上 下
30 / 47

第29話 運命の日(1)

しおりを挟む


『司令!』

 突然、リョウの近くに持ち場のあった一人の士官が血相を変えて後ろを振り返り大声を上げた。

『何事だ、マリガン中尉』
『非常事態です。ヘインズ基地から巡航ミサイルが3発発射されました。弾道分析によると、着弾地は同基地から南に10キロメートルの都市、バーネット市の中心部であります!』

 その声に、司令室全体に一気に緊張が走った。あちらこちらで指示が飛び、兵士たちが持ち場のコンソールに向かってせわしなく動き出す。

『何だと?』

 司令と呼ばれた将官は、クラーク中将だった。リョウも、自分の研究のプレゼンテーションで直接話したことが何度かあった。すでに60近い年齢だったが、いかにも百戦錬磨の兵士といった趣で、かつ司令官としても有能な人物だった。

 彼は一瞬虚を突かれたようだったが、すぐに自分を取り戻し即座に指示を飛ばす。

『すぐにヘインズ基地に連絡して、ミサイルを自爆させろと伝えろ』
『了解であります』
『バーンズ少尉、こちらの迎撃ミサイルは間に合うか?』
『だめです。もう着弾まで40秒しかありません……』
『くっ、早すぎる……』

 長距離を飛んでくる他国からのミサイルなら、発射を探知してから着弾までに時間の余裕があるため、様々な対抗策を取ることができる。しかし、自国内の、しかも近隣から発射されたミサイルは短時間で着弾するため、対応が限られることになるのだ。

『だめです。ヘインズ基地は応答しません』
『バーネット市に知らせろ』
『先ほどからやっていますが、市庁舎も警察・消防も連絡が取れません』
『一体どうなっとるんだ……。衛星映像をスクリーンに出せ。バーネットに向けろ』
『了解しました』

 正面のスクリーンが切り替わり、上空から見た大きな都市が映された。
 日光の加減から見て、まだ朝早い時間のようだ。
 無数の高層ビルが、日に照らされて美しい。この距離からははっきり見えないが、かなりの交通量と思われた。

『まさか本当に……』

 連絡は取れなかったが、ヘインズ基地もミサイルの誤射に気がついているはずだ。今頃、着弾させないように必死になっているだろう。しかし、もし、いずれの措置も効果がなかったら……。兵士たちはスクリーンを見入っていた。

『着弾10秒前』
『まだ、自爆する様子はないのか?』
『ありません。対空砲などによる撃墜も行われていないようです』
『何をやっておるのだ……』
『着弾まで4秒、3、2、1……』

 そして、兵士のゼロという声が聞こえるの同時に、スクリーン上部からものすごい速さで落ちてくる三つの小さな影が映り、そして、それが地面にぶつかった瞬間、巨大な爆発が立て続けに三つ起こった。あまりのまぶしさに、手をかざす兵士たち。リョウも、まぶしくてスクリーンから目をそらした。
 そして、再びスクリーンを見たとき、映っていたのは街全体を覆う、もうもうと立ち込める煙だった。やがて、その煙が徐々に拡散し、街の様子が見えてくる。
 そこに映し出されたのは、あのロザリアの記憶で見た焼け野原と同じような惨状だった。爆発の中心部では全ての建築物が吹き飛び、巨大なクレーターしかなく、その周囲も爆風の影響か、ほとんどの建物が全壊から半壊の状態だった。そして、あちらこちらで火の手が上がっている。

『何ということだ……』

 クラークがスクリーンを見てつぶやいた。

 しばらくの間、司令室の兵士たちは言葉を失って、ただスクリーンの惨状を凝視していた。重い静寂が司令室を覆う。味方の基地が、あろうことか自国の都市にミサイルを撃ち込んでしまったのだ。死傷者はおそらく何万人、いや、もしかすると何十万人にも達するかもしれない。偶発的な誤射というにはあまりにも甚大な損害である。
 だが、そんな沈黙も、別の兵士の報告によって破られた。

『し、司令! た、大変であります……』
『落ち着け、中尉。何事だ?』
『は、はい。こ、今度はギ、ギルバード基地が、ミサイルを2発発射しました。着弾地はレディング市であります』
『何……だと?』

 クラークが、今言われた情報をなんとか理解しようとする前に、別の兵士が叫んだ。

『司令、さらに別のミサイルを確認しました。サウスエンド基地からミサイル発射、着弾地はハートフォード市であります』

 そして、このような報告はこれだけにとどまらなかった。すぐに、次から次へと味方基地から自国都市への攻撃が報告されたのである。

『なんだというのだ。みんな狂ってしまったのか。マリガン中尉、どこにでもいいから連絡を取って、現状を把握しろ!』
『だめです。先ほどから、ありとあらゆる機関に連絡を取ろうとしていますが、一つもつながりません。統合作戦司令本部も、首相官邸も全て連絡不能です』
『一体どうなってるのだ、どいつもこいつも』

