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第3章
遊びと本気 6
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何が起きたか理解するまで時間にしてたった一瞬のことではあろうが、その一瞬の間に俺の脳内には無限の宇宙が広がり瞬く星の間をふわふわと漂い、土星の輪っかで滑り台をして…
そのうち脳が超高速で現状の解析を始めてドーンと目の前に現れたのは、キスという2文字。
「…………!?!?」
宇宙から現実に引き戻されて、思考がフル回転する。
な、な、何が!!
起きているんだ!!?
いやキスをされているのだけれども!!!
それにしたってなぜこんなことに!!!!
混乱しているところにぬるりと唇に生々しい感触がして、ビクーッと体が跳ねる。
どうやら唇を舐められたらしい。
慌てて顔を逸らそうとするが、がっちりと固定されていて動かない。なんとか白石さんの腕を掴み、強引に引き剥がす。
「ぶはっ…い、一体何を…」
一瞬口元が離れたが今度は腕を掴まれ、ぐいっと頭と共に引き寄せられ再び唇がぶつかる。
問いただすために開いた口の中に、白石さんの舌がねじ込まれ…
「~~~ッッッ!!」
にゅる、と舌と舌が擦れ合い、えも言われぬ感覚が電流のように舌から全身に広がっていく。
温かい白石さんの舌が自分の舌に絡みつき、思わずギュウッと目を瞑った。
何だ、何だ、何だ、これは何だ!?
なんかミントっぽい味がする…いやそんなことはどうでも良いんだけど!!
舌を奥に引っ込めると今度は上の歯列をぬるりと舌で撫でられ、初めて味わう感覚に脇腹から背中にかけてビビビと何かが駆け抜けてゆき、本能が未知の刺激から身体を守ろうと後方に重心が傾いていく。
すると後頭部に回した白石さんの腕にぐっと力が入り身体が倒れないよう支えられ、より一層抵抗しづらい体勢へと移行してしまった。
ぬるぬると口腔内を白石さんの舌が這い回り、息ができないのも相まって体の力が入らなくなってくる。
口と口の間から湿った音が漏れ、どちらのものかもはや分からない唾液が顎のあたりまで伝って来た。
ぢゅっと音を立てて舌を吸い上げられると腰のあたりがゾクゾクと疼き、身を捩ってなんとか刺激を逃そうとする。
「ひゃめ…」
やめろ、と言おうとしてなんとも情けない音声に変わってしまったため、言葉は発しない方が吉だと学んだ。
舌を絡められている時間は永遠にも感じられるぐらいだったが、いよいよ息が苦しく全身に汗がまとわりつくようになった頃、ようやく唇と舌が解放された。
「…ッぶは、はぁっはぁっ…」
口が離れた瞬間、割と限界だった酸素不足を急いで解消しようと、自分の意に反して呼吸が荒くなる。
全身が熱く、汗が滲み肩で呼吸…まるでマラソンを完走した後のような状態だ。
クラクラする中で目を開けると、ぼんやりとした視界の中で白石さんがぺろりと口の端を小さく舐めていた。
「これで分かりました?」
余裕そうな顔で、まだ呼吸が整わず脱力気味の俺を見下ろしながら言葉を投げかける。
「わ、分かったって…何が…」
「遊びじゃないってこと、分かりました?」
何?遊びじゃない?一体どういうことなんだ…
頭の回転が鈍く、言葉の意味を考えることができない。
俺の様子を見てそれを察したのか、フッと笑って
「あのお子様キスで遊びだと思われてたようなので、今度はちゃんとしたのにしたんです」
「は、はぁ…!?ちゃんとって…」
「あれ?まだ足りないですか?」
「い、いや足りてます足りてます!!」
悪そうに笑いながら再び体を引き寄せてきたので、ぶんぶんと首を横に振る。
「全く…黒原さんてば、僕が誰にでもこういうことをするように見えるんですか?」
「…そ、そんなことはない…と思いますけど…」
「けど何です?」
少なくとも、出会ったばかりの俺にはしてますよね!?という言葉はぐっと飲み込む。
「モ、モテそうだし…」
「あはは!黒原さん、慣れてそうとかモテそうとか、僕を過大評価しすぎですよ」
この男はよくこんな状況で笑えるな!
