事故から始まる物語

maruta

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押してダメなら

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 この学校の体育館は2階建てになっていて1階に倉庫がある。倉庫だけでも3つほどあるが運動部が使う倉庫は1つだけの為、基本どこの倉庫かは決まっていた。道具を持って倉庫に入りそれぞれの場所に片付けていると誰かが倉庫に入ってきた。誰が来たのか入口の方を見ると舞の姿があった。

「・・・何か用?」

「昨日の続きを話に来ました。」

「・・・断ったから話す事なんて無いよ。」

「押してダメなら押して行けって言うのが我が家の教訓なので!」

「・・・迷惑な教訓だね。」

「とりあえず、昨日言っていたので自己紹介しますね!真田 舞、16歳、9/19生まれ、家族は父/母/兄、好きな食べ物はグラタン、嫌いな食べ物はピクルス、好きな音楽はJ-POP、好きなタイプは優希さん、嫌いなタイプはチャラい人です!どうですか!」

「・・・え?なんで急に自己紹介するの?」

「昨日、私の事を全然知らないからと言っていたので!」

「いや、そういう意味じゃないんだけど。それに知ったとしても無理だって言ったよね?」

「同性同士だからですよね!そこはどうしようもないので、好きになってもらえば何とかなるかなと!!好きな人がたまたま同性だったって言うだけですからね!」

「うん?全然なんとかならないと思うよ?何にも解決してないよ!?」

「なので、優希さん・・・いや、優希ちゃん!付き合ってください!!」

「いや、何が『なので』なの!?別に呼び方は好きにしてくれていいけど、付き合わないよ?」

「まだダメですか!!私の事は舞って呼んでくださいね!舞ちゃんでもいいですよ!!」

「うん、舞でいいよ。まだも何もずっと断ってるよ。」

「ガードが硬いですね。『うーん。キスでもすれば少しは緩みますかね・・・』」

「いや、緩まないから!てか、聞こえてるから!何しようとしてんの!?」

「よしっ!」

 そう言って入口にいた舞がどんどんと近付いて来る。避ける為に近くにあったボール入れを使って近付かれないようにしていたが、そんなに動かす事が出来ない広さだった為一瞬タイミングがズレた時に服を掴まれてしまった。身長差があるため立っていたら特に何もされる事はないと思っていると、首を捕まれて頭が下の方へ下がりやばいと思った時、倉庫の扉が開いて私も舞もびっくりしてその拍子に離れた。倉庫の入口を見るとそこに居たのは照先輩だった。

「・・・・・・なにしてんの?」

「あ、いや、その・・・片付けをしてました。」

「あ、そーなん?てか、さっき1年マネージャー呼んどったけど行かんでいいん?」

「えっ!?本当ですか!?すみません!ありがとうございます!」

 そう言って舞は倉庫を飛び出して2階の方へと走って行った。倉庫には私と照先輩だけが居て照先輩は苦笑いをしながら私に話しかけてきた。

「優希も大変やな」

「え??」

「いや、外まで聞こえててん」

「!?、え、聞こえていたんですか!?」

「たまたまな、飛鳥にビブスなおすように頼まれたけん倉庫来たらなんか聞こえてな、どういう流れやったんか知らんけど助けた方がいいかな思ったんやけどいらんかった?」

「いや、助かりました。ありがとうございます。」

「いいよいいよ。今回たまたま来たから良かったけどまた来た時は自分で何とかせんとな。」

「・・・そうですね。」

 そんな話をしながら道具の片付けをした。場所を把握している照先輩も手伝ってくれたので早く終わった。
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