転生皇子の新生活

本編 幼少期

7

　父様に抱かれて、僕が居た建物の隣にある建物のお部屋に着いた。ここが母様のお部屋かな？


　コンコンコン


　ガチャリ


　父様が扉を叩くと、中から扉が開いた。


「陛下、お入りください」


「君は外で待っていてくれ。　起こしてしまったか？シャル」


「いえ、起きておりました。ルークが来てくれると言っていらしたので、楽しみに待っていたのです」


「そうか。具合はどうだ？」


「お薬も飲みましたし、今は調子がいいようです」


「良かった」


　部屋の中に入ると母様がベットの上で座っていた。もう牛の刻を過ぎていたが先程まで眠っていたみたい。それに、前に会った時より痩せていて、顔色もあまり良くない。


「だ～あ？（大丈夫？）」


「ふふふ、大丈夫よ。心配しないで？少ししたらまた元気になるわ。そしたらいっぱい遊びましょう？」


「う～？（ほんと？）」


「この子はとても賢いみたいですね。それにとても優しい子です。私の体調が悪いのを一目見て見抜いたのですから。それに心配もしてくれているみたいです」


「ああ、そうだな。私達の話していることを理解しているみたいだ。将来はとても聡明な子になるだろう」


　父様はそう言って笑っていたが、母様のことをとても心配しているみたいだった。だって母様は、幼い子供が見ても分かるくらい体調が悪そうだったから。


「ルーカス、これからお散歩に行くのでしょう？　お外は暑いから気をつけて楽しんできてね！」


「あ～（はーい）」


「ふふ、そろそろ行こうか。またルーカスを連れて具合を見に来る。あなたも気をつけて」


「はい。お待ちしております」


　ガチャリ


　それから2人は庭園の方へ向かっていった。


（母様が会いに来れなかったのは体調が悪かったからなんだ。嫌われたわけじゃなかったのは良かったけれど、本当に大丈夫かな？）


　そんなことを考えているうちにお外に出たみたいだった。お外はとても広かった。ここは皇城の正面側みたい。お城の門まですごく遠い。



　正門から入って真っ直ぐ進むと大きな建物があって建物の入口がある。その建物の中央に謁見の間があって建物の右側に宰相の執務室や文官達の職場があるみたい。建物の左側には騎士団や魔法士団の訓練場や執務室がある。って父様が言っていた。

　訓練場の左奥に正面のものよりも少し小さい建物がある 。僕達が出てきたのがその建物で、僕達の過ごしているお部屋がある。

　その建物の奥に母様達お妃様が住んでいる少し小さめの建物がある。



　父様は建物から出て右側に歩いて行った。


「1番近くにあるバラ園から見に行くか？」


「あう～！（うん！）」


「よし、行こうか。途中に噴水などもある」


（ほんとだ！　噴水！　すごいなぁ、なんだか公園の広場みたい）


「きゃぁ～～！（綺麗！！）」


　陽の光が噴水の水に反射して、キラキラしててすごく綺麗。向こう側に赤い綺麗なお花がある！　もしかしてあそこがバラ園かな？