 クラークは怒り狂った。

『発射された中で、こちらから撃ち落せるミサイルがないか確認しろ。一発でも着弾する数を減らすのだ』
『りょ、了解です』

 だが、本当の驚愕は次の瞬間に訪れた。

 何かがこの基地から発射されるような地響きがしたのだ。

『今度は何だ!』
『し、司令っ、4番サイロより、ミサイルが発射されました!』
『何だと? 誰も発射命令などだしておらんぞ』
『違います、ミサイルの発射シークエンスが勝手に始動したのであります』
『くっ、どこに向かった?』
『コース設定値確認中。出ました、こ、これは……、目標はケント市の中心部であります』

(ケント……)

 ケント市は、この基地から60キロほど離れた商業観光都市である。リョウも、非番の日には友人たちと、そしてカレンとも出かけたことが何度かあった。
 そして、それはまた……。

『ちょっといいかしら』

 急にリズの声が脳裏に響いてきた。

『どうした?』
『ケント市はロザリアのロックフォード研究所があったところよ』
『何だと? ということは、もしかして、今のが俺がロザリアの記憶で見たミサイルだったってことか……?』
『ミサイルの種類と、着弾時刻から計算するとそうなるわね』
『そうか……』

 彼女の記憶の中で見たミサイル攻撃はこのようにして行われたのだ。
 それは、無論、先程発見したバックドアを通じて何者かに仕組まれたことである。

 スクリーンにはいまこの基地から発射されたばかりのミサイルが映っている。
 リョウは複雑な思いでそれを見つめた。


『直ちにミサイルを自爆させろ! 何としても着弾させてはならん』

 クラークが必死の形相で叫ぶ。

『だめです、こちらのコマンドに反応しません。ガイダンス・システムによるコース変更も受け付けません。完全に制御不可能です。着弾まで2分』
『対空砲で撃ち落せ』
『す、すでに圏外であります』
『クッ』
『ケント市も周辺都市も一切連絡が取れません。全方位全チャンネル、すべてにおいてコンタクト不能。当基地は完全に孤立状態であります!』

『なんということだ……』

 クラークが頭を抱えた。そして、何かを悟ったかのように頭を上げ、一人つぶやいた。

『そうか……、これが他の基地でも起こっているのだな……』

 最初にミサイルを発射したヘインズ基地も、その他の基地も、みな同じように連絡も取れず孤立したまま、いきなりミサイルを発射してしまい、これ以上の惨事を防ぐため懸命に戦っているのだろう。それならこの状態も理解できる。
 
 そこで、リョウは気づいた。

(そうか……。バックドアが仕掛けられたのはこの基地だけじゃなかったんだ)

 それならこの惨状も理解できる。ただ、それが事実なら、ただのハッカーの仕業とは思えない。あまりにも損害が大きく、規模が大掛かりすぎる。

(考えられるのは、他国によるサイバー攻撃か……)
(それなら一理ある。報復される恐れはないからな)

 表向きは、単なる同士討ちである。仕掛けた国に被害が及ぶ恐れがない。言ってみれば、もっとも効率の良い戦争手段である。
 ただ、それでもこの基地が一万年も放置される原因にはならない。
 これだけではない何かがあったはずだ。

(うーん、今ひとつ釈然としないな……)

 だが、リョウには、そしてクラークにも感慨に浸る暇はなかった。
 士官の1人が声を上げたのだ。

『別の発射シークエンスが開始されました! こ、今度は第1番から第3番サイロです。制御不能。止められません!』
『ええい。ミサイル管制コンピューターをシャットダウンしろ。そして、バックアップに切り替えろ』
『無理です、一切反応しません。こちらのコマンドが完全にロックアウトされています』
『くっ。一体どうなってしまったというのだ……』

 事態はさらに悪化していく。

『司令、ヘインズ基地から新たにミサイル発射を確認。3発です』
『目標はどこだ?』
『目標は……、と、当基地であります! 到着まで1分45秒』
『都市を狙っているのかと思えば、今度は軍事基地か。空襲警報を鳴らせ。シールドを張れ。対空砲準備』
『了解。シールド起動。直ちに迎撃準備に入ります』
『司令! ヘインズ基地は、応答しません』

 別の兵士が、声を上げる。

『だろうな。構わん、向こうは当てにするな。こちらだけで処理するぞ』
『大変です! 新たに5発のミサイルがこちらに向かってます。着弾までおよそ2分。しかも、今度は、ウォーリック基地からです!』
『さらに、セントルース基地より、3発の巡行ミサイル。こちらに向かってきます。着弾まで、2分20秒』
『……どうやら我らは他の基地から嫌われていたらしいな』

 クラークはやはり肝っ玉の座った指揮官らしく、クスリとも笑わず冗談を飛ばしながら、近くのコンソールからマイクを掴み取った。

『司令官より、全兵士に告ぐ。総員第一級戦闘配置につけ。当基地はミサイル攻撃を受けている。非戦闘員については、地下シェルターに避難せよ。これは訓練ではない。繰り返す。これは訓練ではない』

