ずっと愛していたのに。

ぬこまる

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二章 遠距離恋愛編

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 魔物が強くなっている。
 今、戦っているのは大型のゴブリンで、その動くスピードは高速だ。
 くそっ! なかなか攻撃があたらない。
 王都で冒険者になって、一年半になるが、近頃は相棒と連携しないと倒せない魔物が出没していた。
 まぁ、もっとも俺がCランクになったから、受注できるクエストのレベルがあがり、街から遠く離れた辺境地まで旅をしていることもあるが……。

「おい、ラルク! 俺が魔物の動きを止めるから、とどめを刺してくれ!」

 わかった! と答えた相棒が剣を持って飛びあった。
 ラルクは平民で魔法は使えないが、剣の腕なら俺よりもある。
 俺は氷魔法を使って魔物の足を凍らせた。あらゆる魔物を倒すためには、火の魔法だけじゃだめだ。魔物の弱点をついて、このように効果的な魔法を使えば、強い魔物も倒せる。

「はっ!」

 ラルクの剣が魔物の心臓に突き刺さる。
 なんとか倒したが、戦闘中に俺は魔物に攻撃されて、腕を怪我していた。

「大丈夫か、ジャス」

 剣を鞘におさめたラルクが駆け寄ってくる。
 ああ、と答えた俺は、道具袋からポーションを取り出す。残っているのはこれだけ。回復魔法が使えない俺には、このポーションだけが頼り。
 だが、これはルイーズにもらったものではなく、王都で買ったものだ。よって、効き目が悪いから完全に回復できない。このまま、戦闘を繰り返していては、死につながるな。

 ああ、回復魔法が使える聖女が仲間だったら、どんなに旅が楽になることだろう……。
 
 だがあいにく、俺には聖女の知り合いはいない。
 っていうか、一年も王都で冒険者をしているが、聖女と出会ったことなど一度もなかった。
 どうも街の噂によると、聖女はかなり裕福な貴族のお嬢様で、どこにもパーティに所属していない、気まぐれな人物らしい。ちょっとだけ興味があるな……。

「お~い、ジャス」
「聖女か……」
「お~い! 妄想ちゅうに悪いが、お宝は手に入れたんだ。さっさと王都に帰ろうぜ」
「あ、ああ……そうだな」
「風魔法で飛んでいこうぜ! これ重いんだよ……」

 ラルクは道具袋から大きな宝石がついたネックレスをとり出す。
 これは昔、旅をする貴族がゴブリンどもに襲われて奪われたものらしい。そして俺とラルクは、宝石を奪還するクエストを受注し、ゴブリンの巣までいって、なんとか取り返していたのだ。

「……よし、帰ろう」

 俺は相棒を風魔法で飛ばす。
 青空のなか腕を伸ばし、鳥のようになった彼は、

「ひゃっほー! 気持ちいいな~!」

 と叫んで大喜び。魔力は大幅に使うが、王都に帰るだけだから問題ないだろう。


「……よし、これだけ金が貯まれば買えるだろう」

 王都に戻った俺は、部屋で金を数えていた。
 金貨の単位はワムで、現在、5千万ワムほど貯まっている。ちなみにBランク冒険者の登録料は3千万だが、俺はCランクのままでいた。
 というのも、俺には買いたいものがある。いや、正確には親に家を買ってあげたいのだ。今まで貧乏で苦労したから、とっておきの大豪邸を……。

 よし、帰ろう。
 
 旅で忙しくて、ルイーズに手紙を出していないが、かまうものか。
 最近、俺はルイーズのことでモヤモヤしている。婚約はしているものの、彼女はまったく俺に身体を許してくれないのだ。
 でもまぁ、抱きしめてはくれる。
 しかしキスなど、胸をもむ、など俺の欲求を満たすことは、ぜんぜん受け入れてくれない。

 ああ、婚約して、一年ちょっと……さすがにもう我慢できないよな。

 思えば俺は、ルイーズに果敢に挑んだ。
 だが、俺のアプローチが下手なのか、なかなかうまくいかない。

 キスしていいか? 

 と聞いてもダメだから、無理やりしてやろうと思い、顔を近づけた。
 だが、顔を避けられる。彼女は、本当に俺のことが好きなのだろうか?
 最近、そんな疑問がわく。そんなルイーズは、

『結婚してからキスしよう』

 と言う。
 まぁ、純潔な理念だとは思う。だが、情けないことに俺はもう無理。
 
「はぁ……やりてぇ……」

 ため息とともに、本音が漏れた。 
 すると料理を作っていた相棒が、ひょっこり顔を出す。

「男は溜まる生き物だぞ、ジャス、我慢してないでやってこい! 婚約者がいるんだろ?」
「……それがな、やらせてくれないんだ」
「ふぅん、なんかその婚約者の女って変わってんな」
「え?」
「だって考えてみろよジャス、おまえは彼女のために命をかけて戦ってるんだろ?」
「まぁ、そうだ」
「じゃあ、彼女はおまえのために何をしてくれた?」
「……ポーションをくれた」
「ははは、回復薬もいいけどさ、いつ死ぬかもわからない男の願いを叶えてあげないなんて……俺にはちょっと考えられないね」

 たしかに……と思った。
 俺たち冒険者は戦いの毎日で、いつ魔物に殺されてもおかしくない。そう、現実は残酷なのだ。
 ルイーズは、そのことをわかっているのだろうか?

