカスが贈り物をくれた。それが万年筆だった。僅か1歳の赤子が万年筆を贈るだろうか? 」
「そうですね。私もルーカスの誕生日の時に手紙で仮名の事を書きました。しかし、その1度のみしか話していないのですが、そんなに長く興味が続くのか不思議に思いました。正直、手紙に書いた事など、半分も理解されないだろうど思いながら書きました」
「ああ、私もだ。初めて会った時もおもったが、理解力が高すぎる気がする」
「はい」
場の空気が少し暗くなったのに気づいたエドワードがウィリアムに尋ねる。
「ウィリアム」
「はい」
「ルーカスは可愛いな」
「っ! はい、凄く可愛い私達の弟です」
これはルーカスと初めて会った時に、ウィリアムがエドワードに問うた言葉だった。それに気づいたウィリアムが嬉しそうに返答する。
「ウィリアム。今夜父様にルーカスの事で話をしに行こうと思う。君も来るか?」
「はい、ご一緒致します」
「分かった。授業が終わった後に訪ねに行こう。先触れは私が出しておく」
「分かりました。ありがとう御座います」
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