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第1章 赤と黒

05: ジュニアの首

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 葛星弾駆は、高さ八十センチ、直径三十センチほどの黒い円筒形のダッフルバックの様なものを肩からかけていた。
 本人自身は軽々と扱っているが、それが地面に降ろされた時の音を聞くと、尋常でない重さである事が判る。
 アレンには葛星の過去の職業の見当がつかなかったが、その身体はプロレスラーに近い日常的な鍛錬によって鍛え上げられたものだと考えていた。
 細身に見える葛星は、その身体に強力な筋力とスタミナを有しているのだ。

 円筒形のショルダーバッグの中身は、赤と黒の鎧を分解したものだった。
 いつもなら鎧は、葛星のバックアップに回るアレンが乗るバンに蜘蛛とともに置かれている。
 葛星とアレンは今回のケースに限り、いつもとは違う行動様式をとっていたのだ。
 今回は、鎧の持つ様々な機能が現場で大いに役立つだろう。

「重そうなバッグだな。何が入っている?」
「見せてやろうか?折り畳み式の棺桶と大砲だよ。」
「ハンッ!下らないジョークだ。それもお前ら薄汚いハンター同士でしか通用しない低級なやつだ。」
 検死官のバージル・ビルビンが険を含めて答えた。
 調べを進めるにあたり、本来なら同じ検死官でも、バージルの様なビニィ担当ではなく、人間担当の検死官に渡りを付けるべきだが、残念な事に葛星には、そういったコネクションはなかった。
 バージル・ビルビンは、科学アカデミーを首席で卒業しながら、自らビニィ専門の検死官を勤めるという変わり種だった。
 そしてどういう訳か、彼はビニィ専門でありながら、葛星達ビニィハンターを毛嫌いしていた。

「ビルビンさんよ。電話で頼んで置いただろう?いい返事を聞かせて貰えるよな?」
 葛星は警察のロビーに行き交う人間達の人目を気にして小声で囁いた。
「管轄が違う。難しいんだよ。」
 バージル・ビルビンがぐずった。
 いつも、取引の値を吊り上げるためにビルビンはわざとぐずって見せるが、今回はどうやら本心のようだ。

「早くしないと、死体自体がなくなる恐れがあるんだ。頼むよ。」
 アレンの調べたところによると、近々キングは自分の息子の死体を、警察本部死体安置室から強引に引き取るつもりでいるらしい。
 死因が不明の死体は、通常、その原因が判明しない限り親族に渡される事はない。
 もちろんジュニアの直接の死因は判り切っているが、彼は現在、身元不明者であり、しかも死因が判らない死体として、警察にある。
 そうしておかなければ、警察もキングも身動きが取れないからだ。
 しかし、キングの肉親としての情は、どうやらその状態に耐えきれないようだった。

「何を言ってる。警察本部の死体保管庫だぞ。それなりの理由がない限り死体が勝手になくなるものか。」
 葛星は今回の状況を、ビルビンに説明するつもりは毛頭ない。

「あんたの女房に、あの事を、ばらしてもいいのか?」
 葛星は、ビルビンの整髪料でべったりと固めた髪の下の耳の穴に、一言一言を、ねじ込むようにして、脅しを掛けた。
 この脅しのネタは、ビルビンとの関係において最後の切り札にと、取って置いたものだが、葛星にとっては今が最後だった。

「あのこととはなんだ?」
「お前さんが、ビニィの死体と月の夜にダンスをするのが趣味だってことさ。たぶん、お前さんの奥方は、こんな詩的な表現はわからないだろうから、もう少し具体的に言う積もりだがね。それで奥方も、あんたという人間が科学アカデミーをトップで出ながら、なぜこんな所で燻っているのか、その理由が判るってもんだ。」
 ビルビンの顔が一瞬にして青ざめた。
 ビルビンのこわばった唇から次の言葉が出る前に、葛星がそれを遮った。

「いいか。何も考えるな。俺はやると言ったら必ずやるし、逆にお前が俺の要求を受け入れれば、絶対にあの事はばらしたりはしない。それでも心配ならこの取引が終わったらお前は俺の口封じの方法を、その出来のいい頭であれこれ考えてもいいし、この状況から上手く逃げ出すことを考えてもいい。しかしそれは、この取引が終わってからだ。いいな。」
 しかし、ビルビンはこれからやろうとする事のリスクと、自分の秘密がばれる事のリスクを懸命に天秤に掛けているようだった。

