転生皇子の新生活 高等部編

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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中等部4年編

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 テストが終わり数日が経ち、ルーカスは1週間後に剣術大会を控えていた。
 その為テストの2週間ほど前から、ルーカスとリヴァイは習慣となっていた開発を行っていなかった。


 その為ここ1週間、リヴァイは湯浴み時に1人で処理をしている。


「ねえ、リヴ。本当に手伝わなくて良いのかい? もう3週間も……」


 君と触れ合っていない……。


「大丈夫です。殿下の邪魔をしたくはございません。私の事は気にせず、どうか剣術大会にご集中なさって下さい」


「……分かった。おやすみ」


 そう言うとルーカスは自分のベッドに横たわる。


 邪魔だなんて思っていないのに。……週2回の触れ合いの日を勝手に決めたのも、その都度先に誘うのも僕の方。どうしたら、君の方から触れてくれるんだろうか……。


「…………愛しているよ、リヴ」


 リヴァイもベッドに横になる瞬間、突然ルーカスがそう言った。それに慌てて振り返るリヴァイだが、ルーカスはシーツに包まり壁の方を向いたままだった。
 しかし眠った訳では無いようで、どうやら聞き耳を立てている様子である。


「殿下、貴方を誰よりも愛しております」


 ルーカスからの反応はない。だが、ルーカスのベッドが少しの音を立て、シーツの擦れる音がする。


「……おやすみなさいませ」


 そう言うとリヴァイも今度こそベッドに寝転びシーツを被った。


 (私の言葉が、欲しかったのか? ……流石に、自惚れ過ぎだな)




 しかし触れ合いのないこの1週間、ルーカスはことある事にリヴァイに向けて愛を伝えた。


「好きだよ」

「大好き」

「愛している」


 そしてリヴァイがその都度愛の言葉を返すと、ルーカスは満足気に友人達や後輩達の所へ去っていく。




 そして剣術大会が始まった。ルーカスは予選を難なく3勝し通過し、翌日の決勝トーナメントも無事に勝ち進んでいく。
 決勝戦。ルーカスは対戦相手のオーランドの剣を思い切り吹き飛ばした。


「ってぇ。少しは手加減してくれよな、ルーカス様」


「勝者テオ!」


「手加減されて僕に勝っても、君は喜ばないくせに」


「まっ、それもそうだけどよ」


 オーランドは飛ばされた剣を拾うと、ケロッとそう答えた。そこへ側近達がやってくると、一緒に控え室の方へ向かって歩き出した。


「殿下、お疲れ様です」


「ありがとう。かっこよかった?」


 ルーカスが悪戯に口角を上げて尋ねる。


「とても格好良かったです」


「ふふふ、リヴ、愛し…っむ」


 ルーカスが嬉しそうに笑い愛を告げようとする。しかしリヴァイは、それを遮るようにルーカスの口を手で覆った。


 ……リヴ?


「殿下、愛しております」


 えっ、、リヴの方から……。


「……気付いていたのかい?」


「そうなのではないかとは思っておりました。しかしただの自惚れでは無いかとも」


「ううん、自惚れなんかでは無い。いつも返してくれるから、君の言葉が聞きたくなった時に僕から告げればいいんだと思いついたんだ」


 ルーカスが愛を伝えると、リヴァイはいつも同じ言葉で返してくれた。それを利用し、ルーカスはここ一週間程、リヴァイからの愛が聞きたくなると、リヴァイに自分から伝えた。

 それに気付いたリヴァイは、ただ言葉を返すだけではなく、自分から告げようと思い、ルーカスの言葉を遮ったのだった。


「これからは、思った時に直ぐに伝えようと思います。それから、貴方が聞きたいと思った際に、気付けるように」


「うん……! リヴ、ありがとう」


 ルーカスは物凄く嬉しそうにリヴァイに向けてお礼を告げた。


「ねえ、リヴ、愛しているよ」




「俺、物凄く疎外感感じてんだけど、アレイル様とキャサリン様はどうだ?」


「奇遇ね。私もよ」


「私もです。特にここ一週間程はずっと」


 2人の後ろを歩いている3人は、彼らを遠い目で見ていた。


「お二人、何かあったのか?」


「いいえ、特に何も聞いていないわ。ただ……」


「リヴの奴、最近殺気立っているんですよ」


 アレイルが厄介だと言わんばかりにそう言うと、オーランドは少し不思議そうな顔をする。


「そうは見えねぇけど」


「ルーカス殿下と2人の時は良いのですが……」


「ルーカス殿下が友人や後輩達と話しているともう……」


「えぇ、、リヴァイ様、心狭ぇ……」


 オーランドが引いたようにそう言うと、アレイルとキャサリンは酷く共感する様に頷いた。


「ルーカス様の方はどうなんだ? 変わったこととか」


「どうかしら、私達じゃルーカス殿下の表情は読めないからね」


「ああ。あ、けど、セドリック様とよく一緒に居ないか?」


 アレイルは思い出したように言う。それを聞きキャサリンも共感した。


「そう言えばそうね。生徒会の後とかにセドの所に行っておられるわ」


「セド様と……。ま、考えても分かんねぇか」


「そうね。もし気になるのならルーカス殿下かセドに聞けば良いし、取り敢えず戻りましょうか」


「おう」


 3人は、置いていかれないようにルーカス達の後をついて行った。




 リヴがこれからは言葉を伝えてくれると言ってくれたから、もうセドリックへ相談する必要も無いかな。あまり欲張るのも良くないよね。






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