転生皇子の新生活 高等部編

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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中等部4年編

52 sideルーカスandリヴァイ

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 レイアの顔を見た後、ルーカスはフランクとマルセルの様子を見に2人のいる客室へと向かう。


「おー、ルーカス!」


「怪我の具合はどうだい?」


「心配すんな。治療してもらったから後も残ってねぇよ」


 2人は心配をかけぬようにぴんぴんした様子でそう答えた。


「良かった。体力が戻るまで滞在していて構わないし、2人の家には一報を入れたから、ゆっくり休んで」


「おう! ありがとな!」


 2人の顔を見て安心すると、休息を邪魔しないよう、ルーカスは自室へと戻った。

 すると丁度、部屋の掃除を終えたモニカが部屋から出てくる。


「ルーカス殿下、ご無事で安心致しました。部屋の掃除と湯浴みの準備は整っております。陛下から今日はもう下がるようにと仰せつかっておりますのでこれで失礼致しますね」


 父様が?


「そうかい? 分かった、お疲れ様」


「ありがとうございます」


 そうしてモニカが帰って行くと、ルーカスは不思議に思いながらも部屋に入る。


 今まで専属の者への干渉なんて殆どなかったのに、何か大事な用でもあったのかな? ……一先ずモニカが用意してくれているし湯浴みにしようか。


 そう思いルーカスは湯浴みをする為に浴室へと歩いていく。
 しかしその足は、部屋の扉が叩かれる音によって止められると、踵を返し扉まで進む。


「リヴァイです……」


「っ、リヴ?」


 訪ねてくるとは思っていなかった人物の名前と声に、ルーカスは驚きと嬉しさで扉への足が早くなる。

 そしてルーカスが扉を開けると、本当にリヴァイが立っていた。


「リヴ、どうし、、」


「入室の許可を頂けますか」


 ルーカスが声をかける間もなく、リヴァイはそう尋ねた。


「え、ああ、構わないよ」


「ありがとうございます。……シアン、失礼致します」


 え、、、?


 許可を貰うと、リヴァイは一瞬の間もなく扉の内側に体を入れる。そして扉が閉まるのも待たずにルーカスへ軽い口付けをした。


「ん、、……リヴ?」


 唇が離れると、リヴァイは僅かに辛く悲しそうな表情を浮かべていた。


「何故貴方はこれ程までに無防備なのですか……?」


「……それは、リヴだから、、」


「いいえ。貴方は先程も、見知らぬ男に無防備に近付かれておりました。それが、貴方を襲いに来た侵入者にも関わらずです」


「あ……ごめ、、」


「謝らないで下さい。貴方に謝られると、全てを許してしまいたくなる……」


 リヴ……。


「では僕を君の好きなようにして良いから、君が僕を許しても良いと思えた時に、どうか謝らせて欲しい」


(ああ、貴方は何も悪くない。これはただの、私の八つ当たりだ)


 これは、リヴを安心させられない、僕の責任だ。


「リヴ、僕はどうすれば良い? 君は、僕をどうしたい?」


(だがこの方が、それを許して下さるのならば、私はそこに漬け込んでやる……)


「私は、貴方が欲しい。貴方の心も体も、あなたを構築する全ての要素が私のものであって欲しいです」


「……リヴ、それらは全て、とっくに君のものだよ」


「ならば、今日の様に、、、近付けさせないで下さい……。そんな隙を、与えないでください」


「うん。僕の隙が君を傷付ける要素となるのならば、君以外の前でそんなものは作らない」


 リヴァイの申し訳なさそうな、けれど切実なその願いに、ルーカスは真剣にそう誓った。


(やはり貴方は、無防備だ……)


「シアン、愛しております……。貴方の全てが、私のものであると証明して下さい……」


 ふふ、リヴが小さな子供みたいだ。


 ルーカスはリヴァイの首に腕を回して抱き着くと、耳元で囁いた。


「リヴ、自分のものには名前を書いておけば良いんだ」


「っ、! 貴方という方は本当に……!」


 ルーカスの言葉を聞き、リヴァイは酷く驚きそう言うとルーカスに食らいつくように熱い口付けをする。

 そして彼を横抱きにして抱えると、視界の端に映っていたベッドに向けて直進していく。


「リヴ、湯浴みがまだだから進むのは反対だよ」


「湯浴み前の体で寝具に触れたくないのであれば、あちらのソファに向かいます」


 リヴァイはルーカスの意図が伝わっているだろうに、わざと湾曲した解釈をしてそう言った。


「そうではなくて……、これから触れ合うのに汚いから、、」


「寝具は構わないのですね」


 そう言うとリヴァイはルーカスをベッドに下ろしてまた口付けを始めた。


「んんっ、、リヴ……」


「シアン、湯浴み前の私は汚く触れたくない存在ですか?」


「そんなことはない。けれど僕が君に触れさせたくない、、」


「ならば構いません」


 リヴァイはルーカスの言葉を押し切って、ルーカスにそのまま口付けをして押し倒す。
 そして服の上からルーカスの体を優しく撫で回し始めたのだった。





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