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ウソカマコトカ(4/9)
しおりを挟む「いえ、大丈夫です。ほぼ予定通りなんで」
家、退場部です?
保母ヨティドゥーリ南伝?
「……は?」
神代の方を向こうと力を入れると、首から上は、まだ少しだけ動かすことが出来た。
「大丈夫です。首から上だけ残して、あとは動かなくて正解です。そうなるような薬を選んだので……」
神代は淡々と言った。
「……へ? あの……、大丈夫って、何が?」
意味が分からない。
「俺が渡した薬を先輩が全て飲み干して、予定通り、声は残して、身体が動かない状態が、です」
ああ、そうなんですね、とはいくまい。
しばらく、回らない脳みそをフル回転させる。
天井を見上げると、部屋ごとぐるぐると回転する気がした。
それでもまだ、早く救急車呼んで下さあい!と、頭の中で叫んで駆け回る自分がいる。
しばらくしてようやく、この状況が神代の仕業であるらしいことを、俺は飲み込んだ。
あの時の、二日酔いドリンク、なのか……?
「予定通りで大丈夫」とは、それを予定していた奴の、大丈夫である。俺にとっての大丈夫を聞かせてくれ、と思った。
しかし、だとすると。
次々と新たな疑問が浮上する。
何の、ために?
やはり、こいつは俺の生き血をすするつもりなのか。いやそれは俺の妄想で、こいつはただの医学部生ではなかったか。
医学部生……医学部生……。
大急ぎで、ついさっきまでの会話をさかのぼる。
優しい声が響く。
もうホントいい加減にしとかないと。
酒も、煙草も。身体のために。
失恋したくらいで、死にたいって言うからじゃないですか。
どうせ死ぬんだから、放っておけばいいんですよ。
生ゴミの日の前日か、解剖学研究室の奥の浴槽でお願いします。あそこいつも検体大募集してるんで。
まずい。
まずいぞ。
「あの、お前さ……。切り刻むのは、死んだ後って、言ってなかった、っけ……?」
混乱して口走る。何の確認だ。
いや、違う。
違うぞ……と、あの一言を思い出す。
生きてる身体を切り刻むのはいいけど、死体は吐きそうになるんで……だったか。
切り刻むのは、いいけど……?
それすなわち、切り刻むのは、気持ちがいいけど……?
生きてる先輩を切り刻むのは、気持ちがいいけど……。
そういう事で、宜しいでしょうか?
聞きたいけど、聞いたら終わる。
そうか。
なるほど……。
ーー最悪だ。
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