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1 マッチングクエスト①
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「ゴーグルつけて、アカウントつくって、ログイン……っと」
仮想世界に意識が飛んでいく。
これでしばらく現実世界とはサヨナラ……まるで異世界に転生する気持ちだな。トラックにひかれたことないから知らんけど。
「ん? ここは……宇宙空間か? おおっ!」
俺の好きな美しい幻想的景色が映り、盛大な音楽とともにタイトルがでてきた。
VRMMO【プロジェクト・テルース】
人類は新たな星を開拓し、そこに移住することを計画した。だが、テラフォーミングの途中で天変地異が発生! 種族は人間の他に魔族が生まれ、世界は凶暴なモンスターが跋扈する危険な……。
うわ、長い。
「スキップ! スキップ!」
このゲームは、昔のゲームと違う。
コントローラという遺物はない。すべて自分の脳波や言葉で動かすことができる。
「さあ、まずはアバターの設定からだ」
プレイヤーネーム:ツッチー
性別:男
種族:ヒューマン
「職業は……どうしよう。いろいろあるな……」
ありふれた職業が選択画面にあがっている。
剣士、戦士、魔法使い、僧侶、狩人、海賊、数え出したらキリがない。
しかしながら人気がある職業は、双剣を装備させた剣士だ。
見た目もかっこいいし、斥候として魔物を切り刻むその姿は、男の憧れ。ほとんどのプレイヤーがこれにする。
じゃあ、どうやって個性を出すかと言えば、キャラメイクだ。
背の高さ、筋肉量、瞳の色、髪型などを自分でカスタムして個性を出す。
キャラ被りは、あまりしたくない。
アバターは、もうひとりの自分だから。
なぜならこのゲームは、SNSのようなもので、生活の一部化している人もいるくらい、ハマる。
全世界に配信されて約1年、累計登録アカウント数は、5,000万人を達成したらしい。
この数字が、どれくらいすごいことか知らんけど、日本の人口が約9,000万人なのだから、仮想世界にひとつの国が誕生したと思えてしまう。
それは、なんとも恐ろしくもあるし、かなりの経済効果があるように思う。
課金する人がいっぱいいるからな。
しかも開発者チームのメンバーに日本人がいる。
きっとアイツは近未来的な建物のどこかで、米軍並みのパワーがあるコンピューターの前で、カタカタとキーボードを打っているに違いない。
う~ん、同じ日本人として、なんとも誇らしい気持ちになるわ。
「さて、平凡な俺は魔法使いにしよう」
ベースとなる得意魔法は、土魔法かな。
なぜなら俺の名前は、土屋のツッチーだから。
キャラメイクは、やっぱり背の高いイケメンで瞳の色はブルーで、髪型は銀髪で……。
げっ、銀髪は課金しないと無理か。
じゃあ、黒髪でマッシュヘアに……うわ、マッシュも課金しないと無理か。
普通にショートヘアにしとこう。
よし、これで完成だ。
あとは、最初の所持金 1,000Pから装備品を選ぼう。
えっと……魔法使いが装備できる武器は、ヒノキの杖と老人の杖しかないな。
しかし課金すれば、もっと豪華な杖を持つことができる。
そう、仮想世界でも金のある人間が勝利に近づけるシステムなのだ。
「1,000円くらい課金しようかな……」
課金ボタンに手が伸びる。迷う。
いや、待て待て待て!
俺がこのゲームをやる目的は、あの景色を見ることだ。
「アイツと描いたファンタジーアートを……」
課金なんてしたら、昼飯代がなくなってしまう。
武器は後回しだ。
防具を選ぼう。どれどれ、布のローブ、旅人のローブ、エルフの帽子、もちろん課金すればもっと色々あるけど……ん?
「なんだこれ? 初回ログインキャンペーンガチャ?」
どうやら、1,000Pつっこめばガチャを1回だけできるらしい。
通常なら1,000円課金してガチャを回せるのだから、これはお得だわ。
「よーし、俺はあの景色を見たらこのゲームは辞めるつもりだし、サクッといこう!」
ポチッとボタンを押し、ガチャが回る。
「え?」
当たったのは、仮面だった。
【 泥の仮面 】
防御力 8
魔力 100
付加 土魔法能力爆上げ
おそらくこれは、ユニークアイテム。
いやいや、せっかくイケメンキャラなのに、こんなクソみたいな仮面を被ったら台無しだよ。
「……ん? だが、まて、別の視点から考えよう……」
この仮面をガチャで引いたやつは少ないだろう。もしかしたら俺だけかもしれない。
「したがって、キャラ被りはしないだろう……よし決めた!」
これも何かの縁だ。
俺の名前は、土屋のツッチー。パンツ一丁の半裸姿に泥の仮面を装備して、いざ、仮想世界へ! 今、俺はすごく変なポーズをとっている。お尻を突き出して、クイクイ。
マッチング……1……2
マッチング……3……4
ん? ワープホールのような空間になったぞ。
どうやら、俺の他にログインしたプレイヤーたちと遊ぶことになるらしい。
「たしかゲームの広告には、連携プレイで魔物を倒せ! とあったな……」
おそらく、俺は何かのイベントに巻き込まれているらしい。わっ、まぶしい……。
「よくぞ参られた! 冒険者たちよ!」
暗転から一変。
どこかの城にいて、立派な髭をはやした男、おそらく王様が何か言っている。
周囲には、ぞろりと騎士たちが整列し、中心には俺の他に、3人のプレイヤーがいた。
刀を装備したイケメンの侍。
弓を装備した可愛らしい少女。
双剣を装備したナイスバディの女剣士。
そんななかに、仮面の裸男。つまり俺がいる。
「ちょ! 何こいつ!?」
「キモっ」
点滅するマイクのアイコン。
どうやら俺はボイスチャットをオンにしているらしい。オフにしておくか、と思っていたら、少女と女剣士の話す声に違和感を覚えた。
「ハズレっすね~裸の男なんて絶対地雷!」
「でも侍の人は強そうだぜ」
ふたりとも男の声だ。
少女のほうはショタボイス、女剣士は低音ボイス。その間にも王様が何か言っているが構うことなく、トコトコと少女が俺に近づいてくる。めちゃ可愛い。耳が長い。種族はエルフかな?
「よろしくお願いしま~す。ツッチーさん」
うーん、癒される笑顔だ。
しかし騙されるな。プレイヤーの中身は男だぞ?
「よろしくお願いします……」
俺も挨拶をした。
すると、少女はびっくりした様子でさらに話しかけてくる。
「エグいほどイケボっすね! 声優とかやってるんすか? ブイチューバーとか?」
「いや、やってない……ただのおっさんです」
少女は、へ~エグッ、と言ってから、今度は侍に近づき挨拶をした。
「よろしくお願いしま~す。ヴェリタスさん」
「……」
沈黙の侍。何も話さず虚空を見つめている。
その代わりにテキストチャットが現れた。マイクのアイコンはバツにされてある。話せない事情があるのだろう。
『よろしくお願いします。ミルクさん』
少女はミルクというらしい。
頭の上に浮かぶアイコンにも、ミルクとある。女剣士には、モツナベとあった。おそらくモツ鍋が好きなのだろう。
「よろしくお願いします。ツッチーさん、ヴェリタスさん、俺とミルクは知り合いなんです」
女剣士モツナベの説明に納得していると、さっきからずっと王様が何か言っていることに気づいた。
「……であるからして、隣国との貿易が困難となり本当に困っておるのじゃ……そこで冒険者たちよ、街の周囲をうろつくゴブリンを倒してくれ! では……能力チェックじゃ!」
それ来た!
とばかりに少女ミルクが水晶玉に手を触れた。するとステータスが現れ、すごくレベルが高く、装備品がレアなことがわかった。
「ミルク、今日はトリプルアローにしたんだ」
「うん、慣れている武器で戦うっす!」
モツナベと話すミルクは、ニヤリと笑った。
続けてモツナベが水晶玉に触れる。やはり能力レベルは高く、双剣は暗黒竜の短剣とプラチナダガーを装備していた。こちらもレアアイテムだ。自信満々の顔をしたふたりに王様は、
「素晴らしい能力じゃ」
と褒める。
「……」
ヴェリタスが、ゆっくりと動いた。
そっと片手を水晶玉にかざす。その瞬間、キンッ、と冷たい空気が流れ、浮かぶステータスを見つめるミルクとモツナベが、わなわなと震え出した。
「うぉぉぉ! つえぇぇ!」
「ヴェリタスさん! 今日はボスゴブリンのところまで行きましょう!」
『時間があれば……』
興奮するふたりとは対照的に、ツンとした態度のヴェリタス。
「なんか今更だけど……俺って浮いてるかも」
水晶に触れてみる。
ポンッとステータスが浮かんだ。
土魔導師 レベル1
装備 泥の仮面
「なんじゃこの能力は、ハズレじゃな……」
王様がため息をつく。
すると周りにいる騎士たちから、クスクスと笑いが起きた。え? こいつら人間が操作していないNPCのくせに、俺を笑うだと? ひどい、本当にひどいゲームだ。
「行きましょう! ヴェリタスさん!」
「僕が弓で射撃するんで、背中は任せて、ガンガン戦ってください!」
「……」
沈黙するヴェリタス。
テキストチャットで『はい』とだけ返事をすると、まるで猫のように静かに歩き出し、ふたりの後につづいた。
「……」
ぽつん、と放置された俺は、この仮想世界のことが右も左もわからないので、とりあえず王様に、
「宝箱はどこですか?」
と聞いた。
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
どうも、作者のぬこまるです。
ここまで読んでくれてありがとうございます。この作品は、大人になっても友達ができたらいいな、と思いながら執筆してます。よかったらお気に入り登録&感想よろしくお願いします。それでは、お楽しみください。
仮想世界に意識が飛んでいく。
これでしばらく現実世界とはサヨナラ……まるで異世界に転生する気持ちだな。トラックにひかれたことないから知らんけど。
「ん? ここは……宇宙空間か? おおっ!」
俺の好きな美しい幻想的景色が映り、盛大な音楽とともにタイトルがでてきた。
VRMMO【プロジェクト・テルース】
人類は新たな星を開拓し、そこに移住することを計画した。だが、テラフォーミングの途中で天変地異が発生! 種族は人間の他に魔族が生まれ、世界は凶暴なモンスターが跋扈する危険な……。
うわ、長い。
「スキップ! スキップ!」
このゲームは、昔のゲームと違う。
コントローラという遺物はない。すべて自分の脳波や言葉で動かすことができる。
「さあ、まずはアバターの設定からだ」
プレイヤーネーム:ツッチー
性別:男
種族:ヒューマン
「職業は……どうしよう。いろいろあるな……」
ありふれた職業が選択画面にあがっている。
剣士、戦士、魔法使い、僧侶、狩人、海賊、数え出したらキリがない。
しかしながら人気がある職業は、双剣を装備させた剣士だ。
見た目もかっこいいし、斥候として魔物を切り刻むその姿は、男の憧れ。ほとんどのプレイヤーがこれにする。
じゃあ、どうやって個性を出すかと言えば、キャラメイクだ。
背の高さ、筋肉量、瞳の色、髪型などを自分でカスタムして個性を出す。
キャラ被りは、あまりしたくない。
アバターは、もうひとりの自分だから。
なぜならこのゲームは、SNSのようなもので、生活の一部化している人もいるくらい、ハマる。
全世界に配信されて約1年、累計登録アカウント数は、5,000万人を達成したらしい。
この数字が、どれくらいすごいことか知らんけど、日本の人口が約9,000万人なのだから、仮想世界にひとつの国が誕生したと思えてしまう。