「世の中には、たくさんの変態野郎がいる。しかし、ただでさえご禁制のビニィと、しかもその死体に突っ込む変態に理解を示す人間は一人もいないぞ。そいつを忘れるな。」
 その言葉でバージル・ビルビンの自我が崩れ落ちた。
「わ、判った。こいつを持っていってくれ。カードだけじゃなくて、他にもいろいろな処理が施してある。保管室にはこれを翳すだけで出入り出来る。今日の当直は私が呼び出してやる。ただし一時間だけだ。」
「呆れた野郎だな。ビニィだけじゃ物足りなくて、人間の死体にまで手を出していたのか?、、まあいいさ。どんな仕事も役得ってものがなけりゃな。ついでにその白衣も貸して貰おうか?」
 葛星は笑いながらビルビンの肩を叩いた。
 バージル・ビルビンの白衣は、消毒液の匂いがした。
 
 葛星が必要としたのは、ジュニアの死体ではなく、彼が纏っていた人工皮膚の方だった。
 しかしその人工皮膚は、死体の遺留品倉庫にないことは、警察のデータベースに忍び込んだアレンの調べで判っている。
 アレンが言うのには、高度に仕上げられた人工皮膚は人体との融合性がきわめて高く、ある一定の装着時間を過ぎると人間の皮膚と融合してしまう可能性があるらしい。
 勿論、医療用の人工皮膚は、その目的で作られているのだから、そのこと自体は不思議な事ではない。
 よんどころのない事情で女装用のスーツ代わりに使った人工皮膚が、永遠に脱げなくなってしまったのはジュニアの不幸というものだ。

 ジュニアがその技術を横流ししたものを身につけているのなら、それは現在、死体と融合して共にあることになる。
 葛星はその人工皮膚の端切れを、死体から掻き取って持ち帰ればいい。
 犯人は少なくともジュニアの性癖を熟知して、このシナリオを書いたのだから、人工皮膚と犯人の間には、なんらかの接点がある筈だった。
 当然、キングが発令した裏依頼の筆頭請負い者である警察も、秘密裏にこの人口皮膚のラインで捜査を進めているだろう。
 いつもなら葛星達は、その警察の情報を横からハックして、事件解決に向けてのショートカットを見つけ出していた筈だ。
 それが、葛星達のような弱小ビニィハンターが生き延びるための常套手段だった。

 しかし今回はそれが出来ない。
 なぜなら、警察も葛星達も、キングによってこの依頼内容自体を、外部に漏洩させてはいけない足枷をはめられているからだ。
 たとえそれがネットワーク上であっても、下手に動いて外部に漏れるような痕跡を残せば、キングにその責任を取らされる。

 要するにキングは、自分が依頼しておきながら常に、「上手くやらなければ許さない」と脅しをかけているのだ。
 警察は、もちろん自らの威信をかけて、この件に関する機密保持と捜査に細心の注意を払いながら事に及んでいるはずだ。
 そして葛星達は、そんな警察の調査に周回遅れの遅れを取っていたとしてもハジけた行為は許されず、甘んじて警察と同じ慎重を絵に書いたような、捜査コースをたどらざるを得ないのだ。
 そして葛星達は、後二ヶ月の間に、警察を出し抜かなくてはならない。


 しかし不思議な事に、それだけ機密性を保たなければいけない筈のジュニアの死体自体に、葛星は簡単に巡り会える事が出来た。
 ビルビンからせしめた照合カードは、なんの混乱もなく、葛星を死体安置室に導いたのだ。
 ビルビンの欲望が、高度なガードシステムを突破する能力をこの偽物の照合カードに与えたのか、それとも、警察自身がセキュリティーレベルを下げているのか?
 警察は、自らの捜査活動の中で、秘密が外部に漏れることを極端におそれてはいるが、例えば葛星達の様な、既にこの秘密を知る者への警戒はまるでないのかも知れない。
 ジュニアの死体に目を付けること自体が、その人間が、事件のある程度の内容を知る事を現しているからだ。

 ある意味で警察は、犯人を先に見つけるのは、自分たちでない方が身動きがとりやすいと考えているのかも知れなかった。
 真実は誰よりも先に知る必要はある、ただし、犯人を挙げるかどうかは、その時のキングの状態による、、警察にはそういう考えもあり得た。
 キングの依頼は、犯人を見つけだし殺害する事にある。
 そこに至る経過は、ジュニアの秘密さえ守れれば余り重要ではない筈だっだ。
 誰が獲物を倒すのかが問題ではなくて、誰が獲物の肉をより多く喰らうか、だった。
 とにかく、この成り行きは、いざとなったら警察署内で鎧を使う覚悟で来た葛星にとっては、肩すかしの状況だった。

 冷蔵保存されたジュニアの首は奇妙に艶めかしかった。
 アレンの予測どおり、ジュニアに融合してしまった人工皮膚は、マネキンの肌の様な質感を持ち、死体ならば土気色している唇も、その使用目的の為、毒々しい程赤かった。

