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第8章
吐露と懇意 8
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「面白かったですね~…僕、本当に主人公が途中で死んでしまったと思ってましたよ」
「俺もです、このタイミングで死ぬの?中盤の一番良いところなのに?って思いました。騙されましたよ」
「あはは!黒原さん、ヒロインと同じ顔してましたもんね」
「ええ?見てたんですか!?映画に集中してくださいよ!!」
と映画の感想を話しながら二人で並んで歯を磨いて、
スムーズに寝室へと移動し、
いつも通りスペースを空けて広い広いワイドキングのベッドに並んで寝転んで、
無事に消灯してしまった。
…あれ。何も起きない。
白石さんからの無駄な接触もなく、近付いてきたりも全くない。
…あれ?何も起きずにこのまま朝になる感じか?
ちらっと横を見ると、薄暗い中で白石さんと目が合った。
ニコ…と笑って手を伸ばしてくる白石さん。
指先をちょいっとつまむと、嬉しそうな表情をする…
うわ、なんだこの人。可愛い。どうしてこんな可愛いんだよ…
「あの…白石さん」
「どうしました?眠れないですか?」
「…白石さんは…その」
なんと言ったら良いか分からない。
むくっと体を起こし座る白石さん。
「なんでも言ってください。ちょっとお話しましょうか」
俺も同じように体を起こす。
「あの…なんと言ったら良いのか…」
言葉に詰まっていると、白石さんが体を乗り出し、指先を伸ばし額に触れてきた。
「怖くなっちゃいました?」
「え?」
「あのあと…大丈夫だったかなって心配してたんですけど…連絡できなくてごめんなさい」
「あのあと…?」
って、どのあと…?白石さんに振られた後のこと…?確かに関係が壊れるのは怖かったけど、今は安心しきっているというか…
「嫌なこと思い出してないですか。何でもお話聞きますよ」
「嫌なこと…あ、もしかして元カノのことですか?」
「え?あ…そうです」
「それが全然…思い出してもないし、むしろ今思い出したまでありますよ。あの時白石さんが一緒に居てくれたし…そもそも元カノどころじゃなかったですもん」
「…そうなんですか?」
「そうですよ!あんなことより、白石さんを失ってしまうことの方がよっぽど恐ろしかったです」
「それは…!すみません…」
「でも心配してくれてたんですね…ありがとうございます」
申し訳なさそうな顔をする白石さんの頬を撫でる。
柔らかくてすべすべしていて…少しくすぐったそうな表情。可愛い。可愛すぎる。何なんだよこれ…
こんなに白石さんに対して可愛い可愛いという感情で心が爆発しそうだと言うのに、白石さんは本当にいつもと変わらない。
「…あの、俺たちって恋人同士になった…んですよね」
「…そうだと思ってましたけど…照れますね。どうされました?」
「恋人同士は…罪悪感とかなく寝る前にキスをしても良いんですかね?」
そう問いかけると少し驚いた顔をして、
「…もしかして機会をうかがってました?」
「う……そうです」
「なんか様子が違うなと思ってはいたんですけど…」
「…バレバレでしたね」
「寝る前じゃなくても…いつでも良いのに。さすがに公衆の面前とかは人目が気になりますけど」
「…以前外で俺にかましてきた人が何か言ってる…」
「ちょっと!ちゃんと他に誰も居ないか入念に確認しましたよ!」
「ええ?本当ですか?確認する暇もなく唇奪われたと思ったんですけど…」
「それはさすがに僕のことを見くびりすぎです、いくら黒原さんのことしか見てないとは言え、周囲の確認ぐらいはちゃんとしますから!」
「お、俺のことしか見てないって…」
ボッと顔が熱くなって、みるみる赤くなるのを感じる。
「…今は本当に黒原さんだけしか見えてないですけど」
少し頬の赤い白石さんとしばし見つめ合う。
いざするぞって雰囲気になると照れるしすごい緊張するな…言い出したの失敗だった…
きし…とお互いが身を乗り出す音がする
ワイドキングは…ちょっと広過ぎじゃないですか、白石さん…
目を瞑り、そっと唇が重なる。
まぶたの真っ暗な視界の中で、白石さんのしっとりとしたくちびるの柔らかさがダイレクトに伝わってくる。
白石さんが恋人…
白石さんが俺の恋人…!
