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【 旅と温泉グルメ しゃぶれどもしゃぶれども(中部編) 】

13: 岐阜 郡上八幡を経て飛騨高山へ(1)

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 高山には過去に二・三回訪れた経験があるので、今回の小旅行の目的は、途中で立ち寄る郡上八幡と高山の温泉が主になりました。
 この季節、ツーシーターで高速を飛ばしていると、何度もオートバイのツーリングチームに出くわします。
 春たけなわのこんな気候の頃は、オートバイもいいなぁといつも思います。
 (一応、これでも普通二輪免許所持者です。)

 特にサービスエリアでレザーライダースーツのレディとすれ違ったりすると、あああんな格好したいなぁって嫉妬心やら、萌えるものがあったりで、ホントに複雑な気分です(笑)。
 レザーって不思議な生地で、着てる人の「生の体型」を忠実に表に出すものなんですよね。
 それがネック。
 服自体の体型補正が効いているのは最初だけですから。

 郡上八幡は、吉田川を中心に挟みながら小駄良川を従える手のひらに乗るような小さな町で、それだけでアン好みです。
 安養寺そばの駐車場に車を置いたあと、桜間見屋さんで肉桂玉を眺めていたら、チベットの経文のような、あるいは民謡のようなものが店内に流されているのに気づき、吃驚しました。
 耳を澄ますと、この線香臭い旋律にのっかっているのは日本語で、「ああ、もしかしたらこれって!!郡上ぶし?!」。
 そう、アンは奇妙奇天烈な勘違いをしていたのです。
 それ程、アンの中では郡上踊り(盆踊り)に使われる歌の旋律は、チベットあたりの経文を読み上げる旋律に似ていたのでした。
 (多分にこのお店の音源のせいもあると思いますけど。)

 良くわかんないんだけど楽器の最初って、打楽器のような気がするんですよね。
 だから土着の文化から立ち上がって来る民謡のリズムや旋律は、全て「打音」が骨組みになるんじゃないかなって想像しちゃってます。
 その他の共通性で言うと、当然チベットも日本も「同じアジアの血筋」って事もあるだろうし。
 自分の勘違いって、そういう所からじゃないかなって(笑)。

 そんな事を考えながら、次に有名な宗祇水に立ち寄りました。
 宗祇水がたたえられた石の水場の造形を見ていると、水の恵みの豊かさを、この土地の人々がどれだけ深く愛でたのか、それがよく判ります。

 宗祇水袂の清水橋に立って、近くの山間から流れ込んでくる小駄良川の流れの早さと、青空にしばらく見入っていました。
 今は春だけど、きっとこの町は、今以上に『夏休み』が似合うのだろうと思いを馳せました。
 川の音、入道雲、蝉の声、まぶしくて目が開けていられないほどの光の量、そして濃い緑。
 深い水深の川に橋の上から飛び込むランニングシャツの子ども達。
 いいなぁ~。機会があったら、この町の盆踊り、浴衣を着て覗いてみたいな。
 別名「徹夜おどり」といって、夜明けまで踊り明かすんですって、、。
 なんだか、想像してでも、いいですよね。
 踊りで疲れ果てた心と体で迎える、夏の夜が白み始める頃って、、、。



SP 郡上八幡で昼食を取るときは、吉田屋美濃錦さんの「うなぎ」を戴きます。
 宗祇水で判るように、郡上八幡は水なんですね。
 吉田屋美濃錦さんで、うなぎを放つ水は郡上八幡の地下水です。
 うなぎに限らず、魚の類はそれらが生きてる環境がその味を大きく左右しますね。
 郡上八幡のうなぎ、お試しあれ。





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