46 / 105
中等部4年編
41
しおりを挟むオリエンテーションの準備は順調に進んでいく。その合間にある授業にも学園の者達皆が真剣に取り組んでいる。
ルーカスのクラスは午後から魔法の授業の為、ルーカス達は早めに昼食を取りに食堂へと向かった。
「ルー、貴方ももう食堂に来たのね。ここの席はまだ空いているわ。皆さんも久しぶりに一緒にどうでしょうか」
ルーカス達が食堂へ到着すると、既に食堂に来ていたソフィアがルーカスを見つけ呼んだ。
「せっかくだしそうしようぜ」
フランクがそう答えると、他の皆も賛同しソフィア達の隣にそれぞれ座って食事を始めた。
「ルーは小盛から中盛りに昇格したのね」
「小盛は全て食べられる日が増えてきたから、少しずつ増やせるように中盛りにしているんだ。流石にリヴに全て食べてもらう訳にはいかないから、食べる前に皆に取ってもらっているけどね」
「そうなのね。頑張って食べて偉いわ」
そうやってソフィアがルーカスを褒めると、マルセルとフランクがルーカスを揶揄う様に嫌味を言ってくる。
「あの少量でどうやってここまで背が伸びたのかは不思議だがな」
「そうそう。普通身長に栄養行かねぇよな。ま、平均くらいで止まりそうだけど」
「それでは困るよ。僕はリヴの背を越すのが目標なんだから」
そう言ってルーカスは拗ねたように言い返す。すると2人はさらにルーカスを揶揄った。
「あはは、無理無理。ノア様の身長197cmだぜ?」
「お前はまず170cmを目指せよ」
「そうそう。だからちゃんと食えよ。私達に迷惑だなんて思わなくて良いからさ」
真剣な表情になったフランクに、ルーカスは嬉しそうに頷く。その様子を微笑ましそうにソフィアやアレイル達は眺めていたが、リヴァイだけは、自分の身長を的確に当ててきたフランクを不気味に思ったのだった。
その後、食事を終えるとルーカス達は席を立った。
「姉さん達もそのまま訓練所に向かうのかい?」
「ええ、そうよ。ルーも?」
「うん。良かったら皆で行かないかい?」
「もちろんよ」
皆で訓練所へ向かう事になり、食器を返却口へ持っていくと、全員で食堂を後にし、野外訓練所へと向かった。
その道中の廊下を歩いていると、動きやすい服装に着替えたコロンが、嬉しそうにルーカスの元へ走ってくる。
「皇子様! 皆さんもこんにちは!!」
「はい、こんにちは。モルは今日も元気ですね」
「えへへ」
ソフィアに笑顔でそう褒められると、コロンは嬉しそうに頭に手をやり喜んだ。
「ちょっとコロン! 待ってください。突然どうし、、あ! こ、こんにちは!」
するとそこへコロンの友人がコロンの後を追ってやってきた。彼はルーカス達に気づいた瞬間、驚きの表情を浮かべながらもきちんと挨拶をした。
「ふふ、こんにちは。コロン、友人を置いてきたのかい?」
「すみません、皇子様を見つけてつい……。ごめんね?」
「良いですよ。いつものことですから」
2人のやり取りにルーカスは少し微笑んだ。
コロン達のクラスは、屋内訓練所で魔法の授業がある為、よく廊下ですれ違っていた。
「まったく、本当にルーの事が大好きなのね。リヴが凄い嫉妬してるじゃないの」
ティファニーが呆れたようにコロンにそう言うと、コロンはリヴァイの方へ顔を向けた。するとあまりの顔の怖さに、リヴァイの事も大好きなコロンでさえも顔を青くする。
「ぼ、僕は皇子様とノア様の応援をするのが好きなのです! た、確かに、お二人の事も大好きですが、、それはあくまで尊敬のもので……! お二人と付き合えるとか、付き合いたいとか、そんな感情はありませんから……!!」
そうやってコロンが慌てて弁明すると、リヴァイは目をそらす。
「姉上、私は何も言っておりません」
「あら、顔に書いていたわよ」
「あまり怖い顔をしているとコロンが萎縮してしまうよ。もちろん、嫉妬してくれるのはとても嬉しいけれどね」
そうやってルーカスとティファニーがリヴァイの事を揶揄った。
その様子に安堵するとコロンは友人の側へ戻った。
62
お気に入りに追加
134
あなたにおすすめの小説

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

王道学園なのに、王道じゃない!!
主食は、blです。
BL
今作品の主人公、レイは6歳の時に自身の前世が、陰キャの腐男子だったことを思い出す。
レイは、自身のいる世界が前世、ハマりにハマっていた『転校生は愛され優等生.ᐟ.ᐟ』の世界だと気付き、腐男子として、美形×転校生のBのLを見て楽しもうと思っていたが…

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる