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【 東南アジアの旅 】
02: ベトナム サイゴン・サイゴン ②骨相学
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部屋でスーツケース類の到着を待つことしばし、ドアのチャイムが鳴りそこに登場したのが「山本譲二」だった。
山本譲二がやくざ役のメイクした顔?がアン達のスーツケースと共に、ドアの前に立っていた。
彼はこのホテルのポーターさんなんだけど、どういうシステムなのか、彼が部屋の設備を荷物運びと共に、達者な日本語で部屋の設備を説明してくれるわけ。
この山本譲二さんの出現をきっかけに、アンはベトナム滞在中の暫くの間、詰まらない事を考え始めたのだ。
それは民族固有の顔立ちってあるのかなーという事だった。
同伴者は「ベトナムの人はみんな、顔がちっちゃくて丸顔で目がくりっとしてるんじゃない。」って言うんだけど、確かにそういう人って多いみたいだけど、この山本譲二は、のっけから例外だもんね。
日本人だってコーカソイドの血が全然混じっていないのに、彫りが深い人もいるし。
で、アオザイのオーダーメイドは、タムちゃんの案内で日本の歌手のUAみたいな感じの小柄なお姉さんと、どこからどう見てもゲイの弟君がやってるお店で(ホントは兄弟なのかどうかもわかんないんだけどね。)ブラウスを二着作る事になった。
この二人の顔がまた、日本にザラにいそうな感じなのね。
(私って東南アジア系の顔なのよねって言う人いるでしょう、そんな顔立ち)
でも体型は、線が細くてスリムっていうか、いかにもベトナムって感じ。
この時点で民族的な身体的特徴は、少なくともベトナムじゃ、顔の造作より身体そのものの方に濃く現れるのではないかって思い始めたの。
、、そう言えばベトナムの人って極端な身体の大小長短肥痩の差を見かけないないんだ。
なーんて下らない事を考えながら、UAとサイズ合わせや生地の見立てとか、ついでに値段の交渉をしてると、この店のお針子さんの視線が、ちらちらとこっちに飛んで来るのが判るのね。
その子って店の片隅でミシンやってるんだけど、外国人が珍しいみたいで、おどおどした感じでこちらを盗み見るわけ、、何というのか、UAもGAY君も大人しい方なんだけど、それでも都会ずれしてて、この二人に比べるとお針子さんは、それこそベトナムのジャングルの合間にある村から昨日ホーチミンに出てきたって感じ。
「あんたさ。そんなに外国人珍しい?外国人ったてこっちは同じアジア人だよ。」でもよく考えたら、明らかな経済力格差のあるお互いの母国を背景にしながら五・六ドルの価格交渉を必死でやってるUAとアンより、彼女の方がずっと普通なんだろうね。
でも本当は、このお針子さんよりずっと気になってたのが、アンの値段交渉を聞きながら、ずっとだんまりを通してるタムちゃんの表情だった。
「あーあ、ふっかけられてるよ。もうちょっと粘んなよ。」っていう表情にも見えるし「私がこの店紹介してんだから、素直に買ってあげなよ。」とも見える。
こっちは幾らボラれても「そっちがその気ならめぐんでやるよ、この貧乏人。」っていう最終的な腹があるから、あんまり強烈な事をしないで、値引きの駆け引きという買い物自体を楽しもうって思ってるんだけど、タムちゃんの顔をみてると、色んな事を考えて疲れて来ちゃうのよね。
で、あっさり、たいした値引きもしないままOKを出しちゃった訳。
ほら、友達同士でトランプゲームやってる時に、誰か一人が抜けて、みんなの手札を知っていながら何にも言わずに隣に座られている時の感じってあるでしょう。
アンは、ゲームよりそっちに気がいっちゃうタイプなのよね、、、ふぅ、疲れた。
夜のディナーは、このタムちゃんが手配してくれた海鮮料理レストランのソングーで取ることにする。
予約だけはタムちゃんにして貰っていたものの、到着後すぐの夜の事だから、タクシーを使っての単独遠出はちょっと冒険かも知れない。
手長エビの身は、みっちり繊維質の肉が詰まりながらも、微妙で淡泊な味、馬鹿でかい蟹も一緒かなぁ。
アサリ(?)の酒蒸しもどきはタレと魚礁の味付けがマッチングして思わず「美味しい」の一言。
アンはこの時、はっきり思った。
ベトナム!!ゴハンだけは、間違いなく美味しい!!
はじめ外人さん一人と、現地の男女二人組という妙なグループと、アン達だけだった部屋にも、続々と客が入ってきた。
驚くなかれ、それが全部日本人なのだ。
まるで日本のレストランで食事してるみたい。
途中で入ってきた民族音楽のバンド(?)も、それを意識してか、日本の曲を演奏し始めるし、、。
ああ、アンも含めて日本人って集団で飛来してきて、田畑をあっというまに食い散らかす蝗集団みたいなんだと、この時改めて思い知ったよ。
でもいくらそれに疑問を感じていても、アンの場合は今更パッカー旅行って訳にはいかないしさ。
なんだか不思議なほろ酔い気分で、店を出ると真っ暗な街の角からビックリするほどのグッドタイミングで赤いタクシーが登場(タムちゃんは赤いタクシーは駄目っていってたんだけど)。
でもほかにタクシーが捕まりそうになかったので、そのままそれに乗っちゃった。
その帰りにレックスホテル前を通過したんだけど、ここは夜になると無目的暴走サークルゾーンになるんだね。
不思議だよ。
周りにこれといった店があって、それを目的に無数のオートバイが集まる訳じゃないんだ。
若い男女や、ヤングファミリーがただただレックス前をぐるぐる回っているのね。
(ちなみに一台のオートバイに最高4人の大人が乗っているのをアンは見た事がある。)
思わず吉幾造の「オラ東京さ行くだ」の歌を思い出しちゃった。
娯楽がTVと「オートバイで走り回るしかねぇ」の世界、、、。
タクシーがホテルについたので「ハウマッチ」ってやったら、運転手のお兄さんはメーターを指さすだけ。
こっちは付いたばかりで、ドンにも両替していないし第一、百円=一万ドンの感覚が未だにつかめない。
タムちゃんが2ドルもあれば充分だよって言っていたのを思い出し、払いすぎだろそりゃと思いながら「ワンダラ?オアツウーダラ?」ってやってる同伴者が出しかけた財布の中身からはみ出した札を見ながら、お兄さんの手がにょきっと伸びて「ツーダラ。」と言いながら札を持っていってしまう。
こっちも無防備すぎるとは思ったけど、何だかむかついちゃった。
同伴者は国内じゃそれなりに小回りの効く人なんだけど、根がいい人だから、こういう場面になると地金がでちゃうんだよね。
まっいいか、運ちゃんさ、今日だけでも良い夢見てよ。
人のいい日本人につけ込んでるとその内、罰あたるよ。
「罰」ってそんなもんなんだよ。
内部告発でバシバシちくられて、今までやってきた悪事がどんどんバレるんだよ。
ああでもこれ、ニッポンの話か。
(それとも「罰」は資本主義や封建主義社会に発生するもので、ドイモイ政策の社会主義国には発生しないのかも、、、。)
ベトナム着の初日の夜、同伴者と明日の簡単な撮影の打ち合わせをしてから、別れて眠る。
シャワーやお湯の量が豊富なのが有り難かった。
遊びに来てまで撮影って、、つまみ食いみたいな仕事だからって話をOKしたアンが悪い。
屑みたいで泡のような仕事。
こんな事じゃ、金にせこいベトナムのオーラをあまり論えないないなぁ、、。
まあいいか、気にせず寝よう。
明日はメコンクルーズと簡単な撮影。
体力をためておこう。
山本譲二がやくざ役のメイクした顔?がアン達のスーツケースと共に、ドアの前に立っていた。
彼はこのホテルのポーターさんなんだけど、どういうシステムなのか、彼が部屋の設備を荷物運びと共に、達者な日本語で部屋の設備を説明してくれるわけ。
この山本譲二さんの出現をきっかけに、アンはベトナム滞在中の暫くの間、詰まらない事を考え始めたのだ。
それは民族固有の顔立ちってあるのかなーという事だった。
同伴者は「ベトナムの人はみんな、顔がちっちゃくて丸顔で目がくりっとしてるんじゃない。」って言うんだけど、確かにそういう人って多いみたいだけど、この山本譲二は、のっけから例外だもんね。
日本人だってコーカソイドの血が全然混じっていないのに、彫りが深い人もいるし。
で、アオザイのオーダーメイドは、タムちゃんの案内で日本の歌手のUAみたいな感じの小柄なお姉さんと、どこからどう見てもゲイの弟君がやってるお店で(ホントは兄弟なのかどうかもわかんないんだけどね。)ブラウスを二着作る事になった。
この二人の顔がまた、日本にザラにいそうな感じなのね。
(私って東南アジア系の顔なのよねって言う人いるでしょう、そんな顔立ち)
でも体型は、線が細くてスリムっていうか、いかにもベトナムって感じ。
この時点で民族的な身体的特徴は、少なくともベトナムじゃ、顔の造作より身体そのものの方に濃く現れるのではないかって思い始めたの。
、、そう言えばベトナムの人って極端な身体の大小長短肥痩の差を見かけないないんだ。
なーんて下らない事を考えながら、UAとサイズ合わせや生地の見立てとか、ついでに値段の交渉をしてると、この店のお針子さんの視線が、ちらちらとこっちに飛んで来るのが判るのね。
その子って店の片隅でミシンやってるんだけど、外国人が珍しいみたいで、おどおどした感じでこちらを盗み見るわけ、、何というのか、UAもGAY君も大人しい方なんだけど、それでも都会ずれしてて、この二人に比べるとお針子さんは、それこそベトナムのジャングルの合間にある村から昨日ホーチミンに出てきたって感じ。
「あんたさ。そんなに外国人珍しい?外国人ったてこっちは同じアジア人だよ。」でもよく考えたら、明らかな経済力格差のあるお互いの母国を背景にしながら五・六ドルの価格交渉を必死でやってるUAとアンより、彼女の方がずっと普通なんだろうね。
でも本当は、このお針子さんよりずっと気になってたのが、アンの値段交渉を聞きながら、ずっとだんまりを通してるタムちゃんの表情だった。
「あーあ、ふっかけられてるよ。もうちょっと粘んなよ。」っていう表情にも見えるし「私がこの店紹介してんだから、素直に買ってあげなよ。」とも見える。
こっちは幾らボラれても「そっちがその気ならめぐんでやるよ、この貧乏人。」っていう最終的な腹があるから、あんまり強烈な事をしないで、値引きの駆け引きという買い物自体を楽しもうって思ってるんだけど、タムちゃんの顔をみてると、色んな事を考えて疲れて来ちゃうのよね。
で、あっさり、たいした値引きもしないままOKを出しちゃった訳。
ほら、友達同士でトランプゲームやってる時に、誰か一人が抜けて、みんなの手札を知っていながら何にも言わずに隣に座られている時の感じってあるでしょう。
アンは、ゲームよりそっちに気がいっちゃうタイプなのよね、、、ふぅ、疲れた。
夜のディナーは、このタムちゃんが手配してくれた海鮮料理レストランのソングーで取ることにする。
予約だけはタムちゃんにして貰っていたものの、到着後すぐの夜の事だから、タクシーを使っての単独遠出はちょっと冒険かも知れない。
手長エビの身は、みっちり繊維質の肉が詰まりながらも、微妙で淡泊な味、馬鹿でかい蟹も一緒かなぁ。
アサリ(?)の酒蒸しもどきはタレと魚礁の味付けがマッチングして思わず「美味しい」の一言。
アンはこの時、はっきり思った。
ベトナム!!ゴハンだけは、間違いなく美味しい!!
はじめ外人さん一人と、現地の男女二人組という妙なグループと、アン達だけだった部屋にも、続々と客が入ってきた。
驚くなかれ、それが全部日本人なのだ。
まるで日本のレストランで食事してるみたい。
途中で入ってきた民族音楽のバンド(?)も、それを意識してか、日本の曲を演奏し始めるし、、。
ああ、アンも含めて日本人って集団で飛来してきて、田畑をあっというまに食い散らかす蝗集団みたいなんだと、この時改めて思い知ったよ。
でもいくらそれに疑問を感じていても、アンの場合は今更パッカー旅行って訳にはいかないしさ。
なんだか不思議なほろ酔い気分で、店を出ると真っ暗な街の角からビックリするほどのグッドタイミングで赤いタクシーが登場(タムちゃんは赤いタクシーは駄目っていってたんだけど)。
でもほかにタクシーが捕まりそうになかったので、そのままそれに乗っちゃった。
その帰りにレックスホテル前を通過したんだけど、ここは夜になると無目的暴走サークルゾーンになるんだね。
不思議だよ。
周りにこれといった店があって、それを目的に無数のオートバイが集まる訳じゃないんだ。
若い男女や、ヤングファミリーがただただレックス前をぐるぐる回っているのね。
(ちなみに一台のオートバイに最高4人の大人が乗っているのをアンは見た事がある。)
思わず吉幾造の「オラ東京さ行くだ」の歌を思い出しちゃった。
娯楽がTVと「オートバイで走り回るしかねぇ」の世界、、、。
タクシーがホテルについたので「ハウマッチ」ってやったら、運転手のお兄さんはメーターを指さすだけ。
こっちは付いたばかりで、ドンにも両替していないし第一、百円=一万ドンの感覚が未だにつかめない。
タムちゃんが2ドルもあれば充分だよって言っていたのを思い出し、払いすぎだろそりゃと思いながら「ワンダラ?オアツウーダラ?」ってやってる同伴者が出しかけた財布の中身からはみ出した札を見ながら、お兄さんの手がにょきっと伸びて「ツーダラ。」と言いながら札を持っていってしまう。
こっちも無防備すぎるとは思ったけど、何だかむかついちゃった。
同伴者は国内じゃそれなりに小回りの効く人なんだけど、根がいい人だから、こういう場面になると地金がでちゃうんだよね。
まっいいか、運ちゃんさ、今日だけでも良い夢見てよ。
人のいい日本人につけ込んでるとその内、罰あたるよ。
「罰」ってそんなもんなんだよ。
内部告発でバシバシちくられて、今までやってきた悪事がどんどんバレるんだよ。
ああでもこれ、ニッポンの話か。
(それとも「罰」は資本主義や封建主義社会に発生するもので、ドイモイ政策の社会主義国には発生しないのかも、、、。)
ベトナム着の初日の夜、同伴者と明日の簡単な撮影の打ち合わせをしてから、別れて眠る。
シャワーやお湯の量が豊富なのが有り難かった。
遊びに来てまで撮影って、、つまみ食いみたいな仕事だからって話をOKしたアンが悪い。
屑みたいで泡のような仕事。
こんな事じゃ、金にせこいベトナムのオーラをあまり論えないないなぁ、、。
まあいいか、気にせず寝よう。
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