その事実があまりにも嬉しくて、もう一生このまま唇を離したくないとすら思う。
ちゅ…と小さな音を出して唇が離れて目を開けると、白石さんが照れたように笑う。
「…なんか変な感じですね」
「え?」
「今まで何度かキスして来ましたけど…もうただの友達じゃないんですね、僕たち」
ボッと顔が熱くなる。
「…白石さん、知り合って日が浅いのに急にキスしてくるんですもん…突然過ぎて時間止まりましたよ、あの時すごい戸惑ったんですからね」
「あれは…黒原さんが申し訳ない気持ちになるんじゃないかと思って。気にしないでくださいって言うよりも混乱させてあげた方が効果的かなと咄嗟に判断したんですよ」
「え…?効果的…どういうことです…?」
「忘れちゃいました?僕の服に」
「わーーー!!忘れてないです!!もうほんっっとに!!僕のこと気遣ってしてくれてたってことだったんですね!!」
とんでもないことを思い出してしまった!!!
そうだよ、普通に顔合わせてるけど…!とんでもないことが起きてたじゃないか…!!
「僕の欲求ももちろん完全に無かったわけじゃなかったんですけど…予想以上に黒原さんは僕のこと意識してくれましたね。その後遊びのキスは嫌だって言って来たの…はあ、可愛かった…」
「待って待って待って待って、記憶が捏造されてません!?いつ俺がそんなこと言いました!?」
「あ、もちろん今も可愛いですよ、安心してください。黒原さんは何をしててもほんと…可愛らしくて…全てが大切な思い出ですよ」
「あの…恥ずかしい記憶は消してくれませんか…」
「恥ずかしい記憶って?そんなのないですけど」
「いやあの…色々あるでしょ…!?普通の友達の関係ではしないようなこと色々ありましたよね…!?」
「…ああ!大丈夫ですよ。黒原さんは恥ずかしかったかもしれないですけど、僕にとっては恥ずかしい記憶じゃないので。安心してください」
「大丈夫でもないし安心もできないですよそれ!!」
「黒原さんの気持ち良い顔も全部僕しか知らないですし」
「やめてやめてやめてやめて……」
顔を合わせているのがあまりにも恥ずかしくなって、バタッと倒れて布団に顔を埋める。
「…黒原さん、怒りました?」
「…怒ってるんじゃなくて、恥ずかしがってるんですよ…」
「恥ずかしがってる顔も見たいな。黒原さんのことなら全部知りたいです」
指を絡められて、きゅっと握られる。
そのままぐっと反対側に体を開かされて、身を乗り出した白石さんに押し倒されるような…上から見下ろされるような体勢になる。
「あ!ちょっと…」
「…ほら可愛い。黒原さんは恥ずかしがっててもこんなに可愛いです」
小さく笑みを浮かべて、満足そうな顔で見下ろされる。
見られたくない顔を見られて、逃げ出したくても逃げ場のない、体の奥がむずがゆいような居た堪れないような感覚が襲ってくる。
せめてもの抵抗で、白石さんからさっと目を逸らす。
ぎゅう…と体重のかかる手のひらから白石さんの体温が伝わってきて、重みがなんとも生々しくて胸もぎゅうっとなる。
「…人のこと可愛い可愛いって言いますけど…白石さんのほうが可愛い指数はるかに高いですからね」
「ええ?そうですか?」
「自分の可愛さを理解した上であれこれしてると思ってましたよ」
「何言ってるんですか………まあ、ちょっとあざといかなって思う時はたまにありましたけど」
「ほらやっぱり…!」
「黒原さんに良く見られたかったんですよ、仕方ないでしょ」
すっと手が離れると、改めて座り直して姿勢をなおす白石さん
「…あの、黒原さん」
「は、はい…何でしょう」
改まった感じになるもんだから、俺も起き上がって座り直す。
「吉川さんって…黒原さんのことを名前で呼ぶんですか」
「え?吉川さん?いや…」
そういえば…俺の名前わざとらしく呼んでたな。
「…多分前回、白石さんが俺のこと下の名前で呼んでたからじゃないですか。意趣返しみたいなもんだと思いますよ…そういうことしそうですもん、あの人」
「ふうん…黒原さんは吉川さんとずいぶん仲良くなっちゃいましたね」
「いやいや…ただの友人?でもないな…仕事の付き合いというか…」
「次もし飲みに行かれることがあったらお店の名前は事前に知りたいです…何かあったらすぐ迎えに行けますから」
もう会わないで…とかじゃないんだ。元カノは男友達とすら会わせようとしてこなかったのにな。
「もう心配かけるようなことはしませんよ。俺の方が年上なはずなのに、ほんと情けなくてすみません」
「いえ、心配は僕が勝手にしてることですから…黒原さんはに楽しいことたくさんしてもらいたいし、気にしないで大丈夫ですよ」
こ、心がひろい…!
