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【 旅と温泉グルメ しゃぶれどもしゃぶれども(中部編) 】
35: 福井 芦原温泉とその周辺 ③「せんとくん」
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雨の中、加賀の「うるし蔵(現・月うさぎの里)」に向かった。
朝風呂に入って朝食をいただいたら、チェックアウトの時間まで余裕があっても、もうゆっくり出来ない質は昔からだ。
泊まりのお仕事の時は、このせいで嫌がられる時もあるけれど、こればかりは性格だからコントロール出来ないみたい。
芦原から加賀の「うるし蔵」までは、北潟湖を北上して小一時間で行ける。
この施設のメインは、彫刻家・籔内佐斗司氏のちょっとシュールで、人間味溢れたオブジェだと思ってる。
でも籔内佐斗司氏は、平城遷都1300年記念事業の「せんとくん」騒動で、あまりにも斜め上方向に有名になっちゃったからなぁ。
氏は全力でパブリックアートに貢献しすぎですよ(笑)。
鳥取の倉吉で、氏の作品である「火伏せ童子と家守」とか、「ひとまちいぬ」に出会った時は、なんだか嬉しくなっちゃたんだけど、そんな気持ちになるパブリックアートって他には滅多にない。
大抵は「なにこれ?意味不明」って感じの近代アートが、ゴロンって転がってる感じだから。
「うるし蔵(現・月うさぎの里)」の、飲食・物販店舗とギャラリーを備えた観光文化施設というユニークな形態は、一重に籔内佐斗司作品の質に成り立っているのではないかと思う。
この施設、現在は氏の名前じゃなく、「うさぎ」を前面に押し出してるみたいだけど、、。
まあこれは、「猫駅長」などという馬鹿げた商業コンセプトが、成立する時代だから仕方ないか。
(それにしても、他の造形作家の展示で「うるし蔵」が成立するとは到底思えない。例えば、岡本太郎のオブジェの側で、コーヒーなんか飲みたくない。あれは、音楽ガンガン流して踊り狂うような場所の内装にしたら良いと思う。)
昔、某ジャーナリストが「何故、舟越桂を現代美術として、籔内佐斗司をそう認めないのか!」と憤慨したらしいが、これは何となく判る。
でも籔内佐斗司氏の作品は、現代美術と評価するには余りにも判りやす過ぎるのだ。
かの村上隆氏が、オタク文化をモチーフにしながら、現代美術になりおおせたのは、それが例え戦略であったとしても、ある種の「表現としての高級感」を身に纏っていたからだと思う。
それとは正反対のベクトルが、籔内佐斗司氏にはある(笑)。
でも実物を見てもらえれば判ると思うけれど、特に氏の木彫作品などに用いられている表現技術は並ではない。
それでも作られた作品が「身近に感じられるすごさ」自体が、氏の作品の値打ちなのだろうと思う。
今度の旅は、本当に休養だけが目的だったけれど、籔内佐斗司氏の判りやすい表現・生き方に出会えて良かったと思う。
この旅では、自宅に戻る前に、長浜の黒壁スクエアに立ち寄って、その際、土曜日に訪れた越前大野との印象の落差に驚いたのだけれど、その話はまたいずれ何処かで、、。
朝風呂に入って朝食をいただいたら、チェックアウトの時間まで余裕があっても、もうゆっくり出来ない質は昔からだ。
泊まりのお仕事の時は、このせいで嫌がられる時もあるけれど、こればかりは性格だからコントロール出来ないみたい。
芦原から加賀の「うるし蔵」までは、北潟湖を北上して小一時間で行ける。
この施設のメインは、彫刻家・籔内佐斗司氏のちょっとシュールで、人間味溢れたオブジェだと思ってる。
でも籔内佐斗司氏は、平城遷都1300年記念事業の「せんとくん」騒動で、あまりにも斜め上方向に有名になっちゃったからなぁ。
氏は全力でパブリックアートに貢献しすぎですよ(笑)。
鳥取の倉吉で、氏の作品である「火伏せ童子と家守」とか、「ひとまちいぬ」に出会った時は、なんだか嬉しくなっちゃたんだけど、そんな気持ちになるパブリックアートって他には滅多にない。
大抵は「なにこれ?意味不明」って感じの近代アートが、ゴロンって転がってる感じだから。
「うるし蔵(現・月うさぎの里)」の、飲食・物販店舗とギャラリーを備えた観光文化施設というユニークな形態は、一重に籔内佐斗司作品の質に成り立っているのではないかと思う。
この施設、現在は氏の名前じゃなく、「うさぎ」を前面に押し出してるみたいだけど、、。
まあこれは、「猫駅長」などという馬鹿げた商業コンセプトが、成立する時代だから仕方ないか。
(それにしても、他の造形作家の展示で「うるし蔵」が成立するとは到底思えない。例えば、岡本太郎のオブジェの側で、コーヒーなんか飲みたくない。あれは、音楽ガンガン流して踊り狂うような場所の内装にしたら良いと思う。)
昔、某ジャーナリストが「何故、舟越桂を現代美術として、籔内佐斗司をそう認めないのか!」と憤慨したらしいが、これは何となく判る。
でも籔内佐斗司氏の作品は、現代美術と評価するには余りにも判りやす過ぎるのだ。
かの村上隆氏が、オタク文化をモチーフにしながら、現代美術になりおおせたのは、それが例え戦略であったとしても、ある種の「表現としての高級感」を身に纏っていたからだと思う。
それとは正反対のベクトルが、籔内佐斗司氏にはある(笑)。
でも実物を見てもらえれば判ると思うけれど、特に氏の木彫作品などに用いられている表現技術は並ではない。
それでも作られた作品が「身近に感じられるすごさ」自体が、氏の作品の値打ちなのだろうと思う。
今度の旅は、本当に休養だけが目的だったけれど、籔内佐斗司氏の判りやすい表現・生き方に出会えて良かったと思う。
この旅では、自宅に戻る前に、長浜の黒壁スクエアに立ち寄って、その際、土曜日に訪れた越前大野との印象の落差に驚いたのだけれど、その話はまたいずれ何処かで、、。
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