転生皇子の新生活 高等部編

𝐍 𝐢 𝐚🐾

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中等部4年編

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 翌朝、ルーカスは鍛錬から帰ってきたリヴァイに気付き目が覚めた。


 ……また達せなかった。ん? わあ、凄い。身体中、噛み跡と鬱血痕だらけだ。


「おかえり、リヴ」


 ルーカスが上裸の状態で跡だらけの自身をぼーっと見渡していると、リヴァイがこちらに近付いてきて言う。


「申し訳ございません、自制が聞かず至る所に……」


「情事の事を思い出して少し恥ずかしいけれど、君に愛されているんだと分かって凄く嬉しいよ」


 そう柔らかい表情で微笑むルーカスに、リヴァイの心臓が跳ね上がった。それに気付いたルーカスは嬉しそうに彼を引き寄せ口付けをする。


「愛しているよ」


 そして口付けを終えるとそう言い、今度はリヴァイの首筋に顔を近づけた。


「汗をかいておりますので、、ん、」


「ふふ、君にも跡が付いてしまったね」


 ルーカスはリヴァイの首筋に、鬱血痕を付け嬉しそうにそう言った。するとリヴァイは首筋を真っ赤に染める。


「汗を流して参ります!」


「うん、僕のものだという印だから、しっかり確認して来ると良い」


 脱衣所には鏡がある為、ルーカスは悪戯に笑い揶揄うようそう言う。


「殿下、揶揄わないで下さい……」


「ふふふ」




 ルーカスは残り2日授業を受けると、光の曜日の夜にムハンマドの別邸に帰ってきた。


「ただいま、レイア、アルフィー。フレデリック、今日は早いんだね」


「お帰りなさいませ」


「はい、仕事が早く片付きましたので。アースがとてもルーカス殿下に会いたがってましたよ」


 フレデリックは仕事が終わらない時は、そのまま皇城に寝泊まりする事も多々あるが、今日は早い時間に帰ってこれたようだ。


「ふふふ、父様には後で手紙を書いておくよ」


「そうしてやってください」


「そうだ、メディソンはいるかな? 僕の部屋に来て貰いたいのだけど」


「何処か怪我でもされたのですか!?」


 メディソンはムハンマド家の医務長だ。ルーカスが彼に用事があると知り、アルフィーは慌てて尋ねた。フレデリックとリヴァイも心配そうにルーカスを見詰めている。


「私の警戒が足りませんでした……」


「違う違う。何処にも怪我はしていないよ」


 落ち込むリヴァイに、ルーカスは慰めるように頬を撫で目を合わせて言った。


「とと、いたぁ~?」


「いたたはしてないよ。本当に何も無いから。少し相談したいことがあるんだ。だからメディソンに部屋に来るよう言って貰えるかい?」


「本当に、怪我をされていないのですな?」


「うん」


 アルフィーは最後にもう一度確認すると、分かったという風に頷いた。


「ハーマン、メディソンに伝えろ」


「畏まりました。では皆様、そろそろ中にお入りください。まだ夜は冷えますから」


 ハーマンがそう言うと、皆は屋敷の中に入り、それぞれ部屋へと戻って行った。



 少しすると、ルーカスの部屋の扉が叩かれる。


「テオ殿下、メディソンでございます」


「入って」


 メディソンがやって来たようで、ルーカスは彼を部屋へ招き入れた。


「お怪我はされていないとのことですが、ご相談とは一体……?」


 ハーマンから説明を受けている様で、メディソンは不思議そうにルーカスに尋ねた。


「それなんだけど、メディソンは、精力剤や媚薬を作れるかい?」


「…………、精力剤!? ((コソッ…若様の能力にご不満が……?」


 ルーカスの突拍子のない質問に、メディソンは酷く驚いた後、こっそりとそう尋ねてきた。


「あ~、リヴではなく僕の方なんだ」


「テオ殿下が……?」


(体格差的に若様が男役だと思ったが、実際はテオ殿下が男役だったのか……?)


「父様との約束が有るから、今は準備期間なのだけど、僕、まだ精通をしていないんだ。リヴが触れると、勃つには勃つのだけど、、」


「なるほど、達せないのですね。それで精力剤や媚薬を……」


「うん」


 ルーカスの話を聞き、メディソンは難しい顔をして考え込んだ。


「……効果が十分にある物を、作ることは可能です。しかし、テオ殿下が精通をしておらず、若様に触れられても達せないとなると、熱を発散出来ずに辛い思いをされる可能性がございます。そしてテオ殿下に性的欲求がない場合は、もしかすると、効果を一切感じない可能性も……」


 ……性欲がないと分かれば、リヴは僕に遠慮して触れてくれなくなるかもしれない。


「……それでも良いから、作ってくれるかい?」


「畏まりました。しかし、もしも熱が発散出来なかった場合は、完全に熱が抜け切るまで運動で体を動かすようにしてください。
 材料を集めるのに時間がかかりますので、ひと月程掛かります」


「分かった。完成したら僕に直接渡してくれるかい? リヴに知られると止められるだろうから」


「確かにそうですね。分かりました」


「あと、もう1つ良いかな。傷薬を分けて欲しいんだ」


「っ、やはり何処かお怪我を!?」


 ルーカスの言葉に、メディソンは酷く心配し切羽詰まった表情で問い詰めた。


「怪我ではなくて。情事の時にリヴが噛むから、歯型は3日程で消えるのだけど、幾つか傷跡になって残るんだ」


「……な、るほど。それを治したいと。しかし、薄くはなりますが完全に消えるかどうかは……。跡が付いた直後ならば、テオ殿下の治癒力ならば消えると思うのですが」


「薄くなるならそれで良いよ。薬を塗ったら、翌日には何も無くなるから、直後に塗ることは無いかな。3日でなくなるのも早いと思うのに、1晩も持たないなんて寂しいからね」


 ルーカスが微笑んでそう言うと、メディソンは困ったように笑う。


「畏まりました。では、こちらの傷薬を少しお渡ししましょう」


「ありがとう」


 メディソンは荷物の中から傷薬を取り出すと、ルーカスに渡す用に空の入れ物移しそれを渡した。


「相談に乗ってくれてありがとう」


「いえ、では私はこれで失礼致します」


 メディソンはルーカスに挨拶をすると、部屋を後にする。


(テオ殿下は閨の話題でも全く照れないのだな。若様や旦那様方は直ぐに恥ずかしそうに逃げようと為さるのに)







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