転生皇子の新生活 高等部編

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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中等部4年編

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 ルーカス達が配置に着き、少しの時間が経過する。すると彼らの元へ侵入者が姿を現した。


「おい、テオ、、8人も居るぞ……」


 侵入者の姿がはっきりと視界に入ると、マルセルが悲観したようにそう言った。


「これを私達5人で相手するのかよ?」


「4人で、だよ。ギャレットにはコロン達を守るのに専念してもらう」


「嘘だろ……」


 ルーカスはギャレットに前には出てこずに、コロン達の側を離れないよう指示を出した。


「へへっ、若々しいガキ共が7人も居るぜ。捕まえた後は俺達の好きにしていいんだったよな!?」


「ああ。珍しい色の長髪の奴を除いてな」


 ……やはり彼らの標的は僕か。


「はあ!? あいつが1番の上玉だろ!」


「てことはこいつがお前らの獲物かよ。確か第3皇子の婚約者は男だったよな?」


「へぇ、じゃあ、後ろの具合いも良さそうだ。なぁ、味見くらいならいいだろ?」


 そう言って無精髭の侵入者が舌なめずりをしてルーカスに視線をやった。


「死体相手で良いならな」


「安心しろ。向こうの扉の奥にも上玉がゴロゴロ隠れてるはずだ」


 そう言って1人の男がソフィア達が隠れている空き教室の方を指さした。


 姉さん達の居場所もばれているか。……ああ、気持ち悪い。この視線には、いつまで経っても慣れる気がしない。


 ルーカスは少し顔を青くした。するとフランク達がドン引きした表情をし、アレイルは酷く憤怒した表情をしている。


「うげっ、私達の何処に興奮する要素があるんだ?」


「本当だよね。気持ち悪い」


「お前やそいつらならまだ有り得るだろ。だがこんなガタイの良い俺らにまでって流石によぉ……」


 その呆れた様子のフランク達の会話のおかげで、ルーカスは少し気持ちを取り直し深呼吸する。


 今は強ばっている場合ではない。彼らは話し方の癖や気配が違う。恐らく組織自体が別のものなのだろう。3人はエイルにも引けを取らない手練れだろう。そしてもう1人、 厄介な者がいる。本気のアレクサンダーと戦っても少しの時間なら耐えられるだろう相当の強者。


「ルーカス殿下、あの無精髭の男は私が殺してもよろしいですか」


「……構わないけど、その後にもう1人相手をしてもらうよ」


「2人相手をすると言いたいところですが、今の私の実力では1人が限界でしょう。主人に負担をかけてしまう不甲斐ない側近で申し訳ございません……」


 アレイルは落ち込んだようにルーカスに謝罪をした。


「1人減らしてくれるだけで十分助かっているよ。それに、騎士達でも一度にあの2人を相手にするのは手こずるはずだから、君が1人でも相手出来るのは凄いことなんだよ」


「これからも精進致します」


「うん。楽しみだ」


 アレイルは真剣な表情で誓いを立てるようにそう告げた。


「フランクとマルセルは、そこの小汚い虫けら3匹の相手を頼むよ」


「ふっ、確かに小汚い虫けらだな。……3匹だな?」


「……おい、ギャレット。ぜってぇそいつらから目ぇ離すんじゃねえぞ?」


「分かってるよ。こっちは任せて」


 3匹と聞き、フランクとマルセルは少し顔を引き攣らせた。


「難しいなら先にそちらを殺すけど」


「阿呆か。その間誰がその化け者達の相手すんだよ」


「私達を殺す気か? 一瞬の隙でも私達は殺されるんだぞ。取り敢えず相手してみるから、取りこぼした時はまあ、ヨハンにでも倒してもらうぜ」


「……そう」


 ヨハンに、人を殺せるのならばだけど……。




「そろそろ作戦会議は終わったかぁ? てかまあ、もう待てねぇけどよ!」


 そう言い無精髭の男がルーカスに向けて剣を振り下ろす。しかしルーカスの前にアレイルが剣を抜いて入ると、男の剣を軽く受け止めた。


「貴方の相手は私だ。ルーカス殿下に指一本でも触れてみろ。首を切り落とすからな」


「へぇ、触れなけりゃ生かしておいてくれるって訳か」


「何を戯けたことを」


 突っぱねて言うと、今度はアレイルが無精髭の男に斬りかかった。しかしそれは割って入った手練の男によって防がれる。


「っ、」


「おぉ、危ねぇ危ねぇ。兄ちゃんよぉ、俺はあんたらお貴族様が守るべき、幼気な民だ。少しは手加減してくれよ?」


「何が幼気だ。皇族に仇なす者を守るわけがないだろ。貴方は、マカイラ領の治安が良い訳を知っているか? 賊を徹底的に根絶やしにするからだ」


 アレイルは強い殺気を放ちながら、2人の男に向かって剣を振るう。

 そうして侵入者との戦闘が始まった。





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