一よさく華 -嵐の予兆-
暮れ六つ過ぎ。
十日ごとに遊郭に現れる青年がいる。
柚月一華(ゆづき いちげ)。
元人斬り。
今は、かつて敵であった宰相、雪原麟太郎(ゆきはら りんたろう)の小姓だ。
人々の好奇の目も気に留めず、柚月は「白玉屋」の花魁、白峯(しらみね)の元を訪れる。
遊ぶためではない。
主の雪原から申し渡された任務のためだ。
隣国「蘆(あし)」の謀反の気配。
それを探る報告書を受け取るのが、柚月の今回の任務だ。
そんな中、柚月にじわりじわりと迫ってくる、人斬りだったことへの罪の意識。
「自分を大事にしないのは、自分のことを大事にしてくれている人を、大事にしていない」
謎の言葉が、柚月の中に引っかかって離れない。
「自分を大事にって、どういうことですか?」
柚月の真直ぐな問いに、雪原は答える。
「考えなさい。その答えは、自分で見つけなさい」
そう言って、父のように優しく柚月の頭を撫でた。
一つよに咲く華となれ。
十日ごとに遊郭に現れる青年がいる。
柚月一華(ゆづき いちげ)。
元人斬り。
今は、かつて敵であった宰相、雪原麟太郎(ゆきはら りんたろう)の小姓だ。
人々の好奇の目も気に留めず、柚月は「白玉屋」の花魁、白峯(しらみね)の元を訪れる。
遊ぶためではない。
主の雪原から申し渡された任務のためだ。
隣国「蘆(あし)」の謀反の気配。
それを探る報告書を受け取るのが、柚月の今回の任務だ。
そんな中、柚月にじわりじわりと迫ってくる、人斬りだったことへの罪の意識。
「自分を大事にしないのは、自分のことを大事にしてくれている人を、大事にしていない」
謎の言葉が、柚月の中に引っかかって離れない。
「自分を大事にって、どういうことですか?」
柚月の真直ぐな問いに、雪原は答える。
「考えなさい。その答えは、自分で見つけなさい」
そう言って、父のように優しく柚月の頭を撫でた。
一つよに咲く華となれ。
あなたにおすすめの小説


一よさく華 -幕開け-
八幡トカゲ
ライト文芸
ソレは、さながら、妖――。
偶然を装った必然の出逢い。
細い月が浮かぶ夜、出逢ったその人は人斬りでした。
立派なのは肩書だけ。中身なんて空っぽだ。
この国は、そんな奴らがのさばっている。
将軍の死の疑惑。
そこから、200年続いたうわべだけの太平の世の終焉が始まった。
「この国をいい国にしたい。弱い人が、安心して暮らせる国に」
動乱の中、その一心で「月」になったひとりの少年がいた。
少年はやがて青年になり、ある夜、ひとりの娘に出会う。
それは、偶然を装った、必然の出会い。
そこから、青年の運命が大きく動き出す。
都の闇夜を駆け抜ける影。
一つよに咲く華となれ。
蛍地獄奇譚
玉楼二千佳
ライト文芸
地獄の門番が何者かに襲われ、妖怪達が人間界に解き放たれた。閻魔大王は、我が次男蛍を人間界に下界させ、蛍は三吉をお供に調査を開始する。蛍は絢詩野学園の生徒として、潜伏する。そこで、人間の少女なずなと出逢う。
蛍となずな。決して出逢うことのなかった二人が出逢った時、運命の歯車は動き始める…。
*表紙のイラストは鯛飯好様から頂きました。
著作権は鯛飯好様にあります。無断転載厳禁
【セリフ集】珠姫の言霊(ことだま)
珠姫
ライト文芸
セリフ初心者の、珠姫が書いたセリフばっかり載せております。
一人称・語尾改変は大丈夫です。
少しであればアドリブ改変なども大丈夫ですが、世界観が崩れるような大まかなセリフ改変は、しないで下さい。
著作権(ちょさくけん)フリーですが、自作しました!!などの扱いは厳禁(げんきん)です!!!
あくまで珠姫が書いたものを、配信や個人的にセリフ練習などで使ってほしい為です。
配信でご使用される場合は、もしよろしければ【Twitter@tamahime_1124】に、ご一報ください。
覗きに行かせて頂きたいと思っております。
特に規約(きやく)はあるようで無いものですが、例えば劇の公演で使いたいだったり高額の収益(配信者にリアルマネー5000円くらいのバック)が出た場合は、少しご相談いただけますと幸いです。
一よさく華 -渡り-
八幡トカゲ
ライト文芸
自分を狙った人斬りを小姓にするとか、実力主義が過ぎませんか?
人斬り 柚月一華(ゆづき いちげ)。
動乱の時代を生きぬいた彼が、消えることのない罪と傷を抱えながらも、新たな一歩を踏み出す。
すべてはこの国を、「弱い人が安心して暮らせる、いい国」にするために。
新たな役目は、お小姓様。
陸軍二十一番隊所属宰相付小姓隊士。宰相 雪原麟太郎(ゆきはら りんたろう)は、敵方の人斬りだった柚月を、自身の小姓に据えた。
「学びなさい。自分で判断し、決断し、行動するために」
道を失い、迷う柚月に雪原は力強く言う。
「道は切り開きなさい。自分自身の力で」
小姓としての初仕事は、新調した紋付きの立派な着物を着ての登城。
そこで柚月は、思わぬ人物と再会する。
一つよに咲く華となれ。
※「一よさく華 -幕開け- 」(同作者)のダイジェストを含みます。
長編の「幕開け」編、読むのめんどくせぇなぁって方は、ぜひこちらからお楽しみ下さい。


結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
企画より参りました。
投稿されているぶん、21話全て読ませていただいております!
面白いです。架空歴史ファンタジーと言えばいいのでしょうか、作者さまの世界観に引き込むのがとても巧いと思いました。
用語や固有名詞を先に説明してもらえたおかげでわかりやすく話に入っていくことができます。
会話はワンシーンでしたが、柚月と椿の関係性が好きでした。あのくらい、ちょっともどかしいくらいが良いです……。
遊郭の面々と過去の自分を照らし合わせてるような描写が良いと思いました。笑顔が悲しいのは彼も同じのような気がします。
大人びた柚月ですが、彼にとって予想外の事態が起きると口調に焦りが出たり、くだけたりで等身大が出ているなぁと微笑ましくもなりました。
派手なシーンを入れず、このようなドラマを繊細に描けるのはとても素晴らしいと思います。
素敵な作品をありがとうございました!
応援しております。
天音こかげ様
ありがとうございます!
寧ろ天音こかげ様の読解力に感動です。
主人公が、遊郭の人たちと自分を重ねている、というのはまさしくそうです。
ただ、私の表現力ではなかなか人に伝わるようにかけているとも思えないでしたのですが。
読み取っていただけて本当に嬉しいです。
こちらこそ、読んでいただいて、感想までいただいて、ありがとうございます!
世界観、登場人物と共に飽きさせないですね。言葉の選び方、並べ方もとても綺麗に仕上がっているように思います!これからのご活躍を楽しみにしています!(*^^*)
れんむ様
ありがとうございます(*´꒳`*)
励みになります!
Twitterからきました!
とても面白いです😊
これからも読ませてもらいます!
まっさん様
ありがとうございます!
シリーズなので、よければほかのものもぜひ、よろしくお願いします(*≧∀≦*)
世界観がノスタルジックで、言葉選びも綺麗だと思いました^ ^最終話で1話目と敢えて被せてるあたりもとてもセンスを感じました!この話単体でも楽しめますが、次シリーズがとても気になりますね🤗
江田真芽様
ありがとうございます!
この話単体でも楽しんでいただけるか、シリーズとしても興味を持っていただけるか、正に気になっているところでした。
そう言っていただけて、本当に嬉しいです。
ありがとうございます!
こんにちは、A_riaです。
作品を読ませていただきました。
世界観、時代背景共に受け取りやすく、大変楽しく読ませていただきました。
また、登場人物のひとりひとりに個性があり、先の展開が楽しみな作品だなと感じました。
質素な感想となってしまいましたがこれからも頑張ってください!
A_ria様
ご感想ありがとうございます!
励みになります。
登場人物が少し多くないか心配でしたが、個性を読み取っていただけて、安心しました。
ありがとうございます!
退会済ユーザのコメントです
灯比野ヒビキ様
ありがとうございます!
人に伝わる文章が書けているか、自分では判断しにくいだけにいつも心配なので、本当に嬉しいです。
お時間許す時にでも、続きを読んでいただけるとありがたいです。
ありがとうございます!
こんにちは、aozoraです。
この作品読ませていただきました。
まず最初に思ったのは、世界観がとてもいいなと感じました。歴史を元にしたファンタジーということで、なかなか類を見ない作品で、とても興味が惹かれました。しかしその一方で、難しい言葉を使いすぎかなとも思いました。言葉の意味が分からない方もいらっしゃると思うので難しい言葉にフリガナをふったり、もう少し少なくしてもいいかもしれません。私も少し読みずらいなと感じました。ですが内容的には面白いと思うのでこれからも頑張ってください!
ありがとうございます!
やはり、読みにくいですか。心配していたところです。
歴史小説の影響を受けているのかもしれません。
より幅広い方に読んでいただけるように、工夫してみたいと思います。
ご意見、参考にさせていただきます。
ありがとうございます!
一章序盤から飛ばして読んじゃってて大変恐縮なんですが、不穏なスタートの感じはそのままに、文章の読みやすさも圧倒的に上達されていると思いました。間にめちゃくちゃ重厚なストーリーが挟まっているのがビビッと分かります。読みます!!!
感想のシステムがよく分かってなくて、返事が遅れてしまいました。すみません💦承認がいるんですね。
ご感想、ありがとうございます!
人に伝わる文章が書けているかいつも不安なので、読みやすいと言っていただけて、本当に嬉しいです。
ありがとうございます!
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。