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本編 幼少期
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しおりを挟む「それでは治療を始めます。今日からここで毎日、心を鎮めるための曲と不安を和らげるための曲を演奏致します。3ヶ月ほど続けることで、心を落ち着かせることが出来るでしょう」
「わかった。よろしくね」
「はい、誠心誠意努めさせて頂きます。では、1度魔力封じを外してみましょう。モニカは殿下を椅子に座らせて私の後ろまで来なさい」
「えっ、外してだいじょうぶなの?」
「ご心配ございません。相手の魔力量もしくはコントロール力のどちらかが自分の方が高ければ、魔力を封じることが出来る曲がございます。完全に封じる為にはどちらも自分の方が高い必要がございます。殿下は魔力量が多いですが、まだコントロールを教わっていないので殿下の魔力も少しの間ではございますが封じることが可能です。その間にシュオールの度合いを確認しますので、私が封じる力を強めましたら、魔力封じをつけ直してください。【アジャスト】と言い外れることを想像すると魔道具が外れます」
「じぶんで外せるんだね」
「はい、付けた本人以外、外せないという魔法を掛けると、付けた人以外は外せないのですが、陛下は掛けていないようですので殿下でも外すことが出来ます」
「そうなんだ。モニカ、あぶないから、おじいちゃんの後ろにいて」
「承知致しました」
モニカが僕のことを椅子に下ろし、おじいちゃんの後ろに立った。
「ではいくよ、【アジャスト】」
パキパキパキッ!
この間よりは弱いが、氷柱が突き出し、部屋の壁が凍っていった。
•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎
グレイがピアノを弾き始めた。すると少し魔力が弱まった。
「殿下、大丈夫ですか?」
「うん、だいじょうぶだよ」
「では、魔力を封じますので、魔道具を付けてください」
「わかった」
•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎
僕の魔力が封じられ氷が無くなると、腕に魔力封じをつけた。
「体調は大丈夫でしょうか?」
「だいじょうぶだよ。君たちは?」
「ご心配いただきありがとうございます。問題ございません。では治療を始めましょう。」
「わかった。モニカ、もどって」
「はい、失礼致します、殿下」
モニカが僕を抱え、椅子に座った。
「まずは、不安を和らげる為の曲[和安音(わあんいん)]から弾きます。次に心を落ち着かせる曲[穏心音(おんしんいん)]を弾いて終わりです」
「わかった、おねがい」
「はい」
♩.・*’’*・.♩.・*’’*・.♩♩.・*’’*・.♬.・*’’*・.♬
(心地良い)
♩♩•*¨*•.⋆̩*̣̩☂︎*̣̩⋆̩♪♪♪•*¨*•.⋆̩*̣̩☂︎*̣̩⋆̩•*¨*•.¸¸♬︎
「お疲れ様です、殿下」
「おつかれさま、すごく心地いい音色で、少し心が安定している気がする。ありがとう。あすも、昼しょくごでいい?」
「はい、明日からもよろしくお願い致します」
「こちらこそ、よろしくね」
僕はモニカに抱えられ、部屋へと戻り、夕食までの時間を過ごし、酉の刻になった。
コンコンコン、ガチャリ
「殿下、お食事の時間です。皆様、食堂でお待ちです」
「ありがとう」
僕は、モニカに抱えられて食堂に入った。
「殿下、お待ちしておりました。今日は夕食前にエルシーが歌を歌わせて頂きます」
「わかった。ありがとう。すごく楽しみだよ」
「ありがとうございます。では、歌わせて頂きます」
🎼.•*¨*•.¸¸♬🎶•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪♬.*゚*♪•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪•*¨*•.♬.*゚•*¨*•.¸¸♬︎
エルシーが歌い終えると、拍手が飛び交った。
「すごくいいうただったよ」
「緊張も解れていて、綺麗な歌声だった」
ルーカスが言うと、次々に賞賛の声が上がる。
「今までで一番よかったわ!」
「まちがいなく、エルシー従姉さんのうただったね」
「ありがとうございます皆様」
エルシーは少し照れたように、お礼を言う。その後夕食が運ばれ食べ始めたが、エルシーの歌への評価は、食事を終える頃まで終わらなかった。
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