転生皇子の新生活 高等部編

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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中等部4年編

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 コロンが友人の側に戻ると、彼は少し拗ねた様子でコロンに言った。


「コロンだけずるいです!」


「むふふ」


 コロンは酷く嬉しそうな表情をして笑った。


「((コソッ…それにしても、ありじゃないですか、寝取られ」


「ええっ、! うーん、僕、"寝取られ"は嫌だな」


 友人の突拍子もない発言に、コロンは驚き考えたあと苦い顔をしてそう言った。


「それに、ノア様じゃ皇子様に対する独占欲が強すぎるよぉ」


「確かにブチ切れそうですね」


「そうそう、"皇子様のこと押し付けてそのまま犯しちゃうよ"。あ、でも、それは見たいかも、、」


「同感です」


 コロンと友人は妄想を広げながらニマニマと笑っている。すると友人が思いついた様に言う。


「なら逆はどうですか!」


「寝取られだからノア様が犯されてるのを嬉しそうに皇子様が眺めているんだよね?」


 2人は暴漢に犯されるリヴァイを楽しそうに眺めるルーカスを想像する。


「うーん、なんか、違う……」


「ええ、顔が良過ぎて、寝取られて興奮するテオ殿下が想像出来ませんね……」


「だよね。こういうのは"賊"みたいなくたびれた感じの人達の方が妄想が捗るよね。でも、やっぱり、妄想でも無理矢理って言うのは可哀そ、う、、あ、れ……?」


「っ、コロン!」


 コロンと友人が話していると、突然コロンが力が抜けたようにその場に座り込んだ。
 するとそれに気付いたルーカスがコロンの元へ険しい表情をして近付いた。


「魔力が急激に減っている。僕に、何か魔法をかけたよね?」


(ノア様が居ない……まさか……!)




◇ ◇ ◇


 コロンと友人が話している間に、教員が慌てた様子でリヴァイを呼びに来た。


「皇帝陛下から直ぐにノア様を呼ぶ様にと伝令が!」


 リヴを?


「エイル、急ぎの用だろうから、リヴを皇城まで送ってあげて」


「しかし……!」


「いけません!」


「まだ授業まで時間がある。キャシーもティファニー達もいるし、1人にはならないから」


 心配するアレイルとリヴァイにルーカスは安心させるように微笑むと、アレイルは渋々了承した。


「呉々もお一人にならないで下さいね!!」


「おい、エイル……!」


「仕方ないだろ、陛下の呼び出しだ。行かない訳にもいかないし、早く行って帰ってこい」


「……私を送ったら直ぐに殿下の元へ戻れ」


「そのつもりだ」


 アレイルの説得により、リヴァイも納得はしていないものの了承する。


「……必ず皆の側を離れないで下さい。直ぐに戻ります」


 そう言って2人は皇城へ転移する。


「ノア様達ってやっぱり少し過保護だな」


「……まぁ、無理もないけど」


「そろそろ移動……、、」


「ルーカス様?」


 移動しようと言おうとするルーカスが突然言葉を詰まらせる。それを不思議に思いヨハンが声をかけると、後ろからコロンの友人が驚き声を上げた。


「っ、コロン!」


 ……今、魔力の塊が体を通った様な、、、コロンの魔力が急激に減っている。


「魔力が急激に減っている。僕に、何か魔法をかけたよね?」


 ルーカスのその言葉に皆が驚き、コロンは顔を真っ青にして当たりをキョロキョロと見渡した。


「ノ、ノア様と、ケイ様は……?」


「今すぐ何の魔法をかけたか答えなさい!!」


「リヴァイはお父様からの呼び出しに出ています。アレイルはそれを送りに」


 キャサリンが怒りを声に乗せてコロンに問うと、それに続けてソフィアも怒りを顕にしながら静かに答えた。
 それを聞き、コロンはより一層顔を青くする。


「だ、だめです……! 今すぐ呼び戻して下さい!!」


「陛下からの呼び出しだって言ってるでしょう? リヴとアレイルならあなたを擁護してくれると思ったのかしら?」


「ち、違っ……! 早くしないと皇子様が……!!」


 コロンは魔力が抜け力のない手で必死にルーカスの服を掴んだ。


「はあ、皆落ち着きなさい。コロン、どんな魔法を、何故僕にかけたのか、話してくれるね?」


「ルーカス殿下、離れて下さい。私が尋問致します」


「……分かった」


 キャサリンがルーカスを庇いだてる様にコロンとルーカスの間に立ちそう言った。

 するとコロンが今にも泣き出してしまいそうな程申し訳なさそうな顔をして言う。


「ご、ごめんなさい!! 何も、、何も、正確な事が分からないんです……」


「どういう……」


「どうして今、魔法が発動したのかも、どのタイミングで、魔法が反応したのかも、全部、分からないんです……! 魔法を、制御、出来なくて……」


「っ……!」


 コロンのその言葉に、キャサリンは怒りを押さえつけるのがやっとのように、彼を睨み付けた。


 ……コロンの言葉は事実だろう。ならば何故、コロンはこんなにも焦っているんだ?


「そこの貴方、モルの言っていることは事実なの?」


 キャサリンは努めて平静を装い、コロンの友人にそう尋ねる。すると彼は強ばった顔をしながら、激しく頭を縦に振る。


「そう。ならどうして、ルーカス殿下に危険が及ぶと言いたげなのかしら? 何も分からないんでしょう?」


「そ、それは……!」


 コロンは何かを言おうとした。しかし言い淀み友人の方をちらりと見る。それに気付いた友人は何かを察した後、覚悟した様に口を開いた。


「わ、私が話します……!」








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