「簡単すぎるな。、、俺は罠に填められているのか。」
 ジュニアの首を、手術用のゴム手袋を填めた手でバスケットボールを持つように眺めながら葛星は呟いた。
 葛星はギロチンによって落とされた首の断面を見た。
 人の肌と人工皮膚がどう融合しているのか見てみたい気持ちになったからだ。
 そこで葛星は奇妙な発見をした。
 特殊処理を施されて、人体標本見本の様な有様になっているその首の断面の一部分が、細い棒を押し当てた様に綺麗にへこんでいるのだ。

「ジュニアはプラグ装着者だったのか、、、。それで首と身体が別々に保管してあるんだな、、、。」
 葛星は急いで首を冷蔵シリンダーに戻すと、今度は胴体を探した。
 胴体は保管庫の一方の壁にびっしり並んだ引き出し状のロッカーに安置してあった。
 (リンダ・ローズマリー)
 それがジュニアに与えられた名前だった。
 葛星はコンソールからその名前を打ち込み、ジュニアの死体が納めてあるロッカーをスライドさせる事に成功した。

 コンソールへの入力そして検索、葛星のこれらの行為は、その行為者の氏名と共に、自動的に警察のコンピュータに記録される。
 違法行為の全てを可能にしているのは、バージル・ビルビンの改造カードだ。
 このリスクの回避のために、ケーブでスタンバイしているアレンがそれを横から削除してくれている筈だった。
 もちろんアクセスネームから突き止められる名前は、バージルがでっち上げた人物のものではあろうが、そこからこちらに手が回らないとも限らないからだ。

 低温で保たれているロッカーと室温との差が、白く重たい霧を生んだ。
 ロッカー内の霧が一通り床に流れ落ちると、ジュニアの死体が現れた。
 その右足の親指の付け根には、アルファベットと数字からなるタグネームが針金で取り付けて有る。
 こうなれば人間といえど荷物みたいなもんだと葛星は思った。
 同時に自分の右脇腹にある入れ墨や背中にある蜘蛛の形の隆起を思った。
 それは記憶をなくした葛星にとっての唯一の手がかりでもあるのだが、記号の羅列は目の前の死体の管理分別には役立つが、生きた人間にとって意味があるものとは思えなかった。


 果たして、表面の形だけは女性化したジュニアの胴体の首の断面にも、同じプラグ装着の跡が見て取れた。
 葛星は肩に背負ったバッグを降ろすと、生皮を剥がれて血塗れになった頭蓋骨の様に見える、フルフェィスのヘルメットを取り出しそれを被つた。
 そして次にパーツ別に分解してある、鎧の腕の部分を右腕に装着した。

 血塗れの頭蓋骨は、ジュニアの死体の首の断面を再びのぞき込む。
 鎧の、表面がびっしり刃で覆われた腕と手、そして指先は、過激な破壊も生み出すが、同時に精巧極まりないマニピュレーターの役割も果たす。
 特にその指先の先端から引き起こされる極微の長刃は、ミクロの単位の操作を可能にする。

 葛星はそうして、ジュニアの体内に奇跡の様にかろうじて残された、プラグコードの極微の一本を引き抜いたのだ。
 警察の科研が精査しおわった後の死体から、一本のプラグコードを探し出すことができたのは、斑文明のでこぼこな科学技術のやり残しと、葛星の被ったヘルメットの機能ゆえである。
 葛星はその目に見えないプラグコードを髑髏の口に含んだ。
 髑髏のヘルメットにはそういったものを保管する機能もあるのだ。
 なぜこの鎧がその様な突拍子もない機能をもつのか、葛星には大体の見当がついていたが、今はその事をあまり深く考えたくなかった。

 一連の作業が終わると、忌まわしげに彼はヘルメットと腕を脱ぎ捨て、バックの中にそれをしまった。
 部屋の中の時計を見るとビルビンと約束したタイムリミットぎりぎりだった。
 葛星は、ロッカーをスライドさせて元に戻す前にジュニアの体表にこびりついた人工皮膚を、小型ナイフで掻き取ると、彼の豊かな女性を形どった身体の中央にある萎びきったペニスを一瞥した。

「なんだか、俺もお前も同類の様に思えてきたぜ。俺の末路も同じようなものかもしれんな、、、、。」
 葛星は、最後に部屋の中の一部始終をモニターしているビデオカメラにウインクをして見せて、部屋を出た。
 このリアルタイムのモニター映像も記録も、ビルビンがなんとかしている筈だった。
 そうでなければ彼の悪行は既にバレているからだ。

 だがもしこの行為を警察に見られ記録されていたとしても、実際には何も起こらないだろうという確信が葛星にはあった。
 やはりこの場面でもこのゲームの特徴がでるはずだ。
 誰が獲物を捕るかは重要ではない、誰が多くの肉を喰うかが重要なのだ。
 そして出来る限り、静かに事を運ぶ、それが大きなポイントだった。

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