転生皇子の新生活 高等部編

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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中等部4年編

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 コロンの友人が、ルーカス達にコロンの魔法の事と、魔力が減る前に、彼らが話していた内容を告げた。


「貴方達はなんて下衆な会話をしてるの!!」


 その内容を聞き、キャサリンは怒りのままに2人を怒鳴りつけた。そしてソフィアと側近は彼らを侮蔑した瞳で見つめ、ヨハン達やクロエは触れてはならない腫れ物に触れてしまったような表情をしている。


「今後一切、ルーでその様な穢れた妄想なんてしないで下さい」


 ソフィアは圧倒的な威圧感で彼らに警告する。


「……一先ず、皆落ち着いて。彼らは僕をどうこうしようと計画を立てたわけでも無ければ、それを実行した訳でもない」


「でもねぇ……!」


「ティファニー、彼らは恐らく知らなかったんだ。幼子に聞かせるような話ではない。彼らの親族が、周りの人間が、まともだった事を喜ぶべきだよ」


 コロン達はルーカスの2つ下。ルーカスが強姦にあった7歳の年、当時2人はは5歳の幼子で、中級貴族、それも中立派の出身の彼らは礼儀作法の授業が始まったばかりで閨教育もまだの頃だろう。
 その後皇族に関する授業を受けたとして、皇族の派閥や関係性は教われど、ルーカスが襲われた事など告げるはずもない。


 ルーカスの予想通り、コロンと友人はルーカスの言葉を理解出来ていない。


「けど、こいつらも3年前に学園で合ったことは知ってるはずだろ」


「そうだな。その割には随分と無神経だと思うぞ」


 3年前、まだ学園に入っていないコロン達だが、ヘーゼルの王族がルーカスを襲ったという話はナサニエルとヘーゼル中に広まっていた。

 コロンと友人は思い当たる節がある様で、ハッとするとまた顔を真っ青にした。


「それよりも、重要なのはコロンの発動した魔法が"予言"で、その内容が強姦紛いのものだということ。この予言は今すぐに起きる事なのかい?」


「お、恐らく……。今までも発動から四半刻以内には起こっていたので……」


 四半刻か……。


「では、エイルが戻ってくるのを待とうか」


 そのルーカスの呑気な返答に、皆は呆気に取られる。


「はあ!? もっとこう逃げるとかさあ!?」


「そうですよ! 教員の方にお伝えするとか!」


「逃げても出会う可能性はある。それから、教員には伝えないよ」


「そうね。学園に侵入を許しているのですから、教員の中に手引した者がいる可能性も」


「あ、、」


 ソフィアの冷たい声に、皆は納得した。


「じゃあ、どうするんですか……?」


「そうだね、エイルも帰ってきたみたいだし、そろそろ僕達も動こうか」


「え?」


 ルーカスの言葉通り、アレイルが転移の魔法でルーカスの元へ姿を現した。


「何かあったのですか?」


「暴漢が侵入してくるみたい。リヴの方は何だったんだい?」


「……え!? ちょっと待ってください!! 一体どういう……!?」


 ルーカスの焦りのない様子に、アレイルは困惑したように声を荒らげて尋ねる。その光景に、皆は頭を抱えた。


「一先ず、リヴの方の話を聞いてきたんでしょう? そちらの事情を聞いてからリヴを呼ぶかどうか決めるから」


「……わ、かりました。……このまま、皇城へお戻り頂くという選択肢はございませんか?」


 アレイルのその問いかけに、ルーカスはにこりと笑顔を作った。


「はぁ、、畏まりました。リヴの方ですが、本日、ムハンマド家先代公爵様が、陛下方に御用があり皇城へ参じておられました」


 ああ、今日はひと月に1度の報告会の日か。


 ルーカスがムハンマド家に滞在するようになってから、毎月アルフィーがルーカスとレイアの様子をアーサーに報告しに行っていた。そしてその報告会には、レイアも連れて行っている。


「陛下方がお話されている間、レイア様は侍女達がお世話をしていたのですが、陛下の執務室に呼ばれ向かっている道中に……レイア様を抱えた侍女と共に階段から突き落とされたのです、、」


「「「なっ!?」」」


 ……ただ侍女が足を滑らせたわけではなく、突き落とされただって? ……誰だ?


「ル、ー、、苦し……」


 ルーカスの今までよりも濃厚で、どす黒い殺気にソフィア達は息が出来くなり顔を真っ青にした。


「っ、ごめん。それで、レイアの容態は?」


「幸い、侍女がレイア様を庇うように落ちたので、レイア様のお身体には一切傷がないとの事です。現在リヴが、目を覚まされるのを隣で待っております」


「そう、良かった。では侍女の方はかなりの重症だろう」


 アレイルの報告に、ルーカスはほっと安堵しそう言った。


「はい。全身打撲と複数の骨折です。陛下が特別に神殿から強力な光の魔法使いをお呼びされましたので、死に至ることは無いかと」


「分かった。そちらは父様とリヴ達に任せるよ。それでは、こちらはここに居るもの達で片付けようか」


「片付けるって、何すんだよ?」


「もちろん、侵入者を捉えるんだよ」


「ルーカス殿下……!」


 キャサリンがルーカスを咎めるように名前を呼ぶ。やはり彼女達はルーカスには逃げて欲しいと考えている。皇族として民を守るという役目を投げうってでも、暴漢と接触して欲しくないと。


「君達の思いは僕にも痛いほど分かる。あんな気味の悪い者を君達の視界に入れることも、君達を視線に入れさせる事も、反吐が出そうだ」


「ル、ルー……?」


「だから、皇位継承権第3位の皇子として命じる。第1皇女を連れ、側近達はそこの空き教室に身を隠しなさい」


 そう言ってルーカスは訓練所に向かう通路に隣接した空き教室を指さした。


「だ、駄目よ! ルー、私も……!」


「命令だ。聞きなさい」


 ルーカスはただ皇子として命令したのではなく、皇位継承権第3位の者として命令した。それは皇女の為継承権が4位のソフィアへも命令する事となる。


「キャシー、クロエ、ヨハン、ヘクター、アーウィン。君達もそちらについて行きなさい」


「っ!!」





ーーーーーーーーーーーーーー


 遅くなりすみませんm(_ _)m




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