美しい日になるまで

大黒鷲

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1章

期待から絶望へ。

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「なんだよ隼太?」

「逃げろ俊の様子おかしいって」

「聞かなきゃわかんねぇーだろ?」

「え...うん。」

「おい俊どうした?」

「.......」

「なんか言えよ」

「.......」

突然、俊は泣き出した。
彼の顔は、クリっとした目が特徴的なのに
細く絶望したような目をしていていつもの美しい目とは真逆であった。

「なにがあったの?俊」
と隼太が優しく聞く。

少し落ち着いたようで俊が話し出した。
「お、、おとうさんとお、、おかあ、、さ、、。おか、あさんが、」

「うんうん、どうしたの?」

「お、おとうさんと、おか、あさんがね
知らないおじさんに無理やり唾をかけられてね。。」

「え。汚いな。それだけか??」
真光が引いた顔で聞く。

「そ、そうしたらね、、おとう、さんとおかあさんが人がか、変わったように追いかけてきたの、、、
話も聞いてくれないし、殺してきそうな目をしてたからこ、怖くて...」

「え。。それって唾が関係してるのかな?」
隼太がまとめる。

「もしかして、唾の中にある菌かなんかが人の体内に入って、よく見るゾンビみたいになったのかな。それに、空気では感染しなさそうだし、飛沫感染ってことだと思う。」

「って、って言うか、お前のおとうさんおかあさん追ってきてんじゃないのか?」

「もう、居なくなったはずだよ。。」

突然、忍び寄るような滑らかな足取りで真光の近くまで何かが来た。

「ま、真光後ろ!!」
隼太すぐに報告した。

「うあああ!?やめろ、来るな。。」

すると、俊のおとうさんが唾をかけてきた。

「うげっ。汚ぇ。やめろよ。うっ。ぶげっ。」

急に真光の口に入った唾が熱を持っているかのようにジューっと溶けだした。

「は、隼太と俊に、逃げろよ。。」

「やだよ。置いていけない」
とっさに、隼太が答えた。

すると、俊が泣き出しておとうさんの元へ近づく

「ねぇ。やめてよ。なんでそんなことをするの?」

おとうさんの動きが突然止まる。

「ゴルフ好きじゃん?また一緒に行こう?遊園地にも行こうよ。家族でご飯食べよ?明日も明後日も一緒にいよ?ね??」
泣きながら訴えた。

おとうさんが突然泣き出した。
そして、なにか聞こえた。

「ご、ごめんな、父さんダメだわ……」

すると、俊を捕まえ肩にかぶりつき、抱き抱えたそして、その力がだんだん強くなり、愛も感じないような抱き方で、俊の息が止まってしまった。。

「そ、そんな、、」
真光が怯えた声で言う

「いやだよ。こんなのになりたくない。」

「ふざけんなてめぇ!」

真光が俊のおとうさんの顔を殴る。
押し倒し、真光の馬鹿力が押している。
しかし、父親も負けじと、首を締め付ける。
真光は、もがく。もがく。
そして、近くにあった。鋭くとがった木で刺した。
すると、俊のおとうさんは、死んだ。

「や、やっちまったよ。。隼太。」

「.......真光大丈夫か?」

「ああ、なんとか。」

地響きがする、、今度は遠くから女らしき人物がすごい勢いで走ってきた。

彼女は....。
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