 俺は明日、死ぬかもしれない。

 今日だって魔物がもっと強くて、たくさんいたらどうなっていたことか。
 急に恐ろしくなった俺は、身体が震えてきた。

 ああ、やりたい! 

 ルイーズとやるまえに死ぬ、そんなことを考えたら、恐ろしくなって気が狂いそうだ。

「ジャス、もう我慢するなよ……な?」
「……そうだな! もう俺はやる……やってやるよ!」
「よし、じゃあ今日は綺麗な女を買おうぜ!」
「……は?」
「おいおい、ジャス、女は買えるんだぞ、一年も王都にいるのに、そんなことも知らなかったのか? っていうか、商売女が嫌なら、パーティに女の冒険者を入れようぜ、やりたいときにできる」
「……ラルク、おまえって本当にクズだな」
「いやいや、ふつうのことだが……え?」

 呆れているラルクは、俺のことを不思議な生き物のように見てくる。
 な、なんで? 俺の方がおかしいのか? 

「ジャス……童貞で死ぬなんてやめておけ」
「……ラルク、やっぱりそう思うか?」
「ああ、婚約者で卒業したい気持ちはわかる。だがな、現実はそんなに甘くない。俺なんて姉の友達が初体験だぜ」
「まじか……」
「ああ、そんなに初体験を婚約者にこだわるな、どうせやっててもバレない。もしも変に思われたら勉強したって言えばいい、だろ?」
「……」
「?」
「……いや、だめだ!」
「あ、まがあった! 今、ちょっと他の女とやろうと考えただろ、ジャス」

 ちがうちがう、と俺は否定して首を振る。
 俺の初体験はルイーズだって決めているのだ。その決意を曲げるなんて、そんなことできない。

「やれやれ、じゃあ、俺はひとりで女を買うか……」
「そうしろ」
「あ! 料理できてるから食べろよ、特製の肉野菜炒めだ」
「わかった」
「よーし、今日はどんな女にしようかなっ!」

 わはは、と陽気に笑うラルクは、さっさと部屋から出ていった。
 なんなんだあいつは? 
 剣の腕と料理ができるから相棒にしているが、最低なクズ人間だな。

「だが……童貞で死ぬのは嫌だな……それだけはわかる」

 チャリン、チャリン、と金貨を袋にしまっていく。
 そして俺も部屋から出た。とても気持ちがいい青空が広がっている。

「いくか……」

 ブワッと風魔法を使って飛びあがる、トルシェに帰ることに決めた。だが、なんだか街じゅうが騒がしい。王都の雰囲気がいつもと違うことに気がつく。

「なんだ?」

 どうやらパレードがあるらしい。
 宙を舞い散る花びら、王都の街のみんなが広場に集まって、特に女たちがキャーキャーと叫んでいる。そこには、王族が顔を出している豪華な建物があり、彼らは上から手を振っていた。だが、そのなかに見覚えのある人物がいた。

「……ロイ!」

 あいつは魔法学校時代、ルイーズにちょっかいをかけていた王族。なぜあそこにいる? 俺の記憶が正しければ、トルシェの街を治める貴族だったはずだが? 
 
 パパパーン!

 突然、管楽器が鳴り響き、民衆たちは静かになる。
 誰もが顔をあげ、一歩前に出た王族に注目していた。すると、その王族が大きな声で話し出す。その内容は季節は夏で暑いこと、雨が少ない天候のこと、さらに経済のこと。なかなか博識な男だと思った。
 それに顔もかっこいい。若い女たちが興奮して話しているので、耳を傾ける。

「相変わらずのイケおじですわ~」
「四十歳、バツイチ子持ちらしいですわ 」
「再婚はしないのかしら?」
「噂によると男が好きみたいよ」
「いいえ、ヴェルハイム様は王都のすべての女性が彼女なのですわ!」
「いや~ん♡」

 と興奮している女たち。
 わけわからん、と思ったが、男の名前を聞いて、ピン! と来た。

「ヴェルハイム……ってことはあの男が賢者か……よし、顔は覚えたぞ!」

 俺は彼の顔をじっと見つめ、その話を聞いた。

「そして民よー! このたび、次期国王が決まったので発表をする……ロイ・ノアーユ様だ!」

 俺は、その言葉に驚いたと同時に、ほっと安心した。
 ロイが次期国王! とすると、もうルイーズに手を出すことはないだろう。国王になったなら、それ相応な女性と結婚するだろうから。そして、その予想通りのことをヴェルハイムは言った。