 そして、マイクを元に戻して、声を張り上げた。

『統合作戦司令本部とは繋がったか?』
『ダメです。さっきから呼びかけていますが、司令本部も応答ありません』
『かまわん、出るまで呼び続けろ』
『ミサイル第一波、間もなくこちらに着弾します』
『対空砲の発射準備はできているか』
『対空砲発射準備よし』
『射程圏内に入ったら一斉に撃て』
『対空砲各員、射程内に入ったら一斉に撃て』

 士官の一人が、マイクに向かって、司令の命令を伝える。

『間もなく射程内に入ります』
『スクリーンに出せ』

 すぐさま正面の巨大なスクリーンに映像が映し出される。そこには飛行中の3発のミサイルが映っていた。

『射程内に入りました。各員対空射撃開始』

 その言葉と時をほぼ同じくして、スクリーンに対空砲のレーザー光らしき光がいくつもの線状に流れて行く。
 すぐに一つのミサイルをレーザーが貫き、爆発するのが見えた。
 そして、さらにもう一つも撃ち落とされる。だが、最後のミサイルにはなかなか命中しない。
 息詰まる時間が流れる。
 ようやく、レーザーの一条の光が、ミサイルの垂直尾翼に命中し根元から吹き飛ばした。だが、命中した箇所から煙が出るだけで爆発はしない。しかも、尾翼がなくなったため、飛行が不安定になり、ぐねぐねといびつな曲線を描いて飛び始めた。その、ランダムな弾道についていけず、対空レーザーは、全く的外れなところを通過していく。
 そして、基地の建物に直撃した。低い爆発音と振動が司令室に伝わってくる。

『損害を報告せよ。今のミサイルはどこに落ちた?』
『居住棟です。4階と5階が衝撃により吹き飛びました。3階は崩落の危険あり。2階以下は軽微な損傷のみです』

 スクリーンが切り替わり、居住棟を遠くから撮影した映像が映し出される。それを見た瞬間、リョウが息を呑んだ。

「こ、これは……」
「どうした?」

 怪訝な顔でキースが話しかけてくる。だが、すぐに気がついたように、うなずいた。

「そうか、お前の部屋は居住棟の3階だったな」
「あ、ああ」

 遠くから映された映像であるため、はっきりとは見えないが、リョウは、あの日の自分がいるはずの3階を食い入るように見つめていた。
 報告通り4階と5階が吹き飛んでしまっており、3階も天井が吹き飛んで、室内が晒されているようだ。

 建物が半壊したとはいえ、大都市を壊滅に追い込むようなミサイルが直撃したのである。シールドのおかげでこの程度で済んだのだ。

 そしてまた

(このせいで一万年の眠りについたってことか……)

 今、リョウは初めて、自分がこうなった理由の一端を知った思いだった。


『ミサイル第2波、第3波、対空砲射程圏内に入りました』
『対空砲各員、撃ち方始め!』

 クラークが叫ぶと、兵士がマイクに向かって、その命令を伝える。

『対空砲各員、撃ち方始め!』

 それを合図に、何条ものレーザー光線がミサイルに向かって飛んで行く。
 今度は、先ほどと違って、飛来してきた8発のミサイルを全て撃墜することができた。次々とミサイルが撃ち落とされる様子が映されていた。

 スクリーン上で、最後の一発が爆発したのを見て、クラークがほっと一息ついた。
 だが、この日のクラークに休息を得る暇はなかった。

『司令、大変です。こ、これをご覧ください』

 兵士の一人が叫びながら、コンソールをたたく。その声には、何か強い緊張と恐怖が感じられる。


 正面の巨大スクリーンに映し出されたもの。それは、ここまでの悲劇がまるで序章でしかなかったと思わせるほど、まさにこの世の終わりを示していた。



しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

戦場に跳ねる兎

瀧川蓮
ファンタジー
「ママ……私はあと……どれだけ殺せばいいの……?」 科学と魔法が混在する世界で覇権を狙うネルドラ帝国。特殊任務を専門に担う帝国の暗部、特殊魔導戦団シャーレ、最強と呼ばれる『鮮血』部隊を率いる15歳の少女リザ・ルミナスは、殺戮の日々に嫌気がさし戦場から行方をくらました。そんな彼女に手を差し伸べたのが、世界一の戦上手と評される兎獣人(アルミラージュ)のレイナだった。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

敗北した女神と普通の少年

mimiaizu
恋愛
 神々が人類を支配していた世界。その世界で人類は神々に反逆を起こし、ついに最後の女神も敗れた。敗れた女神は一人の少年に救われて共に暮らし始める。その生活の中で、何故神が人間たちに負けたのか、いかに神々が愚かだったのかを知る。これは、一人の落ちぶれた女神が純粋な少年と出会って優しい心を持つ物語。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...