ゴックン、その口で食べるの? /Osaka発ドラァグドライブ、掛け違いの旅

Ann Noraaile

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【 旅と温泉グルメ しゃぶれどもしゃぶれども(番外編) 】

09: 京都 町屋手拭 「失敗しなかった未来」

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 ・・今日は、町屋手拭といふものについて書きたいと思う。・・
 いや、それより先に、今の世の中は、「手ぬぐいについて説明せねばなるまい。」って時代でしょうか(笑)?

 生活様式の変化に伴って現代は「手ぬぐい」より、ハンドタオル・フェィスタオル・バスタオル等のタオル生地軍団の時代ですからね。
 勿論、今回ご紹介する「手ぬぐい」に密接に繋がっていた「銭湯」の数もぐんと少なくなってます。

 いなせなお兄様が、固く絞った手拭を、素肌にパシーンと叩き付ける図ですね。
 こんな絵図らはもう、古典落語の中にしか登場しないのかしら。
 とか書いてるアンだって「銭湯・手ぬぐいって初めて聞いた」世代にかなり近いんですけど(笑)。

 でも、最初に言っておきますが、手ぬぐいとしての機能性を考えれば「町屋手拭」なんて下の下です。
 ホント、「何でも古いから値打ちがあって良い」って、妙な別の流れがあるから、困ったモンです。
 (そういうのを地域振興とかに使うのは構いませんが、政治的なのに使われるとろくなことがないです。何とかしぐさだとか。)

 肌にパシーンと叩き付けられるのは、それだけ生地が薄くて固いからで、いくらその上に粋な図柄が染め抜いてあっても、手ぬぐいとしては無地のタオルの機能性にはかなわないんです。
 それは、昔の生活様式にいくら郷愁を感じようと、「利便性」を考えれば、どれをとっても現在のもの方が、全て上であるのと同じ事です。

 でも、そういう状況を度外視してでも、人が過去のモノに強く惹きつけられるという事実もあるんですよねぇ。

 京都寺町の新風館近くにある手拭専門店永楽屋細辻伊兵衛商店では、明治から昭和初期に実際に販売されていた手拭の復刻版を沢山見ることが出来ます。
 その絵柄は、舞妓さんのスキー姿など、当時の最先端であり、今はレトロモダンを感じさせてくれるものが多いです。
 当時の最高度とされる染め技術と、そして伝統的な絵柄とモダニズムの合体は、今見るとデザイン的にとてもスリリングです。

 アン思うに、今、私たちに「素敵さ」を感じさせてくれるレトロモダンの中には、「失敗しなかった未来・レトロフューチャー」が、多く詰まっているんじゃないかと思います。
 「失敗しなかった未来」が、懐かしさを感じさせる光景を喚起させるモノや形と繋がった時に、私たちの過去の時代への憧れが生まれるんだろうと。

 だから逆に言うと、今の文化が生み出しているモノたちが、後、数十年後に「愛すべきもの」として再び私たちの目に映るのだろうか?という疑問はありますね(笑)。
 近い未来において、平成の世の中が生み出したモノが、懐かしさは感じるけど、ただの荒廃したガラクタばかりだったら辛いですね(笑)。

PS そうそう、永楽屋さんの手ぬぐいは「手ぬぐい」として使うんじゃなく(勿論、使ってもいいですが)、壁飾りとか、お洒落用の梱包材に使うのがベストですね。
 ワインボトルとか日本酒の一升瓶とか、、これに包んでハレの日に楽しんじゃうとか。
 たまには気分だけでも小粋にならなくっちゃ。
 アンは永楽屋さんで、大きな赤鬼がでっかい背中をこちらに向けているデザインの手ぬぐいを買いました(どんな奴ちゃねんw。もっと可愛いのを買わんかい!)。
 その赤鬼の後ろ姿に、オトーサンの哀愁を感じてとってもお気に入りです。
 オトーサンという生き物だけは、ここ100年、その生態に変化がないんじゃないでしょうか?





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