「プリンセスロードを実行する。ロイ様の婚約者は……東国アディアスの令嬢だ」

 令嬢……令嬢……。

 と民のみんなは言って、驚いている。
 たしかに、プリンセスじゃないのかと思っているのだろう。つまり、ロイの婚約者は姫ではないと言うことだ。
 じゃあ、もうプリンセスロードではないじゃないかと思うが、誰もそのことには野次を飛ばさない。
 一方、時期国王のロイは、どこか虚ろな瞳で、心ここにあらずといったところだな。
 まるで、かごのなかの鳥……。

「さてと……」

 式典が終わった。
 俺はヴェルハイムに近づこうと、徒歩で移動する彼の跡を追った。
 そして王宮の門の手前まで来る。しかし周りには護衛がいるので、ふつうに話しかけては邪魔をされるだろう。
 そこで俺は風魔法を使い、少しだけ宙に浮く。足を音を立てず接近し、護衛にバレることなく、賢者にそれらしく話しかけた。

「あんたがヴェルハイムか?」

 その瞬間、護衛たちが剣を構え、その切っ先を俺に向けてくる。
 だが、魔物の牙に比べれば、このような威嚇はまったく怖くない。そもそも彼らに殺意が感じられない。

 ふっ、笑っちゃうぜ。

 俺は土魔法を使って、一瞬だけ大地を揺るがす。

「ん?」

 ヴェルハイムは、かっと目を見開き宙に浮いた。
 しかし護衛たちは倒れて、戦闘不能になっている。こいつら、雑魚だな。きっと貴族のエリート集団だから魔法は使えるのだろうが、まったく実践できていない。こんなんでよく王都の大臣である賢者を護衛しているな。

「……」

 氷のような冷たい瞳。
 ヴェルハイムは俺のことを値踏みするように見つめ、とても低い声を出した。なんとも女が喜びそうな声をしてやがる。

「おまえ、なかなかの魔力を持っているな……で、我になんのようだ?」
「単刀直入に言う。俺を弟子にしろ」
「ほう……なぜ?」
「Aランク冒険者になるためだ」

 俺は真剣な眼差しで、賢者を見つめた。
 
「そのためには金がいる。そして、金を手に入れるためには無属性魔法が使えるといい、と知り合いから聞いた……」
「金か……たしかに無属性魔法を使えば、いくらでも手に入る。だが、よくその知り合いは無属性魔法の存在に行き着いたな、誰だその者は?」
「トルシェの街に住む道具屋のおじいさんだ。名前はダグラス・モンテーロ」

 モンテーロ……と言い返した賢者は、クスッと笑った。
 ん? 何かあるのか?

「ふふふっ、もしかして君の名前はジャス?」
「ああ」
「ではダグラスという者の孫と婚約していないか?」
「ああ、ルイーズは俺の婚約者だ……さすが賢者だな、俺の心が読めるのか?」
「ふふっ、さすがに心を読む魔法なんてない。しかし運命のイタズラか、我はルイーズと面識があってな、ジャスくんのことを聞いていたのだよ……ククッ」

 ん? 賢者の目つきが、より鋭いものに変わった。しかし口元は、どこか笑っているようにも見える。
 
「よかろう、弟子にしてやる」
「よっしゃぁ!」
「しかし条件がある」
「なんだ?」
「魔物の巣にあるコアを破壊してほしい」
「コアってなんだ?」
「通常の魔物は自然に繁殖をするが、コアは魔界の魔物を産み出す邪悪なものだ。こいつが成長すると、やがて人類は滅びるだろう」

 まじか! と思った。魔界なんてあるのかよ。
 
「賢者、そのコアってどうやって破壊するんだ?」
「切るなり焼くなり好きに破壊しろ、そのためなら無属性魔法を教えてやろう、それと……」
「ん?」
「我の娘を旅に連れていけ回復魔法が使える。きっと役に立つだろう」
「娘?」
「ああ、本当なら我が旅をしたいところだが、もう歳だ……長距離の旅は疲れてしまう」
「歳には勝てないってことか?」
「うむ……お! ちょうどいい、いま宮殿の門で立っているのが、娘の……」

 賢者が言い終わる前に、俺は門のところにいる綺麗な女性を見つけた。
 そして向こうも俺の存在に気づいているらしく、ニコッと笑う。
 体型などの雰囲気はルイーズのお姉さんに似てグラマーだが、髪の色がピンクで可愛い感じもある。しかし彼女の微笑む顔は、得体の知れない怖さがあった。それは魔物との戦闘の際に起きる、死に接近したときに感じる、ちょっとしたスリルという快感にそっくりものだった。
 
「ケイトだ……」

 賢者が俺に向けて、自分の娘を紹介する。
 
 このときの俺は、どうかしていた。

 というより、俺は無知だったのだ。
 この世界のことも、女のことも、何も知らない若造、そう言わざるを得ない。 
 これが悪魔との契約だとは、まったく気づいていなかったのだから……。
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