一よさく華 -幕開け-

ソレは、さながら、妖――。

偶然を装った必然の出逢い。
細い月が浮かぶ夜、出逢ったその人は人斬りでした。

立派なのは肩書だけ。中身なんて空っぽだ。
この国は、そんな奴らがのさばっている。
将軍の死の疑惑。
そこから、200年続いたうわべだけの太平の世の終焉が始まった。

「この国をいい国にしたい。弱い人が、安心して暮らせる国に」

動乱の中、その一心で「月」になったひとりの少年がいた。
少年はやがて青年になり、ある夜、ひとりの娘に出会う。

それは、偶然を装った、必然の出会い。

そこから、青年の運命が大きく動き出す。


都の闇夜を駆け抜ける影。

一つよに咲く華となれ。
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