事故から始まる物語

説教

　照先輩に抱き寄せられて泣いていると最後の授業が始まるチャイムか鳴った。初めて授業をサボってしまったと考えながら落ち着いてきたので照先輩から離れて、声を掛けた。

「照先輩、あの、ごめんなさい。」

「いいよ、何も言わんで。それよりここに座ってあっち向いて」

　そう言って照先輩の足の間に座って背中を照先輩に預けるように言ってきた。訳が分からず戸惑っていると腰あたりを持たれて引っ張られた。

「はよこい！」

「な、なんでですか！？」

「いいから！寄りかかって！」

「て、照先輩！？」

　照先輩に寄りかかるように肩を引かれて背中に照先輩の胸が当たっていた。何がしたいのか全く分からなくて離れようとするがそのまま目元を手で覆われて視界が真っ暗になった。

「はいはい、暴れんなって」

「何も見えないんですけど！？何がしたいんですか！？」

「いいから、静かに！この状態で3分な」

「えぇ？」

　そう言われて真っ暗な状態で3分黙る事にした。すると、周りから話し声が聞こえて来て目を開けると飛鳥先輩がいた。

　優希「え？飛鳥先輩？あれ？」

　飛鳥「あ、優希ちゃん起きた？おはよう」

　優希「え？私、寝て？」

　照「睡眠マジック～・・・痛っ！」

　飛鳥「何言ってるの！」

　私はいつの間にか寝ていたみたいで照先輩がふざけていて飛鳥先輩が怒っていた。状況がよく分からないがとりあえず照先輩から離れて時間を見るともう少しで授業が終わる時間だった。

　飛鳥「飲み物とか持ってきたから優希ちゃんも飲んでね」

　優希「ありがとうございます。あの、まだ授業中ですよね？」

　照「いえす！The・サボり！」

　飛鳥「詩音ちゃんも授業が終わったら来ると思うから」

　優希「っ！！そう、ですか・・・」

　詩音が来ると聞いてさっきの話さないといけないけど話したくないなと思っていた。

　飛鳥「私はある程度、照から聞いたけど言いづらいだろうし、私から話そうか？」

　優希「いえ、自分で話します」

　飛鳥「うん、知らないってのが1番傷付くからね」

　優希「はい・・・」

　そんな話をしていると授業が終わるチャイムが鳴って5分くらいしたら詩音が息を切らしながらやって来た。

「優希！大丈夫！？何があったの！？」

「だ、大丈夫、だけど・・・」

「え？どうしたの？」

「その、照先輩を見掛けたから様子を見ようと付いて行ったら、その、知らない男の先輩に・・・お、襲われそうになって・・・」

「っ！？」

「照先輩が助けてくれたんだけど、その、ごめんね、ごめ」

　詩音は心配してくれたが私があった事を言うと驚いた顔をして直ぐに怒った顔をしていた。私は思い出すと恐怖で泣きそうになった。

「飛鳥先輩が昼に近付かない方がいいって言ってたじゃん！聞いてたよね！」

「・・・うん」

「なんで近付いたの！内容とかは言ってなかったけど危ないって言ってたよね！」

「うん」

「照先輩が助けてくれなかったらどうしてたの！男の人に力だけで勝てる訳ないんだよ！？」

「うん、ごめん。ごめんなさい。」

　そう言うと詩音は私に抱き着いてきて私は泣くのを我慢してたが泣いてしまった。詩音がそのまま言う。

「良かった！無事で良かった！」

「ご、ごめん、ごめんね、詩音」

　私と詩音が話し終えて、照先輩と飛鳥先輩が声を掛けてきた。

　飛鳥「ごめんね、ちゃんと言っとけば良かったね。」

　照「ごめんな、巻き込んで」

　詩音「いえ、先輩たちは悪くないです。優希を助けてくれてありがとうございます。」

　照「それはいいよ。まぁ、あいつみたいなのは結構居るから気を付けなよ」

　優希「はい」

　そう言うと照先輩と飛鳥先輩は教室を出ていった。もうHRも終わる頃で部活の時間になるため詩音と戻ろうと言い帰りに話そうと言った。