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高等部編
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しおりを挟む「ぅ、ん……」
……眩しい。片付け、リヴが全てしてくれたんだ。お礼を言わなくては……。
ルーカスは窓から差し込む日差しによって目を覚ました。隣には既にリヴァイはおらず、朝の支度をしに洗面所へと行っているようだ。
ルーカスも支度をするためにベッドから起き上がろうとする。
「っ…あれ?」
身体に力が入らない……。
しかし何故か起き上がろうとしても体が言うことを聞かず一向に起きられない。
……どこか痛いのかな? う~ん、、あ、腰……?
ルーカスがそうやって自身の体に集中していると、洗面所の扉が開かれリヴァイが出てきた。
「おはようございます、殿下。お体は大丈夫ですか?」
「うーん、それが、、腰が痛いみたいで起き上がれないんだ」
その言葉を聞くと、リヴァイの顔色は真っ青になった。
「申し訳ございません……。直ぐに学園医を呼んでまいります」
「君が悪いわけではない。初めてだったから、、」
「初めてなのに、加減を忘れた私の責任です。水をお持ちします」
そう言いリヴァイはルーカスの為に水を持ってくると、急いで学園医を呼びに行った。
この痛みすらも、嬉しいのだけどな……。
しばらくすると、リヴァイが学園医を連れて部屋へ戻ってくる。
「おはようございます、第3皇子殿下。体調が優れないとお聞きしましたが……」
部屋へ入ると、学園医がベッドに寝ているルーカスに向けて挨拶をした。
今の学園医はムハンマドの医務長ではなく、アイザックの医務長であった。
「こんな事で呼び出して悪いのだけど、腰を見てくれるかな? 起き上がれなくて」
「畏まりました」
「リヴ、君は少しの間外に出ていてくれるかい?」
「っ、しかし……!」
リヴァイはルーカスの言葉に反対するが、ルーカスがじっとリヴァイを見つめると、学園医に忠告する様に睨み付け渋々と言った様子で扉の前で待機した。
「側近の方を下げられてよろしいのですか?」
「ああ、君に何をするか分からないからね」
ルーカスのその言葉に学園医は疑問に思った。しかしルーカスの次の言葉でそれどころではなくなってしまう。
「ただ、危害を加えられれば止める気はさらさらない。この意味、分かるでしょう?」
「っ、国神ルミナス様と、医師としての名誉に誓い、危害を加える事はないと切言致します」
そう言い学園医は真剣な表情で誓った。
それを見据え、ルーカスは診察の為に支えてもらい上体を起こし上衣を全て脱ぐ。
そのルーカスの肌を見て、学園医は彼の先程の言葉に対する疑問が吹き飛んだ。
ルーカスの肌には数え切れない程の鬱血痕と歯型が付いているのだ。その独占欲の現れに学園医は少し気圧された。
「……触診を行ってもよろしいでしょうか?」
ルーカスが頷くと、学園医はルーカスの腰に触れながら尋ねた。
「昨夜、第3皇子殿下が女性役で行為を行われましたか?」
「うん。挿入したのは昨日が初めてだよ」
その質問に、ルーカスがサラリと答えると、学園医は少し驚いたような表情を取った。
診察であるとは言え、こういった話を一切の躊躇いもなくする者は男性であっても非常に稀だったからだ。
「……腰付近の筋肉が少し熱を持っており、張っている状態です。第3皇子殿下の予想通り、初めての行為で普段使わない筋肉が刺激され痛めている様です」
そう言い学園医は触診を終えルーカスが上衣を着る手伝いをした。そして着替え終えると直ぐに外で待機しているリヴァイを中へ呼ぶ。
「痛みが無くなるまでは腰を冷やし安静に過ごして下さい。筋肉痛による痛みですので光の魔法は使わず、痛み止めを処方致します」
筋肉痛は筋肉が慣れなければ痛みを繰り返す為、光の魔法では治療せず、自然回復が通常だ。
その為学園医は直ぐに痛み止めを作りリヴァイに渡し部屋を後にした。
「殿下、本日は授業を休みましょう。間もなくエイル達が来るので教員に伝言を頼んでおきます。殿下はもう少しお休み下さい」
「うん、ありがとう」
ルーカスはそのままベッドで休息する。
外傷は直ぐに治るのに、風邪や筋肉痛などは治りづらいんだよね。今日は一日中動けないかもしれないな。
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