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高等部編
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しおりを挟む放課後になると、ルーカスはリヴァイ達を連れて足早に教室を後にする。
生徒会室に向かうルーカスは、後ろにアンジェリーナの気配を感じながらも、足を止めることはしなかった。
「はあ、彼女はいったい、どんな神経をしているんだろうね」
ルーカスが訝しげに零すと、アレイルとキャサリンが呆れたように言う。
「謹慎前はあのようなことを言っておりましたが、未だにリヴの事を諦めていないようです」
「ルーカスとリヴが本当に別れたのかと嗅ぎ回っていましたから。自分にチャンスがあると思っているのでしょう」
「リヴに近づく為に僕への謝罪を装っているということかい」
その言葉を聞きリヴァイは嫌悪の表情を浮かべ眉をひそめた。それに同意した様に、ルーカスは続けて発す。
「謝る気すらないのならば、層一層関わらないでもらいたい。貴族というものは腹黒さの塊だよ。外交官にならず、いっそ身分を返上するのも悪くないか、、」
「「「なりません!!!」」」
そのルーカスの突拍子もない発言に、側近達は思わず立ち止まり、声を揃えて否定した。しかしはっとして3人はまた歩む足を進める。
「どうして? あ、((ボソッ…平民になればリヴとは結婚できないか。レイアの成長も見れないし……」
しかしなおも話題を続け真剣に悩むルーカスに、本当に身分を返上する気なのかと3人は声すら出ないほど驚いている。
「そうだ、リヴが引退したら2人で山に籠るのもありかもしれないね」
そう言いルーカスは足を止めてリヴァイの方へ振り返った。そしてまたすぐに足を進める。
リヴァイ達も後を追うが、リヴァイはルーカスの言葉に酷く魅了され思い悩む。その様子を見たアレイルとキャサリンは怒ったようにリヴァイに言う。
「悩むなよ!! リヴだけルーカス殿下について行く気か!?」
「そうよ! 殿下が平民になったらそれを理由に連れて行って貰えないじゃない!!」
ルーカスの提案に誘惑に負けそうになるリヴァイと、それに大変焦った様子のアレイルとキャサリンの様子を目にし、ルーカスは声を上げて嬉しそうに笑う。
「あははは!!」
「殿、下……?」
その笑い声に、驚き3人が困惑顔でルーカスの方へ視線を向ける。するとルーカスは酷く嬉しそうなそして悪戯な笑みを浮かべて3人に言う。
「はぁ~、僕、君達のそういうところ大好きだ」
「「えっ、、」」
ルーカスのその笑みと言葉に、リヴァイは堪えるような表情を浮かべ、アレイルとキャサリンは惚けて頬を少し赤くする。
「安心してよ。皇族としての対価は惜しまず払う。それに、父様達と離れるのも嫌だしね」
そう言うとまたルーカスは前へ歩き始めた。その話を聞き、漸く自分達が揶揄われていたのだと気付き、3人は複雑な気持ちになりつつ、ルーカスの後を追った。
君達がいるから、僕は、貴族社会でも生きていられる。
ルーカスが生徒会室に入ると、アンジェリーナの気配が遠のいていくのを感じた。
そして少しするとソフィア達もやって来た。
「ルーも大変ね」
「アレイルに飛んでもらえば良かったのに」
ソフィアとティファニーが哀れそうに言うと、ルーカスは首を横に振る。
「そんな事にエイルに魔法を使わせたくない。それに、3人と会話する時間が好きだから」
「ふふ、ルーらしいわ」
「でも、あの子本当に厄介よね。どうしてあれ程執着してるのかしら」
ティファニーは不思議に思い口に出す。
確かに、リヴがコールマンに接する時の態度だって、これ程執着出来るものでは無かった。
「なにか心当たりはないの?」
「コールマン嬢は初対面からあの態度です」
「実は何処かで会ってたなんてことはないのか?」
「覚えていない」
「まぁ、リヴは家族と皇族の方以外にはとことん無関心だもの。仕方ないわ」
その言葉に皆は納得して頷いた。
そんな話をしていると、続々と生徒会役員が教室に集まってくる。
「もう少し様子を見てみるよ。しつこい様ならば家の方へ書簡を送ればいいから」
「今すぐに送っても良いくらいよ。私も注意してみるわ」
「ありがとう、姉さん。では皆も集まったようだし、そろそろ仕事を始めようか」
そう言いルーカスは皆に仕事を割り振り各々初めて行った。
そして暫くするとイライアス先生がリリアン達を連れて来て、今年も首席から4位までの4人全員が生徒会に入ってくれたのだった。
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