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エルフの過去

10話 落ちこぼれエルフ

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 「フハハハハハァァ!!!」

 私は今、成長期真っ只中だ。前世と違って、恐ろしい程の成長を遂げている、主におムネが。

 どれくらいかと言うと、階段を上る度にゆっさゆっさと揺れるくらいだ。前世死ぬ前は14歳でぺたんこのまな板だった。それに対し、今は同年で推定すぃーカップはある。大人になれば、Fは堅い!

 「遂に私の時代が来たぞぉぉぉ!」

 ーーーそう喜んだのも束の間。

 エルフは男も女もスレンダーなのが普通らしい。前世の勝手なイメージで、エルフ=巨乳だと思ってたんだけど、ぜんぜん違うみたい。

 まぁ、よく考えてみたらそうだよね。だってベジタリアンがタンパク質摂るのって、けっこう難しいもんね?この世界で、プロテインのサプリなんて無さそうだし。普通のエルフは、筋肉とかお胸とかが育ちにくい食生活なんだわ。

 悪食の私は、めっちゃ肉食べてたからなぁ。タンパク質豊富なササミとかムネ肉を好んで食べてた。だって1番腹持ちが良かったんだもん。この胸の成長は食べ物のおかげである。

 私的には無いよりアル方が良かったんだけどさ、エルフ的にはナシだったみたい。エルフは風の民とも言われてて俊敏で凄く素早いはずなのに、私は胸が邪魔で全然早く動けなかった。

 どうやらエルフの食性は理にかなっていたみたい。他の同年代の子達は、風のようにビュンビュン音を切って走るのに、私は普通の人間よりちょっと速いかな?って思えるくらいしか走れなかった。大婆さまにもあんたトロいねって言われてしまったし。

 なんか周りと違うせいでどんどん恥ずかしくなっちゃって、胸のお肉をわかりにくくする為に、あえてダボっとした服を着るようにしてた。

 それがいけなかったのか、こないだポルチーニに「のろまなデブ」って言われたんだよね。すれ違い様にぼそっとさ。女の子の身体的特徴を貶すなんてムカつく!!ホント最低な奴!!

 顔がいいから余計に腹立つ!!だいたい太ってないし!!お胸のせいで、ちょっと太って見えてるだけだし!!

 私はイライラしながら、手にした麺棒ですり鉢の中身をゴリゴリとすり潰した。これは大婆さまに薬の下処理を頼まれている作業。私のささやかなストレス発散方である。
 
 「くっそぉ!ポルチーニもげろ!!」

 すり鉢の中身はモチロン干して乾燥させたオークのキノコだ。



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