「まあ仮に僕がモテたとしても、誰彼構わずこんなことはしませんよ」
不意打ちでちゅっと啄むように一瞬また口付けされた。
一瞬また時間が止まるが、今度は復帰が早かった。
「はっ!?な、また!!」
驚きと怒りと、悔しさ?自分でもよく分からない感情が湧き上がり、カァーッと顔が熱くなる。恐らく現在の俺の顔(というか全身)はさながら茹でダコのように真っ赤になっているであろう…
白石さんはそんな俺を見て楽しそうに笑うと、ぐいと掴んでいた腕を引き寄せ元の体勢に戻してきた。
「人通りがないとは言っても一応屋外ですので、今日はこのぐらいにしておきますか」
その一言でハッとする。
「…今日は!?このぐらいに!?っていうか、公共の場で!!何てことしてくれてるんですか!!」
「やだなぁ、言っても分かって貰えないので分かって貰えそうな手段を取っただけですよ」
「分かって貰えそうな手段!?いや十分よく分かりませんけど!?」
「え?分かりませんでした?」
「いいえええ嘘です分かりました!分かりました!!」
下手に口を開くと裏目ってしまうので迂闊に物が言えない。
「それは良かった、これ以上汗かかせちゃったら、夜風で風邪引いてしまうんじゃないかと気がかりだったので」
「それなら最初から!!汗をかかせることを!!しないでください!!」
「あはは、黒原さんいきなり元気ですね。さっきまであんなにくてんくてんだったのに」
「なッ……それは突拍子もないことをしてきたあんたのせいでしょうが!!」
「その突拍子もないことはどうでした?気持ち良かった?」
「き………」
気持ち良かった…のか!?
いやいや、突然ものすごくディープなキスをされて、混乱したのと息ができずに苦しかったのと、
ミント風味の生温かい白石さんの舌が口の中で絡み合ったのが…
「……気持ち良い…わけあるか!!」
「あら、そうでしたか?まあこんなことじゃ満足できるわけありませんよね」
「はぁ!?」
「夜風は冷えることですし、僕の家で続きでもして温まっていきます?」
ぼくのいえで
つづきでも
…
「…あ、あんたはアホかーーー!!」
「あはは、冗談ですよ」
「白石さんが言うと冗談に聞こえないんですよ!!」
「あ、足腰立ちます?おぶって差し上げましょうか?」
「立ちます!要らないです!!自分で歩きますんで!!」
「そうですか?遠慮しなくても良いのに」
「遠慮じゃないですよ!!白石さん、キャラ変わってません!?」
「そうですか?僕からすると、黒原さんの方が変わった感じしますけど」
「お、俺ですか!?」
いや、どう考えても白石さんの方がキャラ変わってるよな!?
最初の頃はスマートで…いや今もスマートだな。
何をするにも余裕そうで…いや、今もそうか。
優しく相談に乗ってくれて…って今もそうか?
あれ?もしかして白石さんってキャラ一貫してる?
いやいや、流されるな俺!明らかにセクハラされるようになったんだし、キャラ変してるのは白石さんの方に違いないのだから!
「黒原さん、なんだか急に壁がなくなって親しみやすくなったと言うか、むしろ親密になったと言うか。距離が縮まりましたよね」
「縮まるというよりゼロ距離でしたけど!」
「黒原さん、うまいこと言いますね~。あ、駅まで送りましょうか?」
「い!り!ま!せ!!ん!!」
余裕ゼロ、むしろマイナスの俺に反比例するように普段より涼しそうな顔で余裕を見せつけてくるこの男…
時間にしてそんなに長い間公園にいたわけでもなさそうなのに辺りはすっかり暗くなり、街灯に照らされた白石さんは発光しているのか?というぐらい色白で眩しく見える。
俺より先に立ち、数歩したところで俺が歩き出すのを待っているその姿は、本当に何かのモデルのようだった。
「…ほ、本当になんでこんなことをするんですか?」
歩き出す前に、意を決して素直な疑問を投げかけてみる。
「何でだと思います?」
そう聞かれるのが分かっていたかのように、逆に即レスで質問を返されてしまった。
遊びじゃないと言うのに、みどりさんとのことは応援してくる。ものすごいことをして来るのに、好きだとも付き合おうとも言われない。
そもそもこの関係すらよく分かっていないのに、何でかなんて答えに辿り着く術は全く持ち合わせていない…
「いや、本当に分からないです、だってデートには喜んで送り出そうとしてきたのに…」
「喜んで?何言ってるんですか?」
「え?あの、さっきの女性の件ですけど」
「ええ、行かなきゃ良いのにと思ってますよ」
は?
