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高等部編
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しおりを挟むルーカス達は皇城で休息を過ごし、冬を越して春がきた。
「もう少し休学してもいいのだぞ?」
「だめだよ父様、ウィル兄さんが僕の事を勝手に生徒会長にしたおかげで入学式には必ず参加しなければならないからね」
「許してくれないかい、ルーク。これにはれっきとした理由が……」
「ふふふ、分かっている。冗談だよ」
「ルーク……」
ルーカスがウィリアムをからかうと、ウィリアムは困った表情をした。
「それに、姉さんとリリーの代表挨拶も見なければならないからね」
その言葉を聞きソフィアが少し拗ねたように言う。
「私は悔しいわ。実力でルーに勝ちたかったのに、やっぱりこんなのずるいわ……」
「そんなことありません! お姉様だって満点まであと一歩だったじゃないですか!! 私凄く嬉しかったんですから!」
「リリー……。そうね! 私だって頑張ったもの」
「そうです! お姉様はとても素晴らしいんです!!」
リリアンが少し怒ったようにソフィアを励ますと、ソフィアも吹っ切るようにそう言った。
新入生代表挨拶は、進学前に行われるテストの総合得点でトップの者が行う事になっている。少し前にルーカス達もテストを受け、結果が帰ってきた。
そこには、ルーカスが満点の1000点を取り、ソフィアが惜しくも996点だった。
その為本来ならば、ルーカスが新入生代表挨拶をすることになる。しかし今年からルーカスは生徒会長になる為、生徒代表としての挨拶があり、重複してしまう。
なので新入生代表挨拶は次席のソフィアがすることとなったのだった。
「リリーの言う通り、ソフィもよく頑張った。例年ならば、君が代表でも何ら疑問もない得点だ。少し規格外の子が在籍しているからな」
そう言いアーサーがちらりとルーカスを見た。
「父様……」
「それを言えばソフィの点数も十分規格外です」
「それもそうだったな」
「また教員が躍起になってしまいますね」
その会話を聞きまたソフィアは拗ねてしまった。
「アース様、冗談はそれぐらいにして下さいな」
「ああ、そうだな。じゃあ3人とも、行ってこい」
そのアーサーの挨拶に、ルーカス達はそれぞれ返し馬車が学園に向けて出発した。
馬車が学園の門へ到着すると、学園長と数名の教員が皇族の馬車を待っていたようですぐ様こちらへ近付いてきた。
「皇女殿下、皇子殿下、この度は、誠に申し訳ございませんでした。我々の不手際により、侵入者を入れたばかりか、お守りしなければならない御二方に、捕えさせてしまうなど、本当に……!!」
「話は聞いているよ。こちらの要求を全て呑み、学園の改装及び教師の選別を半年で全て完了させたと」
「侵入者の件は父と兄が騎士団を派遣し解決致しました。以前よりも徹底された警備により、再び私達が学園へ通う事を許可して下さったのです。全てが終わりました。頭を下げる必要はございません」
ルーカスとソフィアの言葉を聞き、学園長は最後により深く頭を下げ、謝罪の言葉を口にした。そうして頭を上げると、笑顔で言う。
「お戻りくださり、誠にありがとうございます。今後このような事が起きない様、我々一同、心して管理致します」
「ええ、そうしてください」
「では、僕達はそろそろ寮に向かわせてもらうよ」
「はい。学園の開始まで、ごゆっくりお休み下さい」
ルーカス達はそれぞれ荷物を持つと、寮の部屋へと向かった。
ルーカスが部屋の前へ到着すると、中から勢いよく扉が開かれた。
「リヴ、よく分かったね。久しぶ、り……」
部屋からリヴァイが出てきて、ルーカスはいつもの様に会話を始めた。しかしリヴァイは、一言も発さないままルーカスを部屋の中へ引き入れると、壁に押し付け激しい口付けをする。
そしてルーカスの体をまさぐり服の中へ手を入れる。
「待っ、て、リヴ、、。なにを、、」
「本当に分かりませんか、シアン。この半年間、私は一度も貴方にお会いしていません。恋人の顔も見れず、触れる事も出来ない半年間を、私がどう過ごしたのか、貴方ならば分かるでしょう」
事件の後に部屋で会って以降、ルーカスとリヴァイはたったの1度も会っていなかった。
「だっ、て君、忙しそうだし、、んっ、中央棟に行くことも、ない、から、、」
「はい、貴方を責めている訳ではありません。会いに行かなかったのは、私も同じですから。貴方に会った瞬間に暴走しては、陛下に面目が立ちませんので」
リヴァイは事件の直後から、酷く忙しくしており、ルーカスの顔を見に行くことすら儘ならなかった。そしてようやく落ち着いた頃には既にみつきが経過しておりその反動が一気にやってきた。
「シアン、このまま浴室へ向かって良いですか」
その余裕のない問いかけに、ルーカスはゆっくり首を縦に振った。
最後まで、するのかな……。
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