事故から始まる物語

maruta

文字の大きさ
上 下
82 / 88

スポーツ祭3

しおりを挟む
 スポーツ祭2日目になった。今日は昨日学年ごとに行われたスポーツ大会のそれぞれの種目上位2クラスが代表として学年関係なしに試合をする。私のクラスは最初3年生と当たり僅差で負けてしまった。詩音は試合が無いめ応援してくれていたらしく試合が終わったら声を掛けてきた。

「優希!お疲れ様!惜しかったね!」

「詩音、勝てそうだったから悔しいよ!」

「だよね、先輩たちはいつかな?」

「確か次の次だね」

「上で応援しよ!」

「うん」

 照先輩たちは3年生と当たることになっていて今は1年生と2年生のクラスが試合をしていたが経験者のいる1年生クラスの方が強くあっという間に試合は終わってしまった。

「やっぱり経験者居ると強いね~」

「そうだね、それだけ本気なんだね~」

「あれ、2年生とかからもズルって言われるのかな?」

「どうだろ、言われないって事は無いと思うけどね」

「だよね~」

 そんな話をしていると照先輩たちの試合が始まって照先輩たちのクラスはみんなで楽しくやっている感じがするのに強くて凄いなと思いながら応援していた。結果は圧勝という訳ではないが危なげなく勝っていた。
 次は総当たり戦で3年生と2年生、3年生と1年生、1年生と2年生と言う順番で試合をする事になって、照先輩も1年生クラスも3年生クラスに勝ち実質の決勝戦が行われようとしていた。

「先輩たちのクラス強いね!」

「ね!チームの人も楽しそうでいいよね!」

「経験者3人にどれくらいやれるのかな?」

「先輩たちならいい勝負しそうだよね」

「そうだね、今まであの1年生クラスが圧勝みたいな雰囲気あるからね~」

「まぁ、照先輩なら勝てなくても楽しもうって言ってそうだよね」

「いや、やるからには全力って言ってるんじゃない?」

「あ~、そうかも~」

 照先輩が言ったのか言ってないのかは分からないが詩音と勝手に言ってそうと話していると試合が始まった。経験者なのでまずサーブが強いのだがテニスの全国優勝した人が上手く拾ってボールの落ちる所に飛鳥先輩が入り照先輩がネット前に助走をつけて入っていた。

「普通に上手い!」

 横で詩音がそう言っていて私もそう思っていた。このまま照先輩が打とうとしているので1年生クラスの経験者2人がブロックに入り、もう1人がその後ろで待っていた。ブロックか照先輩は身長があるので上から打っても後ろの人に拾われるかなと思っていると、飛鳥先輩がダイレクトで相手コートに落としてボールは地面を転がっていた。

「えー!!飛鳥先輩!!」

「飛鳥先輩、上手い!!」

「てか、学校行事のレベルじゃない!!」

 私がそう言うと詩音が笑って同意していた。先輩のクラスは運動部ではなさそうな人がサーブを打ってネットギリギリだったが相手コートに入っていた。1年生クラスのネット前は初心者の子だったのでボールに触りはしたものの上に飛ばず横に飛んで行っていた。横に飛ばしてしまった子は謝っていたが経験者の子は嫌な顔をしていて、初心者の3人との空気はあんまり良くないのかなと思った。先輩のクラスも照先輩とテニスの人を除けば、飛鳥先輩も含めて運動をする感じの人ではなかったが楽しそうにしていた。そう思いながら見ていると詩音が話しかけてきた。

「先輩たちのクラスはみんな楽しそうだね!」

「うん、照先輩とテニス上手い人しか運動自体してなさそうだよね。」

「ね、飛鳥先輩は普通に上手かったけど他の3人の人は普段運動する感じではなさそう」

「学校行事でも運動苦手な人はこういうの嫌だもんね」

「そうだね、でも照先輩もそうだけどテニス上手い先輩も点になって無くてもボール触るだけで『ナイス!』って声掛けてていいよね」

「分かる!さっきサーブミスして相手の点にしてた時も照先輩たち『ナイス!』って言いながら笑ってたもんね!」

 細かな所で士気の差が出るのかなと思うような試合内容になって行き、結局1年生クラスは先輩たちのクラスに負けていた。試合が終わってみると照先輩やテニスが上手い先輩が目立つ部分が多かったが全体的に安定していた気がした。
 試合の終わった先輩たちを見るとクラスメイト?に囲まれていて照先輩はチームメンバーの人に抱き着かれていた。飛鳥先輩が嫌がるのではと思ったが抱き着いていた人が飛鳥先輩に近付いて何か耳打ちしているような動作をして飛鳥先輩が驚いた顔をしていた。
 そうしてスポーツ大会2日目のバレー部門は照先輩たちのクラスが優勝した。
しおりを挟む

処理中です...