それは、なんとも恐ろしくもあるし、かなりの経済効果があるように思う。
課金する人がいっぱいいるからな。
しかも開発者チームのメンバーに日本人がいる。
きっとアイツは近未来的な建物のどこかで、米軍並みのパワーがあるコンピューターの前で、カタカタとキーボードを打っているに違いない。
う~ん、同じ日本人として、なんとも誇らしい気持ちになるわ。
「さて、平凡な俺は魔法使いにしよう」
ベースとなる得意魔法は、土魔法かな。
なぜなら俺の名前は、土屋のツッチーだから。
キャラメイクは、やっぱり背の高いイケメンで瞳の色はブルーで、髪型は銀髪で……。
げっ、銀髪は課金しないと無理か。
じゃあ、黒髪でマッシュヘアに……うわ、マッシュも課金しないと無理か。
普通にショートヘアにしとこう。
よし、これで完成だ。
あとは、最初の所持金 1,000Pから装備品を選ぼう。
えっと……魔法使いが装備できる武器は、ヒノキの杖と老人の杖しかないな。
しかし課金すれば、もっと豪華な杖を持つことができる。
そう、仮想世界でも金のある人間が勝利に近づけるシステムなのだ。
「1,000円くらい課金しようかな……」
課金ボタンに手が伸びる。迷う。
いや、待て待て待て!
俺がこのゲームをやる目的は、あの景色を見ることだ。
「アイツと描いたファンタジーアートを……」
課金なんてしたら、昼飯代がなくなってしまう。
武器は後回しだ。
防具を選ぼう。どれどれ、布のローブ、旅人のローブ、エルフの帽子、もちろん課金すればもっと色々あるけど……ん?
「なんだこれ? 初回ログインキャンペーンガチャ?」
どうやら、1,000Pつっこめばガチャを1回だけできるらしい。
通常なら1,000円課金してガチャを回せるのだから、これはお得だわ。
「よーし、俺はあの景色を見たらこのゲームは辞めるつもりだし、サクッといこう!」
ポチッとボタンを押し、ガチャが回る。
「え?」
当たったのは、仮面だった。
【 泥の仮面 】
防御力 8
魔力 100
付加 土魔法能力爆上げ
おそらくこれは、ユニークアイテム。
いやいや、せっかくイケメンキャラなのに、こんなクソみたいな仮面を被ったら台無しだよ。
「……ん? だが、まて、別の視点から考えよう……」
この仮面をガチャで引いたやつは少ないだろう。もしかしたら俺だけかもしれない。
「したがって、キャラ被りはしないだろう……よし決めた!」
これも何かの縁だ。
俺の名前は、土屋のツッチー。パンツ一丁の半裸姿に泥の仮面を装備して、いざ、仮想世界へ! 今、俺はすごく変なポーズをとっている。お尻を突き出して、クイクイ。
マッチング……1……2
マッチング……3……4
ん? ワープホールのような空間になったぞ。
どうやら、俺の他にログインしたプレイヤーたちと遊ぶことになるらしい。
「たしかゲームの広告には、連携プレイで魔物を倒せ! とあったな……」
おそらく、俺は何かのイベントに巻き込まれているらしい。わっ、まぶしい……。
「よくぞ参られた! 冒険者たちよ!」
暗転から一変。
どこかの城にいて、立派な髭をはやした男、おそらく王様が何か言っている。
周囲には、ぞろりと騎士たちが整列し、中心には俺の他に、3人のプレイヤーがいた。
刀を装備したイケメンの侍。
弓を装備した可愛らしい少女。
双剣を装備したナイスバディの女剣士。
そんななかに、仮面の裸男。つまり俺がいる。
「ちょ! 何こいつ!?」
「キモっ」
点滅するマイクのアイコン。
どうやら俺はボイスチャットをオンにしているらしい。オフにしておくか、と思っていたら、少女と女剣士の話す声に違和感を覚えた。
「ハズレっすね~裸の男なんて絶対地雷!」
「でも侍の人は強そうだぜ」
ふたりとも男の声だ。
少女のほうはショタボイス、女剣士は低音ボイス。その間にも王様が何か言っているが構うことなく、トコトコと少女が俺に近づいてくる。めちゃ可愛い。耳が長い。種族はエルフかな?