「は?」
は?
「僕何かおかしいこと言ってます?」
きょとんとした顔で首を傾げて来る。
「えっ?いや、でも、食事楽しんで来いって…」
「また女性とお付き合いされたいって話を聞いていたので、ただ相談に乗っただけですよ」
「は、はぁ…!?どういうことですか!?」
「どうもこうも無いですが…黒原さんが悩んでいたので少しでも解決のためのお手伝いができたらなぁと思ったまでです」
「え?いやちょっと待ってください!?」
俺が悩んでたから相談に乗ったし、食事楽しんできてねとは言ったけど、
別に送り出すつもりはなかった?けど言葉では喜んで送り出していて??なのにコテコテのキスはかましてくる??
いや待てよ、思考と発言と行動が全て矛盾しているのではないか!?
「な、なんでそんな複雑なことになってるんですか!?」
「いやだって、そもそも僕には黒原さんを止める資格なんてないじゃないですか?」
「し、資格!?」
「ほら、帰りましょう黒原さん、本当に風邪引きますよ」
「え?いやあのちょっと…」
「ん?今夜は帰りたくないってことですか?」
「いや!帰ります帰りますけど!!」
落ち着いて考える時間が与えられないまま話だけがポンポンと流れてゆき、疑問が何一つ解決できないまま解散に向かっている。
なんとなく、白石さんはわざと俺に考えさせる時間を与えないようにしているんじゃないかとさえ思った。
そのうち脳が超高速で現状の解析を始めてドーンと目の前に現れたのは、キスという2文字。
「…………!?!?」
宇宙から現実に引き戻されて、思考がフル回転する。
な、な、何が!!
起きているんだ!!?
いやキスをされているのだけれども!!!
それにしたってなぜこんなことに!!!!
混乱しているところにぬるりと唇に生々しい感触がして、ビクーッと体が跳ねる。
どうやら唇を舐められたらしい。
慌てて顔を逸らそうとするが、がっちりと固定されていて動かない。なんとか白石さんの腕を掴み、強引に引き剥がす。
「ぶはっ…い、一体何を…」
一瞬口元が離れたが今度は腕を掴まれ、ぐいっと頭と共に引き寄せられ再び唇がぶつかる。
問いただすために開いた口の中に、白石さんの舌がねじ込まれ…
「~~~ッッッ!!」
にゅる、と舌と舌が擦れ合い、えも言われぬ感覚が電流のように舌から全身に広がっていく。
温かい白石さんの舌が自分の舌に絡みつき、思わずギュウッと目を瞑った。
何だ、何だ、何だ、これは何だ!?
なんかミントっぽい味がする…いやそんなことはどうでも良いんだけど!!