本当に白石さん、俺より年下なのか?
わりと軽率な行動で白石さんを心配させてしまっていたけど、本当にやめよう…。
「…あの、昨日ちゃんと言えなかったから…今言いたいんですけど」
「え…何、何ですか…」
すごい真剣な顔になってしまった。
何かしたかな…俺…
「イヤリング…ありがとうございました。いつ買ったんですか?全然気が付かなかった…」
「あ、いや…白石さんが気になってたやつだったから…でも重かったですよね」
「え?そんなに重さはないと思いましたけど…」
「あ、いや、気持ちが…」
「気持ちが?そんなことないです。すごく嬉しいです」
「喜んでもらえたなら良かったです…片割れもあるので、今度渡しますね」
「ありがとうございます…それから、」
「え?」
唐突にちゅっと口付けをされる。
「…三芳くん、好きです。これからもよろしくお願いします」
頬を染めながらまっすぐこちらを見て微笑む白石さん…
「……!こ、こちらこそ…!よろしくお願いします…!」
頭の中で白石さんのセリフが何度も響き渡る。
三芳くん、好きです…
三芳くん、好きです…!
三芳くん、好きですって!!!
嬉し過ぎて羽まで生えてきそうだ…!!
生きてて良かったぁ…!!!
「俺もです、このタイミングで死ぬの?中盤の一番良いところなのに?って思いました。騙されましたよ」
「あはは!黒原さん、ヒロインと同じ顔してましたもんね」
「ええ?見てたんですか!?映画に集中してくださいよ!!」
と映画の感想を話しながら二人で並んで歯を磨いて、
スムーズに寝室へと移動し、
いつも通りスペースを空けて広い広いワイドキングのベッドに並んで寝転んで、
無事に消灯してしまった。
…あれ。何も起きない。
白石さんからの無駄な接触もなく、近付いてきたりも全くない。
…あれ?何も起きずにこのまま朝になる感じか?
ちらっと横を見ると、薄暗い中で白石さんと目が合った。
ニコ…と笑って手を伸ばしてくる白石さん。
指先をちょいっとつまむと、嬉しそうな表情をする…
うわ、なんだこの人。可愛い。どうしてこんな可愛いんだよ…
「あの…白石さん」
「どうしました?眠れないですか?」
「…白石さんは…その」
なんと言ったら良いか分からない。
むくっと体を起こし座る白石さん。
「なんでも言ってください。ちょっとお話しましょうか」
俺も同じように体を起こす。
「あの…なんと言ったら良いのか…」
言葉に詰まっていると、白石さんが体を乗り出し、指先を伸ばし額に触れてきた。
「怖くなっちゃいました?」
「え?」
「あのあと…大丈夫だったかなって心配してたんですけど…連絡できなくてごめんなさい」
「あのあと…?」
って、どのあと…?白石さんに振られた後のこと…?確かに関係が壊れるのは怖かったけど、今は安心しきっているというか…
「嫌なこと思い出してないですか。何でもお話聞きますよ」
「嫌なこと…あ、もしかして元カノのことですか?」
「え?あ…そうです」
「それが全然…思い出してもないし、むしろ今思い出したまでありますよ。あの時白石さんが一緒に居てくれたし…そもそも元カノどころじゃなかったですもん」
