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やばいところに来てしまったらしい

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 んで、なんで俺はこんなところにいるんだ?

 死んだら天国に行くんじゃないのか?母さんはそう言ってたぞ。

 もしかして、ここが天国なのか?

 いや、でも父さんは死んだら地球とは異なる世界とやらに転生するとか言ってたな。

 だとしたらここがその異なる世界…なのか?

 とりあえずここら辺を探索してみよう。何かがわかるかもしれない。

 ん~、まぁでも、ずっとここ(森)に居るわけには行かないし、まずはこの近くに人里か何かがないか探してみよう。

 
 しばらく歩いていると、なにか地響きのようなものが近づいてくる音がした。

 もしかして、熊がいるとか…。うん、森だからあり得なくないな。でもそれにしては音が大きいような…。
 …って、そんな事考えてる暇はないっ!早く逃げないと!

 俺はとりあえず近くにあった木の後ろの茂みに隠れた。一応寝たふりをしておくのも忘れない。

 だが、一向に熊は現れない。いや、むしろなにかと戦ってる…?

 俺は、慎重に音を出さないように茂みから顔を出した。

「…え?」

 あ、やばい!驚きのあまり声を出してしまった。

 そこには、2体の化け物がいた。

 いやでも仕方ないだろ?!この世のものとは思えない生き物が2体もいたら、誰だってそりゃ声に出して驚くだろっ?!

 でも幸いなことに、化け物たちは俺の存在にはまだ気がついていないようで、お互いにバチバチと威嚇し合っている。

 本能が訴えかけてくる。この隙に逃げないと、俺は…死ぬ。多分…

 俺は後方に必死で逃げた。1、20分くらい走っただろうか。気がつくと、森が少し開けていて、湖のようなものの近くまで来ていた。

 運がいいことに、湖の隣には少し大きめの小屋のようなものも建っている。外に居ては危ないので、取り敢えず俺は小屋のドアらしき板を叩いた。

「だ、だれか居ませんか?!」

シーン

 もう一度叩いてみる。

「だれか!居ませんかー?!」

シーン

 …誰も居ないのか。

 仕方がない。この際、不法侵入だとかなんだとか考えている余裕はない。俺は取り敢えず小屋の中に入った。

 小屋はとてもボロく、もしもあの化け物たちが来たらその移動中の爆風だけで潰れてしまいそうだ。だが、ないよりはいい。

 俺は、たまたまそこにあった椅子に腰かけ、考えた。

 どうやら俺は、とんでもなくやばいところに来てしまったらしい。


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