46 / 51
三章 プリンセスロード編
46
しおりを挟む この歳になり、私に妹が出来るとは思っても居なかった。
と言っても…彼女は父の再婚相手の連れ子で、私と血の繋がりは無い。
ただ、こうなったからには彼女とは良い関係を築いて行きたいと思って居た。
そして、せっかくだからと彼女を我が家に招待する事に─。
すると、やって来た義妹を見た夫は…何故か驚いた表情になり、その後は満面の笑みを浮かべ彼女を家にあげた。
そして、彼女と楽しそうに話をし始めた。
どうやら、夫と義妹はすぐに打ち解けた様だ。
するとその後も、義妹を家に招待したい…今度はいつ遊びに来てくれるのかと、夫は義妹の事を気に掛ける様に─。
そんなの彼女の都合だってあるし、そもそもこの家には生まれたばかりの我が子がい居る。
だから義妹に来て貰っても、彼女の相手をしてあげられないと答えた。
すると夫は…彼女の相手は俺がするから構わない、お前は子供の相手だけして居ろと言う。
それを聞いた私は…どうして夫がそんなに義妹に会いたがるのか、不思議でならなかった。
そんな時…夫の古い知人が、私の家を訪ねて来た。
生憎夫は不在だったので、彼の相手は私がする事に─。
彼には、夫や子供の話をよく聞いて貰って居た。
そして、義妹の件を話したのだが…それを聞いた彼は、深刻そうな顔でこんな話を始めた。
夫には、本当は私とは別に結婚したかった相手が居たと言う。
だが、彼女は家の事情でこの地を出て行く事になり…二人が結ばれる事は無かった。
そして夫は…つい最近、そんな彼女に生き写しの女性に出会った…これはきっと運命だ…そんな彼女と結ばれる為には、妻も子も捨てなければならないと言ったそうだ。
「…だから、君とお子さんが心配になり訪ねたんだが─。」
それを聞いた私は、夫にそんな人が居た事や…夫が義妹にその人を重ね、私と子供を捨て様として居る事を知りショックを受けた。
そして…夫は用事で出かけると言って居たが、もしかしたら義妹に会いに行ったのかも知れないと思った。
夫をこのままにしておいては、義妹に迷惑がかかる。
何より…私だけでなく子供まであっさり捨て様としたあの人を、私は許せない─。
そな私を見て、彼は今から義妹に会いに行こうと言って馬車を出してくれた。
そして実家へと向かえば…そこには、嫌がる義妹に抱き着こうとして居る夫の姿が─。
それを見た彼はすぐに夫を制止にかかり、私は義妹を背に隠した。
「あなたは一体何をやっているの!この子はあなたの愛する女じゃないのよ!?」
「でも、こんなにそっくりなんだ!それに前話した時、彼女は俺の事を話しが楽しくて素敵な旦那様と褒めてくれた。それは俺に好意があるからだ!」
すると義妹は、震えながらもキッパリとこう言った。
「私はただ、姉の夫であるあなたに敬意をもってお話して居ただけ…。そもそも、私には結婚を約束した愛する方が居ます。ですから、あなたの事をそう言う意味で好きになる事はありません!」
この言葉に、夫はショックを受けた様でその場に崩れ落ちた。
そして私は、そんな夫に離縁を突き付けた。
すると、夫は離縁など大袈裟だと言ったが…私はそれを無視し、こう言った。
「あなたが子供の面倒をちっとも見てくれないのは…私を時々冷めた目で見るのはどういう事かと思って居たけれど、やっとそれが分かったわ。あなたの様な夫は…そして父親はもう要らない。この子に付き纏うのは辞め、今からでもその女に会いに行ったらいいわ─!」
その後…この出来事を知った私の父は、大事な娘二人を傷付けた夫を許さず…離縁したならもう赤の他人だと言って、彼の事業を支援する事を辞めた。
それにより、元夫の事業は傾き…やかて彼は、多額の借金を抱えて破産する事に─。
そして住む家さえ失くした彼は、本当にかつて愛したその女に助けを求め合いに行ったが…彼女はもうとっくに結婚しており、彼の事など忘れてしまって居た。
それを知った彼は、自分は何て馬鹿だったのかと後悔したそうだが…もう遅いのだった。
一方、私はと言うと…元夫の知人である彼と恋人関係となり、近く再婚しよう言う話になって居る。