「…そうなんですか?」
「そうですよ!あんなことより、白石さんを失ってしまうことの方がよっぽど恐ろしかったです」
「それは…!すみません…」
「でも心配してくれてたんですね…ありがとうございます」
申し訳なさそうな顔をする白石さんの頬を撫でる。
柔らかくてすべすべしていて…少しくすぐったそうな表情。可愛い。可愛すぎる。何なんだよこれ…
こんなに白石さんに対して可愛い可愛いという感情で心が爆発しそうだと言うのに、白石さんは本当にいつもと変わらない。
「…あの、俺たちって恋人同士になった…んですよね」
「…そうだと思ってましたけど…照れますね。どうされました?」
「恋人同士は…罪悪感とかなく寝る前にキスをしても良いんですかね?」
そう問いかけると少し驚いた顔をして、
「…もしかして機会をうかがってました?」
「う……そうです」
「なんか様子が違うなと思ってはいたんですけど…」
「…バレバレでしたね」
「寝る前じゃなくても…いつでも良いのに。さすがに公衆の面前とかは人目が気になりますけど」
「…以前外で俺にかましてきた人が何か言ってる…」
「ちょっと!ちゃんと他に誰も居ないか入念に確認しましたよ!」
「ええ?本当ですか?確認する暇もなく唇奪われたと思ったんですけど…」
「それはさすがに僕のことを見くびりすぎです、いくら黒原さんのことしか見てないとは言え、周囲の確認ぐらいはちゃんとしますから!」
「お、俺のことしか見てないって…」
ボッと顔が熱くなって、みるみる赤くなるのを感じる。
「…今は本当に黒原さんだけしか見えてないですけど」
少し頬の赤い白石さんとしばし見つめ合う。
いざするぞって雰囲気になると照れるしすごい緊張するな…言い出したの失敗だった…
きし…とお互いが身を乗り出す音がする
ワイドキングは…ちょっと広過ぎじゃないですか、白石さん…
目を瞑り、そっと唇が重なる。
まぶたの真っ暗な視界の中で、白石さんのしっとりとしたくちびるの柔らかさがダイレクトに伝わってくる。
白石さんが恋人…
白石さんが俺の恋人…!
その事実があまりにも嬉しくて、もう一生このまま唇を離したくないとすら思う。
ちゅ…と小さな音を出して唇が離れて目を開けると、白石さんが照れたように笑う。
「…なんか変な感じですね」
「え?」
「今まで何度かキスして来ましたけど…もうただの友達じゃないんですね、僕たち」
ボッと顔が熱くなる。
「…白石さん、知り合って日が浅いのに急にキスしてくるんですもん…突然過ぎて時間止まりましたよ、あの時すごい戸惑ったんですからね」
「あれは…黒原さんが申し訳ない気持ちになるんじゃないかと思って。気にしないでくださいって言うよりも混乱させてあげた方が効果的かなと咄嗟に判断したんですよ」
「え…?効果的…どういうことです…?」
「忘れちゃいました?僕の服に」
「わーーー!!忘れてないです!!もうほんっっとに!!僕のこと気遣ってしてくれてたってことだったんですね!!」
とんでもないことを思い出してしまった!!!
そうだよ、普通に顔合わせてるけど…!とんでもないことが起きてたじゃないか…!!