舌を奥に引っ込めると今度は上の歯列をぬるりと舌で撫でられ、初めて味わう感覚に脇腹から背中にかけてビビビと何かが駆け抜けてゆき、本能が未知の刺激から身体を守ろうと後方に重心が傾いていく。
すると後頭部に回した白石さんの腕にぐっと力が入り身体が倒れないよう支えられ、より一層抵抗しづらい体勢へと移行してしまった。
ぬるぬると口腔内を白石さんの舌が這い回り、息ができないのも相まって体の力が入らなくなってくる。
口と口の間から湿った音が漏れ、どちらのものかもはや分からない唾液が顎のあたりまで伝って来た。
ぢゅっと音を立てて舌を吸い上げられると腰のあたりがゾクゾクと疼き、身を捩ってなんとか刺激を逃そうとする。
「ひゃめ…」
やめろ、と言おうとしてなんとも情けない音声に変わってしまったため、言葉は発しない方が吉だと学んだ。
舌を絡められている時間は永遠にも感じられるぐらいだったが、いよいよ息が苦しく全身に汗がまとわりつくようになった頃、ようやく唇と舌が解放された。
「…ッぶは、はぁっはぁっ…」
口が離れた瞬間、割と限界だった酸素不足を急いで解消しようと、自分の意に反して呼吸が荒くなる。
全身が熱く、汗が滲み肩で呼吸…まるでマラソンを完走した後のような状態だ。
クラクラする中で目を開けると、ぼんやりとした視界の中で白石さんがぺろりと口の端を小さく舐めていた。
「これで分かりました?」
余裕そうな顔で、まだ呼吸が整わず脱力気味の俺を見下ろしながら言葉を投げかける。
「わ、分かったって…何が…」
「遊びじゃないってこと、分かりました?」
何?遊びじゃない?一体どういうことなんだ…
頭の回転が鈍く、言葉の意味を考えることができない。
俺の様子を見てそれを察したのか、フッと笑って
「あのお子様キスで遊びだと思われてたようなので、今度はちゃんとしたのにしたんです」
「は、はぁ…!?ちゃんとって…」
「あれ?まだ足りないですか?」
「い、いや足りてます足りてます!!」
悪そうに笑いながら再び体を引き寄せてきたので、ぶんぶんと首を横に振る。
「全く…黒原さんてば、僕が誰にでもこういうことをするように見えるんですか?」
「…そ、そんなことはない…と思いますけど…」
「けど何です?」
少なくとも、出会ったばかりの俺にはしてますよね!?という言葉はぐっと飲み込む。
「モ、モテそうだし…」
「あはは!黒原さん、慣れてそうとかモテそうとか、僕を過大評価しすぎですよ」
この男はよくこんな状況で笑えるな!
「まあ仮に僕がモテたとしても、誰彼構わずこんなことはしませんよ」
不意打ちでちゅっと啄むように一瞬また口付けされた。
一瞬また時間が止まるが、今度は復帰が早かった。
「はっ!?な、また!!」
驚きと怒りと、悔しさ?自分でもよく分からない感情が湧き上がり、カァーッと顔が熱くなる。恐らく現在の俺の顔(というか全身)はさながら茹でダコのように真っ赤になっているであろう…
白石さんはそんな俺を見て楽しそうに笑うと、ぐいと掴んでいた腕を引き寄せ元の体勢に戻してきた。
「人通りがないとは言っても一応屋外ですので、今日はこのぐらいにしておきますか」
その一言でハッとする。
「…今日は!?このぐらいに!?っていうか、公共の場で!!何てことしてくれてるんですか!!」
「やだなぁ、言っても分かって貰えないので分かって貰えそうな手段を取っただけですよ」
「分かって貰えそうな手段!?いや十分よく分かりませんけど!?」
「え?分かりませんでした?」
「いいえええ嘘です分かりました!分かりました!!」
下手に口を開くと裏目ってしまうので迂闊に物が言えない。
「それは良かった、これ以上汗かかせちゃったら、夜風で風邪引いてしまうんじゃないかと気がかりだったので」
「それなら最初から!!汗をかかせることを!!しないでください!!」
「あはは、黒原さんいきなり元気ですね。さっきまであんなにくてんくてんだったのに」
「なッ……それは突拍子もないことをしてきたあんたのせいでしょうが!!」
「その突拍子もないことはどうでした?気持ち良かった?」
「き………」
気持ち良かった…のか!?