彼は、離縁した私を心配し実家にも頻繁に顔を見せてくれ…良き相談相手となってくれて居た。
そんな日々を過ごす内…私達は自然と惹かれ合い、そういう仲になったのだ。
彼は私だけでなく、子供の事も大事にしてくれ…そんな私達なら、きっと良い家族になれるのではないかと思って居るわ─。
と言っても…彼女は父の再婚相手の連れ子で、私と血の繋がりは無い。
ただ、こうなったからには彼女とは良い関係を築いて行きたいと思って居た。
そして、せっかくだからと彼女を我が家に招待する事に─。
すると、やって来た義妹を見た夫は…何故か驚いた表情になり、その後は満面の笑みを浮かべ彼女を家にあげた。
そして、彼女と楽しそうに話をし始めた。
どうやら、夫と義妹はすぐに打ち解けた様だ。
するとその後も、義妹を家に招待したい…今度はいつ遊びに来てくれるのかと、夫は義妹の事を気に掛ける様に─。
そんなの彼女の都合だってあるし、そもそもこの家には生まれたばかりの我が子がい居る。
だから義妹に来て貰っても、彼女の相手をしてあげられないと答えた。
すると夫は…彼女の相手は俺がするから構わない、お前は子供の相手だけして居ろと言う。
それを聞いた私は…どうして夫がそんなに義妹に会いたがるのか、不思議でならなかった。
そんな時…夫の古い知人が、私の家を訪ねて来た。
生憎夫は不在だったので、彼の相手は私がする事に─。
彼には、夫や子供の話をよく聞いて貰って居た。
そして、義妹の件を話したのだが…それを聞いた彼は、深刻そうな顔でこんな話を始めた。
夫には、本当は私とは別に結婚したかった相手が居たと言う。
だが、彼女は家の事情でこの地を出て行く事になり…二人が結ばれる事は無かった。
そして夫は…つい最近、そんな彼女に生き写しの女性に出会った…これはきっと運命だ…そんな彼女と結ばれる為には、妻も子も捨てなければならないと言ったそうだ。
「…だから、君とお子さんが心配になり訪ねたんだが─。」
それを聞いた私は、夫にそんな人が居た事や…夫が義妹にその人を重ね、私と子供を捨て様として居る事を知りショックを受けた。
そして…夫は用事で出かけると言って居たが、もしかしたら義妹に会いに行ったのかも知れないと思った。
夫をこのままにしておいては、義妹に迷惑がかかる。
何より…私だけでなく子供まであっさり捨て様としたあの人を、私は許せない─。
そな私を見て、彼は今から義妹に会いに行こうと言って馬車を出してくれた。
そして実家へと向かえば…そこには、嫌がる義妹に抱き着こうとして居る夫の姿が─。
それを見た彼はすぐに夫を制止にかかり、私は義妹を背に隠した。
「あなたは一体何をやっているの!この子はあなたの愛する女じゃないのよ!?」
「でも、こんなにそっくりなんだ!それに前話した時、彼女は俺の事を話しが楽しくて素敵な旦那様と褒めてくれた。それは俺に好意があるからだ!」
すると義妹は、震えながらもキッパリとこう言った。
「私はただ、姉の夫であるあなたに敬意をもってお話して居ただけ…。そもそも、私には結婚を約束した愛する方が居ます。ですから、あなたの事をそう言う意味で好きになる事はありません!」
この言葉に、夫はショックを受けた様でその場に崩れ落ちた。
そして私は、そんな夫に離縁を突き付けた。
すると、夫は離縁など大袈裟だと言ったが…私はそれを無視し、こう言った。
「あなたが子供の面倒をちっとも見てくれないのは…私を時々冷めた目で見るのはどういう事かと思って居たけれど、やっとそれが分かったわ。あなたの様な夫は…そして父親はもう要らない。この子に付き纏うのは辞め、今からでもその女に会いに行ったらいいわ─!」
その後…この出来事を知った私の父は、大事な娘二人を傷付けた夫を許さず…離縁したならもう赤の他人だと言って、彼の事業を支援する事を辞めた。
それにより、元夫の事業は傾き…やかて彼は、多額の借金を抱えて破産する事に─。
そして住む家さえ失くした彼は、本当にかつて愛したその女に助けを求め合いに行ったが…彼女はもうとっくに結婚しており、彼の事など忘れてしまって居た。
