美しい日になるまで

大黒鷲

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最終章

初言、それは聞き捨てならない。

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祀笠は、遂に、喋った。

「呪い一解放。」
と。



すると、祀笠の口から、何かが出たそうにしていた。

喉の皮が伸びてボコボコ動いている。
お腹の中もゴロゴロ動いていて、とんでもない物を吐き出そうとしているように感じた。


「うっ、、ぐ、、、」
祀笠が唸る。


すると、口から手がでてきた。
紫色のグロテスクな色をした、人間とは思えないものが出てきた。

どんどん出てくる。手が見え、腕が見え、方が見え、両手が出てき、そして、顔まででてきた。
そこまでくれば、ニョロっと出てきた。

そいつの姿は、武士のような見た目をし、だが、とても人間が中に入っているようには見えなかった。
赤黒紫っぽい色で、不気味だった。

その化け物が出ると、祀笠は、ふらついたが何とか立ちつくした。


そして、祀笠がスナイパーをたたみ始めた。

みるみるうちに、コントローラーのようなものに変わっていた。


祀笠は、黙ったまま、ボタンを動かし、ビジュワルディルの元へ向かわせた。


動きは、ロボットっぽくなく、そして、銃弾のように速い。



武士は、高く上にあがり、剣を抜き、
敵の首めがけて横に振った。

だが、ビジュワルディルは、避ける。


「なんだ貴様、やるな。」


祀笠は、喋らない。


引き続き、武士を動かす、剣をふたつ持たせ、

1本は、敵に目掛けて投げた。
そして、超高速移動をして、剣を刺した。










刺さった。











ビジュワルディルは、膝をつき、倒れた。



「ううっ、、、。」



祀笠は、やったと思い、仲間の方へ向かおうとする。



が。







「んふふふ、ハハハ
確かに、お主は強い。だがなぁ。」

「呪い取り込み強化」


その言葉を発した途端、武士は消えた。


「こんな呪い弱いわ。」



祀笠は、驚いた顔をする。
当たり前のように言葉は出ないままだ。



「......呪い弐解放。」


「の....呪い参解放。」


「呪い肆か....解放。」


「の...ガバッ...」


「やめろ!祀笠、、お前、、無理しないの」
芽亜妃が看病で忙しい中、声をかける。



そんなことを構わず、発する。


「呪い伍か...い...グハッ...解放。」


次々と、弐。参。肆。伍。が出てきた。

弍:鵺

参:九尾

肆:八岐大蛇

伍:天狗



祀笠は、倒れて、、ボタンを強く押した。


すると、4つの妖怪は、ひとつに合わさり進化しようとした。


闇の空気がみるみると1箇所に集まり、怪しげな雰囲気になる。


「やっと、、話せるようになったよ、、」
祀笠がしゃべり出した。
つらそうな喋り方で今にも消えそうな声量だった。


「ね、、ねぇ、大丈夫なの?ねぇ。」
芽亜妃が近づこうとする。

「来るなよ。俺の能力は、体内に溜め込んだ呪いを外に出せるんだよ。
喋ると、色々と小さな妖怪でも出てくるから面倒だったんだ。許してくれ....。」

「許してくれって、怒ったことなんか無いし。」

「あぁ、優しいな、幸せだったよ。」

「そ、な、、なんでそんな事言うの。
これからいっぱい喋ろうよ?ね?」

「ぁあ、、、でもダメだ。
あいつを倒して、幸せになってくれ。」

「俺は、ここまで来れたことと、お前たちに優しくして貰えただけで嬉しかったよ。」

「やだやだ、、、むり、、死なないで」


「実は俺.....、。」


「え?何。ねぇ、、」


「ねぇってば、、、酷いよそんなの。」

「先に逝くなんて。」


祀笠は、にっこり笑って深い眠りについた。



「私、頑張るから。」
胸を張って、発した。


もうすぐで、裁鬼を回復できる。

そして、隼太は、今、目をつぶりながら、ボソボソと唱えていて、オーラを放っている。




本当の終わりは、そう遠くない。

すぐそこだ。




隼太は目を開いた。



「よぉ、決着をつけようか。」
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