事故から始まる物語

maruta

文字の大きさ
上 下
68 / 88

閑話 逃げる先輩

しおりを挟む
 最近、同じ学年の男子に告白?をされている。どこに行ってもやって来るし何度断ってもヘラヘラとしていて正直ウザかった。どんどんウザさが上がっていきこのままだと飛鳥にも迷惑が掛かりそうだなと思い授業もサボって校内を逃げていた。 
 一応、飛鳥に理由の連絡だけ入れて昼も行けないから後輩たちに伝えてもらうように頼んだ。何事もなく昼も終わり午後の授業も午前中サボった場所に居ようと向かうと付き纏って来る男子が居た。
 ウザさとキモさを掛け合わせたやつで話にもならないとその場を離れた。どうせ付いて来ると思ったがキモ男は付いて来なかった。やっと諦めたかと思い、他にサボる場所も無いのでさっきの場所に戻るとキモ男は優希を壁に押さえ付けるようにしてヘラヘラとキモイ顔をしていた。なんで優希が居るんだ?と思ったが優希の顔が恐怖で泣いている様に見えて頭に血が上り気付いたらキモ男の顔面を横から殴っていた。
 キモ男を討伐して震える優希を抱えて空き教室に入り声を掛けると泣き始めた。どうすればいいのな分からずとりあえず頭を撫でて落ち着かせると謝りながら離れた。見るからに疲れた顔をしていたので飛鳥がよく落ち着くと言っている足の間に座らせて優希に3分目を閉じろと言うと1分くらいで寝息を立て始めた。
 飛鳥に連絡をすると授業中のはずなのに飛んでやってきた。

「照!優希ちゃんは!?」

「しぃー!!」

 叫びながら入って来る飛鳥に静かにするように言うと口元を押さえたが私の方を見て睨んできた。

「照、その状態は何?」

「何って?」

「近いし!なんで照の足の間で優希ちゃんが寝てるの!?」

「え、飛鳥がここが1番落ち着くって言ってたからやったんだけど?」

「なんでそうなるの!?」

 飛鳥が何かに怒っているみたいだったが近いのは近いと思うが巻き込んで怖がらせてしまったのだし今回は見逃して欲しかった。

「キモ男が優希に手を出そうとしてた」

「それはさっき聞いたよ」

「声が出せないくらい恐怖で震えてた」

「・・・」

「巻き込んでしまった」

「はぁー、分かったよ。今回だけね!もうそれ他人にやったらダメだからね!」

「うん、ありがとう」

「とりあえず、飲み物買って来るね」

 そう言って飛鳥は飲み物を買いに行き私は詩音に連絡を入れて授業が終わり次第来るように言った。飛鳥が戻ってきて話をしていると優希が起きて飛鳥が居ることに驚いていた。落ち着いているみたいだが、思い出されてもと思いふざけた事を言っていたが無視されてしまった。詩音が来て優希は自分で状況を説明していたので大丈夫かな?と思い、巻き込んだ事を謝って飛鳥とその場を離れた。

「優希ちゃんのトラウマになってないといいね」

「そうやな」

「照も気を付けてよね」

「何に?」

「詩音ちゃんも言ってたけど男性に力では勝てないんだからね」

「分かってるよ。飛鳥を守るくらいはするよ」

「そうじゃない!」

「あははは!冗談冗談!」

 そんな話をしながら教室に戻って担任にさっきの話をして動画もあると見せた。流石に優希の動画があるとはハッタリを言ったが他の付き纏って来るキモイ言動はしっかり撮っており、数日後にキモ男は退学になった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

勇者とプレイヤー

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

【完結】失くし物屋の付喪神たち 京都に集う「物」の想い

キャラ文芸 / 完結 24h.ポイント:106pt お気に入り:7

ちゃんとイスラエルに「君、それはおかしいやろ」って突っ込め !

エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

妻と浮気と調査と葛藤

現代文学 / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:5

卸商が異世界で密貿易をしています。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:184

処理中です...