「僕の欲求ももちろん完全に無かったわけじゃなかったんですけど…予想以上に黒原さんは僕のこと意識してくれましたね。その後遊びのキスは嫌だって言って来たの…はあ、可愛かった…」
「待って待って待って待って、記憶が捏造されてません!?いつ俺がそんなこと言いました!?」
「あ、もちろん今も可愛いですよ、安心してください。黒原さんは何をしててもほんと…可愛らしくて…全てが大切な思い出ですよ」
「あの…恥ずかしい記憶は消してくれませんか…」
「恥ずかしい記憶って?そんなのないですけど」
「いやあの…色々あるでしょ…!?普通の友達の関係ではしないようなこと色々ありましたよね…!?」
「…ああ!大丈夫ですよ。黒原さんは恥ずかしかったかもしれないですけど、僕にとっては恥ずかしい記憶じゃないので。安心してください」
「大丈夫でもないし安心もできないですよそれ!!」
「黒原さんの気持ち良い顔も全部僕しか知らないですし」
「やめてやめてやめてやめて……」
顔を合わせているのがあまりにも恥ずかしくなって、バタッと倒れて布団に顔を埋める。
「…黒原さん、怒りました?」
「…怒ってるんじゃなくて、恥ずかしがってるんですよ…」
「恥ずかしがってる顔も見たいな。黒原さんのことなら全部知りたいです」
指を絡められて、きゅっと握られる。
そのままぐっと反対側に体を開かされて、身を乗り出した白石さんに押し倒されるような…上から見下ろされるような体勢になる。
「あ!ちょっと…」
「…ほら可愛い。黒原さんは恥ずかしがっててもこんなに可愛いです」
小さく笑みを浮かべて、満足そうな顔で見下ろされる。
見られたくない顔を見られて、逃げ出したくても逃げ場のない、体の奥がむずがゆいような居た堪れないような感覚が襲ってくる。
せめてもの抵抗で、白石さんからさっと目を逸らす。
ぎゅう…と体重のかかる手のひらから白石さんの体温が伝わってきて、重みがなんとも生々しくて胸もぎゅうっとなる。
「…人のこと可愛い可愛いって言いますけど…白石さんのほうが可愛い指数はるかに高いですからね」
「ええ?そうですか?」
「自分の可愛さを理解した上であれこれしてると思ってましたよ」
「何言ってるんですか………まあ、ちょっとあざといかなって思う時はたまにありましたけど」
「ほらやっぱり…!」
「黒原さんに良く見られたかったんですよ、仕方ないでしょ」
すっと手が離れると、改めて座り直して姿勢をなおす白石さん
「…あの、黒原さん」
「は、はい…何でしょう」
改まった感じになるもんだから、俺も起き上がって座り直す。
「吉川さんって…黒原さんのことを名前で呼ぶんですか」
「え?吉川さん?いや…」
そういえば…俺の名前わざとらしく呼んでたな。
「…多分前回、白石さんが俺のこと下の名前で呼んでたからじゃないですか。意趣返しみたいなもんだと思いますよ…そういうことしそうですもん、あの人」
「ふうん…黒原さんは吉川さんとずいぶん仲良くなっちゃいましたね」
「いやいや…ただの友人?でもないな…仕事の付き合いというか…」
「次もし飲みに行かれることがあったらお店の名前は事前に知りたいです…何かあったらすぐ迎えに行けますから」
もう会わないで…とかじゃないんだ。元カノは男友達とすら会わせようとしてこなかったのにな。
「もう心配かけるようなことはしませんよ。俺の方が年上なはずなのに、ほんと情けなくてすみません」
「いえ、心配は僕が勝手にしてることですから…黒原さんはに楽しいことたくさんしてもらいたいし、気にしないで大丈夫ですよ」
こ、心がひろい…!
本当に白石さん、俺より年下なのか?
わりと軽率な行動で白石さんを心配させてしまっていたけど、本当にやめよう…。
「…あの、昨日ちゃんと言えなかったから…今言いたいんですけど」
「え…何、何ですか…」
すごい真剣な顔になってしまった。
何かしたかな…俺…
「イヤリング…ありがとうございました。いつ買ったんですか?全然気が付かなかった…」
「あ、いや…白石さんが気になってたやつだったから…でも重かったですよね」
「え?そんなに重さはないと思いましたけど…」
「あ、いや、気持ちが…」
「気持ちが?そんなことないです。すごく嬉しいです」
「喜んでもらえたなら良かったです…片割れもあるので、今度渡しますね」
「ありがとうございます…それから、」
「え?」
唐突にちゅっと口付けをされる。
「…三芳くん、好きです。これからもよろしくお願いします」
頬を染めながらまっすぐこちらを見て微笑む白石さん…
「……!こ、こちらこそ…!よろしくお願いします…!」
頭の中で白石さんのセリフが何度も響き渡る。
三芳くん、好きです…
三芳くん、好きです…!
三芳くん、好きですって!!!
嬉し過ぎて羽まで生えてきそうだ…!!
生きてて良かったぁ…!!!
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