いやいや、突然ものすごくディープなキスをされて、混乱したのと息ができずに苦しかったのと、
ミント風味の生温かい白石さんの舌が口の中で絡み合ったのが…
「……気持ち良い…わけあるか!!」
「あら、そうでしたか?まあこんなことじゃ満足できるわけありませんよね」
「はぁ!?」
「夜風は冷えることですし、僕の家で続きでもして温まっていきます?」
ぼくのいえで
つづきでも
…
「…あ、あんたはアホかーーー!!」
「あはは、冗談ですよ」
「白石さんが言うと冗談に聞こえないんですよ!!」
「あ、足腰立ちます?おぶって差し上げましょうか?」
「立ちます!要らないです!!自分で歩きますんで!!」
「そうですか?遠慮しなくても良いのに」
「遠慮じゃないですよ!!白石さん、キャラ変わってません!?」
「そうですか?僕からすると、黒原さんの方が変わった感じしますけど」
「お、俺ですか!?」
いや、どう考えても白石さんの方がキャラ変わってるよな!?
最初の頃はスマートで…いや今もスマートだな。
何をするにも余裕そうで…いや、今もそうか。
優しく相談に乗ってくれて…って今もそうか?
あれ?もしかして白石さんってキャラ一貫してる?
いやいや、流されるな俺!明らかにセクハラされるようになったんだし、キャラ変してるのは白石さんの方に違いないのだから!
「黒原さん、なんだか急に壁がなくなって親しみやすくなったと言うか、むしろ親密になったと言うか。距離が縮まりましたよね」
「縮まるというよりゼロ距離でしたけど!」
「黒原さん、うまいこと言いますね~。あ、駅まで送りましょうか?」
「い!り!ま!せ!!ん!!」
余裕ゼロ、むしろマイナスの俺に反比例するように普段より涼しそうな顔で余裕を見せつけてくるこの男…
時間にしてそんなに長い間公園にいたわけでもなさそうなのに辺りはすっかり暗くなり、街灯に照らされた白石さんは発光しているのか?というぐらい色白で眩しく見える。
俺より先に立ち、数歩したところで俺が歩き出すのを待っているその姿は、本当に何かのモデルのようだった。
「…ほ、本当になんでこんなことをするんですか?」
歩き出す前に、意を決して素直な疑問を投げかけてみる。
「何でだと思います?」
そう聞かれるのが分かっていたかのように、逆に即レスで質問を返されてしまった。
遊びじゃないと言うのに、みどりさんとのことは応援してくる。ものすごいことをして来るのに、好きだとも付き合おうとも言われない。
そもそもこの関係すらよく分かっていないのに、何でかなんて答えに辿り着く術は全く持ち合わせていない…
「いや、本当に分からないです、だってデートには喜んで送り出そうとしてきたのに…」
「喜んで?何言ってるんですか?」
「え?あの、さっきの女性の件ですけど」
「ええ、行かなきゃ良いのにと思ってますよ」
は?
「は?」
は?
「僕何かおかしいこと言ってます?」
きょとんとした顔で首を傾げて来る。
「えっ?いや、でも、食事楽しんで来いって…」
「また女性とお付き合いされたいって話を聞いていたので、ただ相談に乗っただけですよ」
「は、はぁ…!?どういうことですか!?」
「どうもこうも無いですが…黒原さんが悩んでいたので少しでも解決のためのお手伝いができたらなぁと思ったまでです」
「え?いやちょっと待ってください!?」
俺が悩んでたから相談に乗ったし、食事楽しんできてねとは言ったけど、
別に送り出すつもりはなかった?けど言葉では喜んで送り出していて??なのにコテコテのキスはかましてくる??
いや待てよ、思考と発言と行動が全て矛盾しているのではないか!?
「な、なんでそんな複雑なことになってるんですか!?」
「いやだって、そもそも僕には黒原さんを止める資格なんてないじゃないですか?」
「し、資格!?」
「ほら、帰りましょう黒原さん、本当に風邪引きますよ」
「え?いやあのちょっと…」
「ん?今夜は帰りたくないってことですか?」
「いや!帰ります帰りますけど!!」
落ち着いて考える時間が与えられないまま話だけがポンポンと流れてゆき、疑問が何一つ解決できないまま解散に向かっている。
なんとなく、白石さんはわざと俺に考えさせる時間を与えないようにしているんじゃないかとさえ思った。
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