「よろしくお願いしま~す。ツッチーさん」
うーん、癒される笑顔だ。
しかし騙されるな。プレイヤーの中身は男だぞ?
「よろしくお願いします……」
俺も挨拶をした。
すると、少女はびっくりした様子でさらに話しかけてくる。
「エグいほどイケボっすね! 声優とかやってるんすか? ブイチューバーとか?」
「いや、やってない……ただのおっさんです」
少女は、へ~エグッ、と言ってから、今度は侍に近づき挨拶をした。
「よろしくお願いしま~す。ヴェリタスさん」
「……」
沈黙の侍。何も話さず虚空を見つめている。
その代わりにテキストチャットが現れた。マイクのアイコンはバツにされてある。話せない事情があるのだろう。
『よろしくお願いします。ミルクさん』
少女はミルクというらしい。
頭の上に浮かぶアイコンにも、ミルクとある。女剣士には、モツナベとあった。おそらくモツ鍋が好きなのだろう。
「よろしくお願いします。ツッチーさん、ヴェリタスさん、俺とミルクは知り合いなんです」
女剣士モツナベの説明に納得していると、さっきからずっと王様が何か言っていることに気づいた。
「……であるからして、隣国との貿易が困難となり本当に困っておるのじゃ……そこで冒険者たちよ、街の周囲をうろつくゴブリンを倒してくれ! では……能力チェックじゃ!」
それ来た!
とばかりに少女ミルクが水晶玉に手を触れた。するとステータスが現れ、すごくレベルが高く、装備品がレアなことがわかった。
「ミルク、今日はトリプルアローにしたんだ」
「うん、慣れている武器で戦うっす!」
モツナベと話すミルクは、ニヤリと笑った。
続けてモツナベが水晶玉に触れる。やはり能力レベルは高く、双剣は暗黒竜の短剣とプラチナダガーを装備していた。こちらもレアアイテムだ。自信満々の顔をしたふたりに王様は、
「素晴らしい能力じゃ」
と褒める。
「……」
ヴェリタスが、ゆっくりと動いた。
そっと片手を水晶玉にかざす。その瞬間、キンッ、と冷たい空気が流れ、浮かぶステータスを見つめるミルクとモツナベが、わなわなと震え出した。
「うぉぉぉ! つえぇぇ!」
「ヴェリタスさん! 今日はボスゴブリンのところまで行きましょう!」
『時間があれば……』
興奮するふたりとは対照的に、ツンとした態度のヴェリタス。
「なんか今更だけど……俺って浮いてるかも」
水晶に触れてみる。
ポンッとステータスが浮かんだ。
土魔導師 レベル1
装備 泥の仮面
「なんじゃこの能力は、ハズレじゃな……」
王様がため息をつく。
すると周りにいる騎士たちから、クスクスと笑いが起きた。え? こいつら人間が操作していないNPCのくせに、俺を笑うだと? ひどい、本当にひどいゲームだ。
「行きましょう! ヴェリタスさん!」
「僕が弓で射撃するんで、背中は任せて、ガンガン戦ってください!」
「……」
沈黙するヴェリタス。
テキストチャットで『はい』とだけ返事をすると、まるで猫のように静かに歩き出し、ふたりの後につづいた。
「……」
ぽつん、と放置された俺は、この仮想世界のことが右も左もわからないので、とりあえず王様に、
「宝箱はどこですか?」
と聞いた。
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
どうも、作者のぬこまるです。
ここまで読んでくれてありがとうございます。この作品は、大人になっても友達ができたらいいな、と思いながら執筆してます。よかったらお気に入り登録&感想よろしくお願いします。それでは、お楽しみください。
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