それを知った彼は、自分は何て馬鹿だったのかと後悔したそうだが…もう遅いのだった。
一方、私はと言うと…元夫の知人である彼と恋人関係となり、近く再婚しよう言う話になって居る。
彼は、離縁した私を心配し実家にも頻繁に顔を見せてくれ…良き相談相手となってくれて居た。
そんな日々を過ごす内…私達は自然と惹かれ合い、そういう仲になったのだ。
彼は私だけでなく、子供の事も大事にしてくれ…そんな私達なら、きっと良い家族になれるのではないかと思って居るわ─。
0
お気に入りに追加
105
あなたにおすすめの小説
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

【完結】婚約破棄されたので田舎に引きこもったら、冷酷宰相に執着されました
21時完結
恋愛
王太子の婚約者だった侯爵令嬢エリシアは、突然婚約破棄を言い渡された。
理由は「平凡すぎて、未来の王妃には相応しくない」から。
(……ええ、そうでしょうね。私もそう思います)
王太子は社交的な女性が好みで、私はひたすら目立たないように生きてきた。
当然、愛されるはずもなく――むしろ、やっと自由になれたとホッとするくらい。
「王都なんてもう嫌。田舎に引きこもります!」
貴族社会とも縁を切り、静かに暮らそうと田舎の領地へ向かった。
だけど――
「こんなところに隠れるとは、随分と手こずらせてくれたな」
突然、冷酷無慈悲と噂される宰相レオンハルト公爵が目の前に現れた!?
彼は王国の実質的な支配者とも言われる、権力者中の権力者。
そんな人が、なぜか私に執着し、どこまでも追いかけてくる。
「……あの、何かご用でしょうか?」
「決まっている。お前を迎えに来た」
――え? どういうこと?
「王太子は無能だな。手放すべきではないものを、手放した」
「……?」
「だから、その代わりに 私がもらう ことにした」
(いや、意味がわかりません!!)
婚約破棄されて平穏に暮らすはずが、
なぜか 冷酷宰相に執着されて逃げられません!?

田舎暮らしの貧乏令嬢、幽閉王子のお世話係になりました〜七年後の殿下が甘すぎるのですが!〜
侑子
恋愛
「リーシャ。僕がどれだけ君に会いたかったかわかる? 一人前と認められるまで魔塔から出られないのは知っていたけど、まさか七年もかかるなんて思っていなくて、リーシャに会いたくて死ぬかと思ったよ」
十五歳の時、父が作った借金のために、いつ魔力暴走を起こすかわからない危険な第二王子のお世話係をしていたリーシャ。
弟と同じ四つ年下の彼は、とても賢くて優しく、可愛らしい王子様だった。
お世話をする内に仲良くなれたと思っていたのに、彼はある日突然、世界最高の魔法使いたちが集うという魔塔へと旅立ってしまう。
七年後、二十二歳になったリーシャの前に現れたのは、成長し、十八歳になって成人した彼だった!
以前とは全く違う姿に戸惑うリーシャ。
その上、七年も音沙汰がなかったのに、彼は昔のことを忘れていないどころか、とんでもなく甘々な態度で接してくる。
一方、自分の息子ではない第二王子を疎んで幽閉状態に追い込んでいた王妃は、戻ってきた彼のことが気に入らないようで……。
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
<番外編>政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
< 嫁ぎ先の王国を崩壊させたヒロインと仲間たちの始まりとその後の物語 >
前作のヒロイン、レベッカは大暴れして嫁ぎ先の国を崩壊させた後、結婚相手のクズ皇子に別れを告げた。そして生き別れとなった母を探す為の旅に出ることを決意する。そんな彼女のお供をするのが侍女でドラゴンのミラージュ。皇子でありながら国を捨ててレベッカたちについてきたサミュエル皇子。これはそんな3人の始まりと、その後の物語―。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる